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2012-06-23

初夏の東北の旅、その10、早池峰山のサンカヨウそして下山

標高1600mほどまで下ってきたら、稜線方面が見えてきました。

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雨はまだ降っていて、気温は低めです。

雨具を着ていても少し肌寒さを感じるぐらいだし、下手に休憩を取ると風に吹かれて体温が下がりそうなので、このままゆっくりと下ることにします。

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ここにもイワウメが見事に咲いていました。

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休憩するなら、あの岩の岩陰だと思いましたが、先輩方も休憩は撮らなくても大丈夫と言います。

体が冷えることの怖さを皆さん良くご存じなのです。

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稜線方面を見上げると、ガスが切れたところに下ってくる人が小さく見えます。

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13時34分、五合目の道標の横を通過しました。

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小田越山荘が小さく見えています。小屋は樹林の中にあるようですが、その樹林帯に入るまでが岩場の急な下りです。

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ここまで下ったら、ミネザクラがハイマツの中で咲いていました。

でも、河原の坊からのコースよりもずっと少なかったです。

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下って行く人がはるか下に見えますが、あの人たちが歩いている辺りが岩場の下りの終わる辺りですね。そこまでは急降下していくようです。
ともかくつまずかないようにゆっくりと確実に下ることを心がけます。

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下りの岩場の陰にミヤマアズマギクの大株が4つも花を咲かせていました。

その隣の葉っぱはハヤチネウスユキソウのようですね。これは花期が6月末とか7月初めのようです。

また再び早池峰に登る機会があれば、今度はウスユキソウも見てみたい・・・・。

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ミヤマシオガマも咲いていて、河原の坊からのコースと同じような花も咲いていますが、ヒメコザクラやナンブイヌナズナが多いのは断然河原の坊からのコースでした。

やはり状況が許せば、両方のコースを歩くのが良いですね。

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一合目と書かれた道標の横を14時23分に通過しました。

この日は翌日の山開きを控えていたからか、この時間に登ってくる関係者の方とも結構すれ違いましたが、単独の男性の方が、しきりと岩の隙間を見ているのです。どうしたのかと思ったら「オコジョがいるよ」と・・・。

トップを歩いていたおかげで岩の隙間から顔を出したオコジョを見ることができました。

実は我が家の庭にはイタチが棲みついていて、今日もイタチを見たのですが、オコジョはイタチとよく似ていました。

それもそのはずオコジョはイタチ科の動物なんですね。

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後ろを見ると、登って行く人、下ってくる人、どちらも見えます。

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一合目の道標を過ぎると、後は樹林帯の歩きです。

こんなところにもヒメイチゲが咲いていました。

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ツクバネソウを見ましたがまだ花芽でした。

ツクバネソウは四国でも初夏の花ですから、時期が早いみたいです。

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白い見慣れないスミレが出てきました。

こんな感じのスミレはマルバスミレしか今まで見たことがなかったのですが、早池峰に咲くこのスミレはウスバスミレのようですね。

ウスバスミレは北海道と本州の中部地方以北に分布するので、見たことがない筈ですね。

登りと同様にオオタチツボスミレやミヤマスミレも見かけました。

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樹林帯の中ではサンカヨウも咲いていました。

こんな薄暗いところでサンカヨウの花を見たのは初めてなのでちょっと意外でした。

たいていはアルプスの雪渓の縁などで見ているのですが・・・。

でも、去年はアルプスに行くのが7月末だったので、見ておらず、サンカヨウを見るのは2年ぶりでした。

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そして嬉しいことに、ツバメオモトの花も出てきました。

ツバメオモトの花を見るのは初めてなのです。

今まで実になったツバメオモトは何度も見ていますが、やはりこの花は早い時期に咲くようです。

この後も数か所で見ることができました。

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エンレイソウは河原の坊からのコースではシロバナエンレイソウが咲いていましたが、小田越コースでは普通のエンレイソウが咲いていました。両方の種類が咲く山は珍しいと思いました。

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セリバオウレンの果実?と思ったら、どうも草丈が低いし葉の感じもセリバオウレンとは違うようです。全体に小型だし、コセリバオウレンかなと思いました。

もっと葉を良く撮影すれば良かったのですが、レンズは曇っているし、下山を急いでいたので、ちょっと無理でした。

セリバオウレンの花は四国でも良く見ていますが、早池峰のものは雰囲気が全然違うので、コセリバオウレンでしょうね。

葉も3回3出複葉のように見えます。

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こんな雨の中なのに律儀に咲いているコミヤマカタバミ・・・。

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そしてまたもや私にとっては珍しい花、オサバグサが出てきました。

