里山その3、聖通寺山(しょうつうじやま)に登る
爺神山に登った翌日、つまり3連休最終日の13日は思ったより良い天気になりました。
特に予定のない日だったので、昼過ぎまで家にいたのですが、陽気に誘われて詫間の博智山にでも登ろうかな~と思っていたところへ、タイミングよく、高松の山友達のRさんからメールが来ました。
私はだいたいにおいて、自宅にいるときは携帯を身につけてないことが多く、たいていはバッグの中に入れたままで電話にもメールにも気づかないのですが、このときはたまたまエプロンのポケットの中に入ってたので、直ぐに反応できました。聖通寺山と青ノ山に登られるそうで、一緒にいかがですか?というお誘いでした。
丁度どこかに登ろうとしていたので、渡りに船とばかり即、話がまとまりました。
Rさんはすでに坂出近辺まで来ているそうなので、私も10分で身支度をして家を出ます。前日は普通にヒートテックを着ていて汗をかいたので、この日は山用のウエアに慌てて着替えたのです。
番の州公園駐車場に14時半に待ち合わせたのですが、Rさんはすでに着いていました。私の車に乗ってもらい、早速、登山口へ・・・。登山口はお寺からついているみたいとRさんが言うのですが、私はてっきり聖通寺山東側にあるお寺からだと思っていたら、そちらは車道の入口のようでした。
お寺ってもしかして聖通寺のこと?とRさんに尋ねたら「そうそう」というので、今度は33号線を走り聖通寺への道を探します。「聖通寺」と言う道標を見た記憶があるので、たぶんこの辺だろうと思っていたら、聖通寺へ向かう道がありました。
↑がその聖通寺です。聖通寺着はすでに14時40分です。
お寺の背後に見えている低山が聖通寺山ですね。実を言うと、私の中では聖通寺は登山の対象として見てなかったこともあって、今まで登山口がどこかということさえ知りませんでした。
宇多津にはお寺が多いのですが、寺社巡りには今まであまり興味がなかったせいもあって、ここ聖通寺にお参りするのは初めてです。
お参りも済ませたところで、さて登山道はどこなんでしょう?
お墓の辺りまで様子見してみましたが、山道らしきものが見えません。Rさんがもっているガイドブックにはミニ88ヶ所のある道を登るとあります。お寺の横を通っている車道のほか道らしきものが見えないので、仕方なく車道を登ります。
車道の上側にこんなゲートがあって、もしかしたらここを行くのかもしれないと登って行ったら、行き止まりでした。
結局、もとの車道を登って行くと・・・・
石仏が見えて、やっぱりこの車道で良かったようです。
登山口の表示も何もなくて、こういう山が登山口探しにいちばん苦労しますね。
道沿いの石仏は、草ぼうぼうの中でようやく見えているというのが多く、あまりお世話する方がいらっしゃらないようです。お参りをする方も少ないのでしょうかね。前日に登った爺神山にもミニ8カ所があったのですが、綺麗に整備されていて掃除も行き届き立派な大師堂があったのを見ているだけに、あまりの違いように驚きました。田舎と街場の違いでしょうか。
車道と見えた道は、やがて途中で細くなり、少し山道らしくなってきました。
途中に砂防ダムのようなものが見えたので、その工事のために道を拡張したということのようです。
結局、道がはっきりするまでに15分近くかかっています。
↑画像左下に見えるのがその砂防ダムです。
この場所は聖通寺山の南側になるので、対面には角山がすぐそばに見えています。
15時、お堂の横を通過しました。
後で調べたら、このお堂が聖通寺の奥の院のようです。このお堂付近も巨石がごろごろしていて、宇多津の山には巨石が多いようですね。
道はずっとなだらかな登りですが、登り始めて10分ほどですぐに山頂の一端らしきところに出ました。
ここにもミニ88ヶ所の石仏が見えています。
西側に錆びた道標らしきのが見えました。古い道標のようで、かつては西側から登山道が着いていたのかもしれません。しかし、今では相当荒れているようです。
15時8分、ゆるぎ岩横を通過します。
これも宇多津の巨石の一つらしいですが、県の天然記念物とありました。
ゆらぎ岩の東側には携帯電話のアンテナや各テレビ会社の電波塔が立っていて、帰り道に少し見てみました。
そのまま尾根筋を歩いていくと、山頂らしき広場に出ました。
車道が北側から通じていて、どうやら駐車場にもなっているようです。
広場の東側には展望台が見えていますが、まずは西側の山城跡と書かれた方向に行ってみます。
ちょっと平らに整地された場所があって、「聖通寺山城の跡」とあります。
瀬戸内海に面した小高い山は眺めが抜群なので、山城も多かったんでしょう。
西側には巨大な鉄塔が立っていて、圧倒されました。
番の州という大きな工場地帯に電力を供給するのですから、並みの鉄塔の倍はあります。
そういえば、かなり以前にこの聖通寺山の鉄塔が倒壊するということがありました。その時たまたまこの付近を車で走っていたのですが、信号が消えていて、帰宅するのに大変だったことを思い出しました。
あの事件は今も未解決のようですね。
展望台のほうからは瀬戸大橋と番の州の工業地帯が一望できます。
島のように見えるのは今では陸続きとなった瀬居島です。
12月に王子ヶ岳に登った時も良く見えていましたっけ。
同じく陸続きとなった沙弥島には子供が小さい頃海水浴に連れて行ったり、その後も何度か訪れていますが、瀬居島にはまだ行ったことがありません。
↑坂出の街もこうして見てみると、家や建物が多いですね。
展望を楽しんだ後は、北峰へと通じている車道を歩きます。
もうちょっとでレストランなどがある北峰に着くという時になって、石段が見えているのに惹かれてそちらを登ってみたら、ちょっとしたヤブ漕ぎになってしまいました。車道はなるべく歩きたくないと思い、山道らしい道を歩こうとすると、ノイバラに引っかかって散々です。結局、2分で行ける道を5分以上かかってしまい、15時34分、北峰山頂と思われる積石塚古墳に着きました。
北峰山頂は標高117mと私が登った山でもかなり低いです。
北峰山頂からは西側に鳥坂峠が霞んで見えています。
前日は鳥坂峠を西の爺神山から眺め、翌日には同じ鳥坂を東から眺めようとは思いもしませんでした。
山頂でみかんを食べた後はレストランの横を通過して瀬戸内海を眺めます。
北峰は瀬戸内海に面しているので、瀬戸大橋の絶好の展望台となっています。
山頂まで車で登ってこられるので、私もここへは何度か来ています。
帰りに気づいたのですが、北峰にも「平山城跡」とありました。
聖通寺山は昔は平山とも呼ばれていたようです。
これだけ眺めが良いのですから、山城にはもってこいだったのでしょう。
帰りは登ってきた道をそのまま下りました。
西日の良く当たっていた斜面に今冬初のヤブツバキを発見です。
咲いているところには咲いているものですね。
聖通寺まで下ってきたのは、すでに16時20分近かったようです。
街中の山だし、車で登れるとあっては、山歩き好きにはちょっと人気のない山かもしれません。
最近の里山ブームの中にあって、登山口の表示1つ、道標1つ見ることがない山と言うのも、かえって珍しいかもしれませんね。山登りと言うよりは散歩コースかな?
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