真夏の東赤石、その7、タカネマツムシソウ
赤石山荘到着は11時32分でした。
もちろん、人っ子一人いません。
着いてすぐに、ザックを下ろして、小屋の裏手の水場に行ってみて、びっくりしました。
なんと、いつもの水が流れていません。小屋の裏手には黒いホースが引かれていて、いつもホースから山の水が流れているのですが・・・・。今年は雨が極端に少ないので、東赤石も水が少ないのかも・・・。こんなことなら途中の沢で水を補給しておくのでした。
山荘前の木陰に座って、何か食べることにしましたが、コンビニで買ってきたゼリーのことを思い出し、冷たいうちに食べてしまおうと思い、保冷ケースから出して食べます。暑い時期は、やはりこういうものが喉ごしが良くて美味しいですね。
ゼリーを食べた後、さて、午後からはどういうコースで歩こうかと思いを巡らせます。前日の段階では6時ぐらいに登り始める予定だったので、前赤石直下の巻道辺りまで行きたかったのですが、時間的に遅くなったので、ちょっと無理です。山頂はパスしてトラバース道の花でも見るかな~などと思っていたら、いきなり小屋の裏手から50歳ぐらいの単独の男の人が一人現われて、挨拶されたので驚きました。
「どこから来られました?」と尋ねたら、「西赤石から東赤石まで縦走です」ということです。こんな暑い時期に?そして、それなら、なぜ稜線伝いに歩かず、小屋まで下ってこられたのか不思議に思ったら、石室越から東が「悪路」と書いてあったので・・・・。ということでした。石室越~八巻山は、それほど悪路と言うわけでもないですが、初めての人はそれを見ると躊躇されるんでしょうね。
縦走と言っても銅山ヒュッテにテントを張っているそうで、東赤石まで行ったら銅山ヒュッテまで引き返す予定だとか・・・。時刻はすでに12時を回っているし、この日はカンカン照りなので、午後からの稜線歩きは暑くて大変です。「良かったら、山頂から瀬場に下られたら瀬場から東平まで送りますよ」と言ったら、しばらく考えていましたが「お願いします」ということです。岡山からこられたそうで、山歩きを始めてからまだ日が浅そうな感じでした。
ということで、成り行き上、この男性のガイドを務めることになりました。山頂へは八巻山経由のコースも考えましたが、時間がかかりすぎるのでトラバース道利用してその後直登道を登ることにします。
そうとなれば、今のところ手持ちの水分が1リットルを切っているので、小屋の裏手の水たまりに溜まっていた水でも、汲んでいくことにします。トラバース道歩きだけなら、水はあまり必要ないですが、山頂まで行くとなれば、ある程度持っておいたほうが安心ですから。小屋裏手の水は決して綺麗ではないですが、昔は相当ひどい水を利用したこともありますから、まぁ、大丈夫でしょう。
東赤石では、8月に来たときも午後になると必ずと言ってよいほどガスが出てくるのですが、この日は珍しく、午後になっても晴れたままです。
が、岡山からの男性を送るとすれば、早めの下山が望ましいので、その方がお昼を食べてしまうのを待って、すぐに出発します。出発時刻は12時10分です。
そんな次第で、山頂をパスするつもりが、この日も山頂を踏むことになりました。
分岐に向かう途中でも橄欖岩を背景に咲くシラヒゲソウが良い雰囲気でした。
こちらはコウスユキソウですが、6月末に来たときは花には早かったのが、今度は遅すぎました。(^_^;今年は7月末とか8月初めの良い時期に来られなかったので、仕方ないですね。
12時16分、この日二度目の分岐通過です。
で、この画像を見ていたら、ロープに何やら腕時計がかけてあるのに気づきました。歩いているときはまったく気づかなかったのですが・・・。
拡大してみました。
誰かが落とした腕時計を、拾った方が分岐のロープにつるしてくれたいるようです。
最近、東赤石に登った方で、腕時計を落とされた方、いないでしょうか?
ここで嬉しい発見です。
タカネマツムシソウが咲き残りではありますけど、咲いていました。
ここ数年見てなかったので、すごく嬉しかったです。自分のブログ内を検索してみたら2008年8月12日に東赤石に登った時以来のようです。ということは5年ぶり?
ほとんどが果実になりかけていましたが、このコース、去年も一昨年も8月に歩いているはずなのに、見た覚えがありません。なんでかな~?
山荘からご案内することになった岡山の男性にも、タカネマツムシソウは東赤石の花としては有名ですと話したら、カメラを出して撮影されたいました。
そして、この花にも会えるのを楽しみにしていたナヨナヨコゴメグサも何とか咲いていてくれました。
極小の花に今年も会えました。
トリミングしているので大きく見えますが、実際は花の長さは6mmぐらいです。他のコゴメグサを見たことがないので比較できないですが、北アルプスなどで咲くミヤマコゴメグサなどはもっと花つきが良くてみつけやすそうですね。
これがトリミングなしの画像です。
普通に歩いていたのでは、なかなか見えないと思います。
シラヒゲソウとオトメシャジンの何とも奥ゆかしいツーショットです。
6月末の縦走時にも見かけたホソバシュロソウがまだ咲いていました。
ここにもシラヒゲソウ・・・。
花芽をつけた株もかなりあったので、8月いっぱいは見られそうですね。
ウバタケニンジンも花と実の両方が見られる季節です。
白いノギクとオトメシャジンのツーショットもいかにも秋らしい・・。
剣山のコモノギクもそろそろ咲いている頃ですね。
山荘までの最後の登り道沿いにもリョウブの木があって、花を探しながら歩いたのですが、見られなかったのが、ここトラバース道で見ることができました。
良い香りがあるのですが、もっとたくさん咲いてないと、ここまで香りが届かないかな?
ピンボケになりましたが、橄欖岩の割れ目ではコウスユキソウとシコクギボウシのツーショットが見られました。
夏の東赤石らしい、橄欖岩を背景に咲くオトメシャジンです。
オオトウヒレンは、まだ花が咲いていませんでした。
茎の翼が目立つのが特徴です。
山頂への直登道の分岐には12時34分に着きました。
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