オサバグサは仙丈かどこかで見ただけで、もう6,7年は見てない花なのです。

レンズが完全に曇ったのと、薄暗い樹林の下で咲いているのとで、ひどいピンボケです。

下りは白い花が続きます。

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最後は木道歩きでした。

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15時7分、林道まで下ってきました。

林道から眺める早池峰方面です。

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この小屋は監視員の詰所らしく、関係者以外は入室禁止となっています。

小田越山荘はもう少し林道を歩いたところにあったようですが、そこまでは行きませんでした。

詰所の方といろいろと立ち話させていただきました。

それにしても、さすがに国定公園だけあって、植物の保護や管理が行き届いていますね。

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小田越えで10分ほど休憩しました。結局、山頂から小田越までは休憩せずに下ってきたのでした。

全員が無事に下れて、ほっとしました。

口には出さずとも、皆さん、充実した満足なお顔をされていました。

私は林道わきのスミレの群生を撮影しますオオタチツボスミレみたいですね。

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ここにもノビネチドリが咲いています。

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マイヅルソウも小屋の横で咲いていました。

P609044715時20分、林道を歩いて河原の坊へと下り始めました。

歩き初めにオオヤマフスマの白い小さな花が目に留まったので、急いで撮影しました。

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林道を挟んで、南についているのは薬師岳への登山口でした。時間に余裕があれば、こちらも登りたいところです。

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林道わきで咲いていたズダヤクシュ・・・。

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林道沿いにはムラサキヤシオも咲いています。

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林道から見える林床にはオサバグサがあちこちで群生していて、びっくりしました。

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やっぱり林道沿いで咲いていたサンカヨウです。

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ダケカンバの新緑を眺めながらの林道歩きは乙なものですね。

この日は前日と同じ花巻温泉の宿に連泊なので、帰ったら温泉に浸かって後は夕食を食べるだけ(^_^;

30分の林道歩きも、花を見ながらで退屈しませんでした。

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途中に宮澤賢治の詩碑がありました。

花巻は宮澤賢治のふるさとなんんですね。

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山の上では瑠璃色のミヤマオダマキの花芽をいっぱい見かけましたが、山すその林道歩きではヤマオダマキの花芽を見つけました。

もしかするとキバナノヤマオダマキかもしれません。

キバナノヤマオダマキは花期が遅いですから・・・。

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15時56分、下山届を書いて、この日の山歩きは無事終了しました。

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この日最後に写した花は、駐車場のトイレ傍に咲いていたウワミズザクラでした。

さすがに東北の山は、四国の山とはかなり花の時期が違いますね。

この後、宿に帰ってから皆で祝杯を挙げたのは言うまでもありません。

コメント

keitannさん、こんばんは。

やはり早池峰山は珍しい山野草が沢山咲くのですね。
しかも、6月上旬だと言うのに此方では初夏に咲く花も見られ
山野草の花時が早春から初夏の花が一気に咲くようですね。

k2さん、こんにちは。

早池峰山は花の名山の名にふさわしく、ほんとに最初から最後まで途切れることなく花が咲いていましたよ。
6月初めと言うと、普通の山は花が少ない時期ですが、早池峰に関してはそれがないようですね。
また、日本百名山の名にも恥じない、山としても一級品の山だと思いました。
一見の価値ありではなく、一登の価値ありです。
あちらにお出向きの際はぜひ登られてみてくださいね。

keitann様 こんにちは
先輩達との楽しい山の時間が無事終了しましたね。
話に聞くだけの早池峰山でしたが、このレポートを通して読んできて、この山の肉付けが相当進みました。
今回の記事では始めの内はこの山の雄大さを感じていた次第です。
そして実に沢山の花たちをこの記事でも登場させてくれましたね。
この記事だけでもイワウメから始まってウワミズザクラに到るまで植物の写真が23回も出てきました。
それだけ花たちとの出会いの多かった、充実した山行であったと言うことですね。

祝杯はまるで勝利の美酒のようでしたでしょう。

ぶちょうほう様、こんにちは。

早池峰山は私も名前は知っていましたが、それほど登りたいという気持ちが強かったわけではないのです。
ただ、6月初旬と言う時期に東北で雪が少なくて花の咲いている山なれば、早池峰山がお勧めと言うことを、野草友達のMさんから冬にお聞きしていました。
6月初旬ならヒメコザクラとナンブイヌナズナは間違いなく咲いてますよ、と伺っていました。
そのお勧めには間違いありませんでした。
ただ花の数が多いだけでなく、岩場登りの面白さもありますし、花にしても橄欖岩に咲く固有種と、山すそに咲く普通朱のスミレやサンカヨウなど、花の種類が多いですね。
6月初旬と言う時期にこれほどの花が咲いているというのはほかの山ではあまり見ないように思いました。
機会があればもう一度ぐらい、時期をずらして行っても良いかなと言う気持ちになっています。
個人的には学生時代以来で山にご一緒した先輩たちと、最後まで歩き通せたという、そのことがいちばん嬉しかったです。

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