ふいご温泉から高越山に登る、その4、静かだった高越寺
小屋は休憩用に作られているそうですが、私たちは先ほど休憩したばかりなので、もう休憩は取りませんでした。
小屋の奥にはこの小屋を作るにあたって尽力された方たちの名前が書かれていました。
高越山は標高1122mもあり、冬は雪深い年もあるので、途中で雨や雪が降ったら、こういう小屋があるのは有難いですね。
実際、2014年に大雪が降った際、高越寺の住職さんと寺男の方がお寺の手前で遭難するという事故が起こっています。私たちがその前の2011年冬に登った時も3山頂は20センチほどの積雪でした。
その時は寒かったので、お寺の庫裏?のようなところでお昼を食べさせていただき、暑いお茶まで接待していただいたのですが、その時にお茶を出してくださった方が遭難に遭われたのだろうか?とその後、ちょっと考えたものでした。
↑小屋の周囲で咲いていたのが紫色の花でした。
これって久しぶりで見るけど、タカクマヒキオコシみたいですね。
石鎚山系ではミヤマヒキオコシシカ見ませんでしたが,これは確か香川の山でも見ていると思います。
後ろの石仏を入れてタカクマヒキオコシの花。
石仏の前の紙パックは「菊正宗」と書かれてあって、お酒をお供えしていたんですね。
お酒をお供えしてあるのは初めて見ました、
そろそろ標高も1000m近くなったでしょうか。
周囲にブナも出てきたようです。
シギンカラマツが薄暗い中で真っ白な花を浮かび上がらせています。
特徴のある斑入りの葉っぱが出てきたのでよく見るとテイショウソウでした。
それにしてもずいぶん小さなテイショウソウで、阿讃山脈のテイショウソウは草丈30センチほどもあるのに、ここのは15センチほどしかありません。これもシカが入っているせいでしょうか。
テイショウソウは阿讃山脈だけかと思ったら、高越山にも咲くんですね。
吉野川をはさんで阿讃山脈とはそれほど距離が離れてないので、植生も共通しているのかもしれません。
ツルアリドオシの赤い果実も1個だけ見かけました。
少し平らな場所に出てきたと思ったら、「旧女人堂跡」とありました。
後ろの方には朽ちて倒れてしまった建物の跡や風呂釜などが打ち捨てられていて、いかにもわびしい雰囲気です。
今は女性も登れますが、昔は女人禁制のお寺で、女性はここまでしか来ることができなかったのですね。
11時51分、女人結界の門を通過です。
レンガ造りの門が雰囲気があります。
門を通過したら、道沿いには玉垣がずらりと並んでいます。
信者さんは大枚を寄付されたんでしょうね。
↑山頂まで500mの道標が見えました。
ということは、お寺まではもうすぐ?
鳥居が見えてきました。
鳥居には「西山上 高越大権現」の文字。
西山上って何でしょう?
ここにも真白なシギンカラマツが咲いていました。
そして申し訳程度にキバナアキギリも咲いています。
10年以上も前に夏の終わりに来た時は、キバナアキギリやヤマジオウがあちこちに咲いていたと記憶していますが・・・・
お寺に上がる石段が見えてきました。
これを上がると高越寺です。
私たちが登っていると、途中で追い越していかれた単独男性の方が下ってこられました。
↑石段の上に、小さな赤い実がパラパラと落ちています。
もしかしたらウワミズザクラの果実?と思い、上を見上げますが、薄暗くて良くわかりませんでした。
石段を登り詰めると、山門の真正面に本堂が見えています。
12時9分、高越寺に到着です。
後ろを振り返って、山門の見事な彫刻を拝見しました。
本堂へ向かう途中、左手の高台に高越天狗。
本堂でお参りを済ませます。
再び、山門を振り返りますが、サルなどの彫刻が施された立派な建物で、思わず10年ほど前に訪れた日光東照宮の陽明門を思い出しました、
私たちのほかは参拝客の方もおらず、静かな高越寺の片隅のベンチでお昼をいただくことにしました。
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