011年晩秋、高知~愛媛花紀行、その6、ソナレノギク
この日のドライブ花散策は、急遽出発したので、前もって下調べをしたわけでもなんでもなく、高茂岬にアシズリノジギクが咲くことだけは知っていましたが、その他は前知識もなく、いきなりの訪問でした。
実際に歩いてみると、アシズリノジギクだけではなく、何か薄紫のノギクの仲間が見えました。
今まで出会ったことがなければわからないところでしたが、この花には数年前に高知の大堂海岸で出会っています。
そう、これはソナレノギクですね。
ヤマジノギクの変種で高知県の大月町の柏島と周辺の海岸に生えるとありますが、愛媛の高茂岬にも自生するようです。
この日はアシズリノジギクを見るには少し早いような感じでしたが、ソナレノギクは咲き終わった花もかなりあったので、もう少し訪問が遅ければ花が終わっていたかもしれません。私の図鑑では花期は10~11月とあります。それに高知の南の海岸よりは高茂岬は寒いように思いました。
周囲にはハナユウらしき株やアシズリノジギクも見えています。
大堂海岸で見たソナレノギクは道路工事の際に失われそうな株を地元小学校の生徒たちが保護して植栽したものでしたが、今回は初めて、自生の株を見ることができて、ほんとにうれしい出会いとなりました。
今年は11月のわずか10日間ほどの間にヤマジノギク、ヤナギノギク、ソナレノギクという、ヤマジノギクとその変種をすべて見ることができたわけです。
変種とはいえ、それぞれの環境に見事に適応した姿に、植物のしたたかさの様なものを感じました。
あまりゆっくりともしていられないのですが、遊歩道を歩いていると今度はこんな花を見つけました。
これはどこかの掲示板で見たことのあるソナレムグラですね。
この花も初見でした。
花期は8~9月とありますが、高知や愛媛の海岸では普通の花期から2か月遅れで咲くことはよくあることです。
花はごく小さくて4弁の白い花です。
それにしても、山で見かけるムグラの仲間とはまるで別物の様な多肉系の葉をしています。
ソナレムグラの近くには紅葉した真っ赤な多肉植物も見かけました。
花は咲いていませんでしたが、紅葉したタイトゴメのようです。
なかなか綺麗な紅葉です。
結局、午後3時45分に高茂岬を出発しました。
ここからは帰途に就くわけですが、高知経由で帰るのも長い道中です。どうせ長い道中ならば、いっそのこと、宇和島経由で帰ろうと決めました。
高茂岬からの帰り道ではいたるところでツワブキが群生していました。
帰りに外泊(そとどまり)の集落で車を止め、少しだけ撮影しました。
この集落は小さな漁村ですが、集落のいたるところに防風用の石垣が築かれた独特の景観が有名です。
集落と山の境の辺りに黄色く見えているのはツワブキの群生です。
下から見上げると、新築の綺麗な家が多かったですが、民宿なども多いようでした。次回は泊りがけで来てみたいものです。
石垣の上にもアシズリノジギクやツワブキが乱れ咲いている様子です。
さすがによく走って、ガソリンがかなり減っていたので、外泊の集落の近くのガソリンスタンドでガソリンを満タンにしてもらったのは、もう午後4時半近くでした。
御荘まで出てきたら、あとは56号を北へ北へと走るだけですが、だんだん日が暮れてきます。
途中、道の傍らでアシズリのじぎくらしき白いノギクを何度も見かけましたが、帰りが遅くなるので、一度だけ止めてみました。
たまたま車を止めたすぐ近くで、車道から海に突き出た岩場に渡ることができたのです。
その岩場にはツメレンゲが咲いていました。
海のすぐ近くで、咲いているツメレンゲを見たのは初めてでしたが、この辺りでは珍しくもないのか、すぐ手の届く場所にいくらでも咲いています。
辺りは 暗くなりかけていましたが、ISOを上げて、何とか撮影した一枚です。
国道の横で見られる光景です。
周辺には真っ白なキクも咲いていましたが、薄暗がりの中で見た葉は、どうやらアシズリノジギクではなくノジギクのように見えました。
アシズリノジギクの分布は高知の足摺岬から愛媛の佐田岬までと聞いています。
次回は佐田岬にアシズリノジギクが咲いているのを見てみたいと強く思いました。
宇和島から松山にかけてはちょうど夕暮れ時となり少々渋滞に巻き込まれましたが、帰宅は8時過ぎとまずまずの時間に帰れました。
距離にしたら500キロ以上は完全に走っているので、これが本州に向けて走ったのなら、信州辺りまで行けた勘定です(^_^;
狭いようでも、いざ車で走ると、四国も広いものです。
来年といわず、機会さえあれば、愛媛と高知の県境付近にもう一度行ってみたいものです。
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