初夏の東北の旅その7、早池峰山のヒメコザクラとナンブイヌナズナ
歩き始めて5分もしないうちに、岩陰に何か白い小さな花が咲いていることに気づきました。
小さな花ですが、これがヒメコザクラのようです。ヒメコザクラを見るのが今回の一番大きな目当てだったのですが、前もって検索でヒメコザクラの画像を見てくることは敢えてしませんでした。
初めて見たときの印象はとにかく小さいということ、そして四国の東赤石や石鎚山系で見かけるユキワリソウとよく似ているということでした。東赤石のユキワリソウも小さくて淡いピンクの花で、シコクカッコソウやイワザクラと言った派手な花色を持つサクラソウの中ではあまり目立たない花です。ユキワリソウの花色を白に変えたのがヒメコザクラかしらん?と思いました。
標高1500~1600ぐらいだと思うのですが、早くもハイマツが出てきて森林限界です。
ロープが2本見えますが、登山道はこの2本のロープの間を登ります。
登ってくるOさんと、もっと下から登ってくるほかのグループの方たち・・・。
たいがいの山道は樹林の中だったりカーブしていたりで下が丸見えと言うこんな登山道を私はほかに知りません。
登るにつれてミネザクラの樹高は低くなり、この辺りでは樹高70センチぐらいでした。
でも花色のピンクは濃くなってきました。
花の時期にぴったりだったようです。
7年前に秋田駒や八幡平ではやはり白いサクラソウであるヒナザクラを見かけましたが、ヒナザクラは湿原の花であるのに対し、ヒメコザクラは岩場に咲くのですね。
それにヒナザクラよりずっと草丈が低いです。
初めてのヒメコザクラを見つけて10分も経つか経たないうちに、今度はナンブイヌナズナが咲いていました。
早池峰の花が続々出てきて、テンションが嫌でも高くなります。
数が少ないのかと思って、何枚もせっせと撮影していたら・・・・
登っていくうちに道の両側のあっちにもこっちにも咲いているのです。
西に見える尾根越しに小田越の小屋と思われる小屋が見えてきました。下りはあちらに下る予定です。
先輩たちも河原の坊からの岩場の登りが結構な急坂でずっと続いているのに驚いて「これは河原の坊に下るのはちょっと無理ね」などと言い始めました。
東側を見ると、さっきまで上のほうに見えていた雪渓が目の高さに見えてきました。ここまで登ったということですね。
ハイマツに混じって、ハイマツと同じ高さで咲いているミネザクラ・・・。早池峰山はほんとにミネザクラの多い山です。
こんな曇りの日でも目が覚めるほど鮮やかな黄色です。
太陽の下ではどんな風に咲くのでしょう?
そして東赤石もそうですが、蛇紋岩地の山ではその山に特有の花々が惜しげもなく咲いているのが見られますね。
東赤石のタカネバラ然り、シコクギボウシ然りです。
後方から山ガールが二人来られたので、先に行っていただきました。
カラフルなファッションに身を包む山ガールはモデルとしても岩山に映えます。
この辺りは東赤石や八巻山の登りと同じ雰囲気です。
こんな急な下りは雨の中は下りたくないものです。
橄欖岩の岩の割れ目に一列に並んで咲いているチシマアマナがあまりにも可愛くて何枚か撮影してしまいました。
岩の割れ目に詰まっているわずかな土を頼りに生きているんですね。
チシマアマナは今までに3度ほど見てはいるのですが、こんな綺麗な初々しいチシマアマナを豪勢に見られたのは初めてです。
早池峰ではチシマアマナもあちこちで咲いているのです。
keitann様 今回の記事は今山行のハイライトでしょうか。
珍しい花たちが惜しげもなく姿を現してくれますね。
それから溌剌とした山ガールも様になっていますよ。
なんと言っても記事冒頭のヒメコザクラは可憐ですね。
そして岩場で派手に咲くナンブイヌナズナも見ごたえがあります。
チシマアマナのやや寸の詰まったような姿はこの山の地味の所為なのでしょうね。
とてもバランスの良く取れた姿だと感心しました。
投稿: ぶちょうほう | 2012-06-21 14:22
ぶちょうほう様、おっしゃる通りです。
森林限界を越えたあたりから、この山の固有種であるヒメコザクラやナンブイヌナズナなどがどんどん出てきました。ナンブイヌナズナの独特の黄色は曇っていても目を惹いて素晴らしいと思いました。
最近は山にも若い人が増えて、特に百名山と言われるような山では山ガールや山ボーイも結構見かけますね。
若い人はウエアを見ているだけでもカラフルで楽しいし、何より元気で溌剌としていて、山の雰囲気が良くなりますね。
チシマアマナもアルプスで何度か見ていますが、見る時期のせいか、相当草臥れた姿しか見てなかったのですが、早池峰山のものは咲きあがったばかりの姿で素晴らしかったです。
投稿: keitann | 2012-06-21 22:29