黒部五郎ピストンと乗鞍、その9、トウヤクリンドウ
槍を正面に眺めながら北ノ俣岳を後にしたのは7時13分です。
地図で見る限り、ここから先は緩やかなアップダウンが続く稜線歩きのようです。
北ノ俣岳を過ぎると、いったん下って、次に超えるのは赤木岳ですが、これは山頂の北側を巻いているようです。
緩やかなハイマツ帯を下っていると、目の前の笠ヶ岳の向かって右側つまり南側に乗鞍岳も見えてきました。乗鞍岳は形が特徴があるので、すぐにわかりますし、毎年のように眺めているお馴染みの山です。しかし、その横に乗鞍と同じぐらいの高さの山が見えていますが、あれは??
頭の中で一生懸命地図を描いてみました。
すると、あれは位置的にも高さから考えても御嶽なのだと、そこでようやく気付きました。
去年も槍から笠や乗鞍は良く見えたのですが、御嶽は乗鞍に隠れてしまい、全体の山容が見えなかったのです。
御嶽が見えたということで、またまた嬉しくなってしまいました。
↑画像を修正して、乗鞍と御嶽が少しでも良く見えるようにしてみました。
北アルプス南部の笠ヶ岳と乗鞍岳、それに御嶽は何れも標高も3000m前後で、見ていると気分が高揚しますね。
どんどん下って行くと、なだらかな鞍部があって、その向こうになだらかな丘状の山が見えてますが、赤木岳はその向こうの岩の多い山のようでした。
黒部五郎の右肩に槍のとんがりを眺めながら歩きます。
笹の繁みに青いものが見えて、昨日に続いてタテヤマリンドウを見ることができました。
繁みの奥の方に咲いているので、さすがに望遠レンズに替えます。
この日は山が見えていたので、基本は標準&広角を多用しました。
タテヤマリンドウに次いで、ツマトリソウも咲いています。
荷物が前日より軽いので、前かがみで撮影するのもそれほど苦になりません。
進行方向左側の下方には池塘らしきのがずいぶん多いです。
岩場に咲いているミネズオウ。
これが標準の環境でしょうね。
ハクサンイチゲもようやく花つきの良い株が出てきました。
こちらのアオノツガザクラも岩場に咲いていると、いかにも高山植物らしいです。
この日の天気は変わり易くて、晴れていたかと思えば、すぐにガスが流れてきます。
微かにガスが漂う黒部五郎を正面に見ながら赤木岳へと向かいます。
黒部五郎の手前の岩のごろごろしたのが赤木岳ですね。
ミヤマダイコンソウが出てくると、標高を上げて来たな~と実感します。
そして、思いがけず、トウヤクリンドウに出会いました。
トウヤクリンドウを見るのが実に40年ぶりでしょうか。
夏の終わりに咲くリンドウで、ここ数年は7月半ばごろに北アルプスに来るもので、見られなくても仕方ないと、半ばあきらめていた花なのです。
学生時代は8月10日過ぎに夏合宿で北アルプスに来ていたので、ちょくちょく見かけていた花でしたが、すごく懐かしかったです。
薬草にされていたリンドウだそうで、イワギキョウやチシマギキョウなど青い花は良く似たものが多いですが、白いリンドウはこれだけなので、覚えやすく間違えにくいですね。
じっくりと撮影したかったけど、黒部五郎まではまだまだ長い道のりなので、帰りにじっくりと撮影することにして、2枚だけ撮影して先に進みます。
赤木岳手前でもミツバノバイカオウレンが固まって咲いていました。
可愛い花ですね。
それまでの道とは違い、岩のごろごろした岩稜帯の登りとなりました。
赤木岳の登りですね。
この頃には、休憩を終えた女性二人組が私のすぐ後ろを歩いてこられました。
「赤木岳」の道標を通過します。
7時55分です。
山頂にも行けそうな雰囲気ですが、そのまま前に進みます。
東側に沢らしきのが見えていますが、これは地図で見てみると赤木沢というようで、黒部源流の一つのようですね。
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