45年ぶりに苗場山へ、その10、山頂手前で白馬が見えた
木道を歩いていると、行く手にうまい具合に単独の男性が下ってこられました。
↑男性の後ろのほうに道標が立っていますが、これが九合目の道標に違いありませんね。
案の定、ここが九合目でした。
時刻は12時38分。
すでにお昼を過ぎていて、お腹が空いてくるのを感じます。
山頂まであとちょっとなので、山頂までの辛抱ですね。
ところが、九合目から先が思いのほか長かったのです。
九合目から先はずっと木道歩きかと思いこんでいて、これは楽勝だわと思ったら・・・
何やら樹林の中に入っていきます。
樹林の中の歩きが終わって再び木道歩きかと思ったら・・・
行く手にまたまた樹林が見えています。
この後のほうの樹林の中が岩ゴロゴロの歩き難い道で、最後の最後に、こんな歩きが待ってるんですね。
ご夫婦のほうの奥さんは特にこういう岩ゴロゴロの歩きが苦手のようで、ちょっとペースが落ちたようですが、ここまでくればあとは何とかなるでしょう。
ようやく岩ゴロゴロの道が終わり、今度こそ木道歩きの緩やかな登りです。
そのとき、東の方角を眺めたら、ずいぶん高い山なみが見えているではないですか。
方角的に東だし、あの特徴的な鹿島槍の双耳峰が見えているので、これはもう北アルプスが見えているのに間違いないです。
ということは、その北側に見えているのは白馬三山ということになりますね。
途中でガスも見えていたし、この日は最初からあまり良い天気ではなさそうだったので、展望は期待してなかったのに、こういうこともあるんですね。
嬉しい誤算でした。
この時はわからなかったのですが、白馬三山の前に見えている近くの峰が鳥甲だったようです。
ここは?
苗場神社への分岐のようです。
人がすれ違うからか、木道に待避所みたいな場所が設けられています。
ところどころに、池塘がっぽっかりと見えていて、こういう風景は苗場ならではですね。
進むにつれ、湿原の向こうの針葉樹林も見えてきました。
草紅葉と深い緑の取り合わせも秋らしくて素敵です。
て今度は左側に何やら石がたくさん見えています。
まさか、こんなところにお墓?
書いてある文字を読むと「天照皇大神」とか「猿田彦」とありますから、これは神社なんですね。
昔はこんな場所にテントを張ったのでしょうか?
記憶が定かではありませんが、とりあえず山頂に近い場所に張ったことは間違いありません。
今は湿原の保護のために山頂は幕営禁止となっているそうですが、昔は登る人も今ほど多くなかったからでしょうか、私たちの間では苗場に登るなら山頂でテント泊というのが決まりでした。
かなり歩いた頃、ようやく山小屋の屋根が見えてきました。
広いので、どこが山頂なのかわかりません。(^^;)
↑100人ほども泊まれるという山小屋。
「苗場山自然体験交流センター」というのが正式な名称らしいです。
この日の夜が天気が良くて、星空が見えそうなら泊まるつもりでしたが・・・・
小屋の前のテーブルのところにいた方にお尋ねしたら、山頂は小屋から歩いて1分のところだそうです。
ご夫婦はどうやら、小屋に寄らず、登山道から直接山頂へ向かわれるらしいです。
13時18分、山頂着でした。
何しろ45年ぶりに山頂を踏んだということで、大学時代の先輩たちにグループラインで画像を送信しておきました。
山頂でご夫婦がいらっしゃるのをしばし待っていたのですが、現れないので、もう一度小屋に戻るとご夫婦がいらっしゃいました。
小屋の横のテラスのテーブルでお昼にしようと思い、ザックを置いておにぎりやらお茶を出して、お昼にします。
ところが、ご夫婦の方が一向にお昼を食べようとさらないようなので、「お昼は?」と尋ねたところ、「登山口に向かう途中にコンビニが見つけられず、おにぎりが買えませんでした」というではないですか。
今からまだ下りに3時間ほどかかるのに、飴やチョコレートだけではとても下れないので、私のおにぎりを食べていただくことにしました。私は朝ごはん用にと買っていたサンドイッチがまだ残っていたのです。
行動時間7時間の山ですから、おにぎりかパンは必携ですね。
この日はこの季節にしてはまだ暖かい方でしたが、さすがに山頂付近は風も冷たいです。
不精して、ポットもガスコンロも持参してないので、食べ終わったらあまり体が冷えないうちに下るとしましょうか。
それにご夫婦はなんといっても宿の時間があるので、17時ぐらいには下山したいところで、あまりゆっくりもしていられません。
13時38分、下山開始です。
後3時間ちょっとで下山できるとよいのですが、鎖場や急坂の下りは、慎重に下らないといけません。
山頂から下っていると、正面に山なみが見えてきました。
あれはもしかすると・・・
keitann様 こんにちは
おめでとうございます。あいにくの空でしたが、ついに最下段で千両役者が見えて来ましたね。
もしかすると、南部の端から北部の端までずらっと一並びになっているのではないでしょうか。
これの細密の画が是非見たくなりました。
自分たちの食べる食料無しに、ご夫婦はよくぞ登ってきたものですね。
山上の小屋では食料にありつけなかったのでしょうか。
もしそういうことでしたら、keitann様はご夫婦にとっては命の恩人ですね。
投稿: ぶちょうほう | 2018-10-25 16:10
ぶちょうほう様、こんばんは。
この日は曇り空だったので、雨さえ降らなければ良しというぐらいの気持ちだったので
北アルプスの一部が見えただけでも、ほんとに嬉しかったです。
帰りには、それに加えて槍や穂高も姿を現しました。
同行されたご夫婦は、どちらかというと初心者の方のようでしたが、山ではやはり経験が
大事ですね。いろいろな山をいろいろな時期に歩いてみないとわからないことって多い
ですから・・。
たぶん山頂の小屋でカレーぐらい出してくれると思われたのかも・・
営業小屋はラーメンとかカレーとかだしてくれますが、苗場の小屋は地元の団体が営業
しているようで、予約なしでは宿泊できないような感じのことを書いていましたので
飛び込みのお客には飲み物しか出してなかったそうです。
それにしても、小屋があったにせよ、小屋の食事を当てにするのは無理がありますね。
私のほうもクマ鈴なしでの単独行で登るところでしたから、ちょうどお互いに補い合って
登れて良かったんでしょうね。
投稿: keitann | 2018-10-25 22:14
こんにちは。苗場から白馬が見えましたか。こういう瞬間はとても楽しいですね。直線距離だと84~85キロほどなので、東京から富士山を見るのと同じくらいですね。
投稿: 多摩NTの住人 | 2018-10-26 08:16
多摩NTの住人様、こんばんは。
4度目の苗場でしたが、北アルプスをここから眺めたのは初めてだったかも・・
もっとも、昔は北アルプスには夏合宿で行くぐらいで、白馬を見てもわからなかった
かもしれません。今のほうが北アルプスに関してはるかに山座同定ができるという
自信があります。
直線距離で80キロちょっとですか・・・
我が家辺りから徳島の1700m峰が晴れた日には見えますが、これが60キロほど
離れています。80キロあるとかなり小さく見えるだけですが、それでも特徴のある
山ははっきりわかりますね。
投稿: keitann | 2018-10-26 22:42