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2005-12-09

コタツ園芸

寒い地方で園芸をする人たちは、秋の間はやがてくる冬に備えて、鉢植えの花を室内に取り込んだり、地植えのものは掘り上げて取り込んだり、防寒用のビニールをかぶせたりと、大変らしい。

9月に見た「ターシャ・テューダーの庭」でも、ターシャさんが、冬に備えての作業は延々、一ヶ月かかると仰っていた。そして、一旦冬がきてしまえば、あとは庭仕事は一切せず、暖炉の前で手仕事をしたりして過ごすようだ。日本ならば、コタツという良いものがあるから、コタツの中で本を読んだり、編物したりと言うところかなぁ。そして、花の好きな人はいろいろな種苗会社から届いた春カタログを眺めて紅茶を飲むのがなんと言っても冬の楽しみらしい。

Dsc00182_1

うちは暖地なので、秋から12月前半にかけて、ダラダラと園芸作業が続く。

さすがに1月、2月は植物もいじると弱るのでそれはしないが、12月前半ぐらいなら温かい日には植え替えなどもしたりする。そこで、カタログもいろいろなことをやりながらちらっと横目で見ると言う程度だけど、それにしても最近のカタログは、ありとあらゆるものが載っている。

↑はアメリカリョウブの苗木らしいが、もともと山でしか見なかったようなクロモジだのウワズミザクラなどというのもある。今は、松だの槙だのを植える時代ではなくなっているようだ。数年前に「庭師の知恵袋」という本を読んだら、<最近は「ヒメシャラ」「シャラ」「リョウブ」などというもともとは山に植わっていた雑木を庭に植える人が多くなりました>、とあった。そう知って、カタログを見ると、なるほどあるわあるわ・・。雑木のオンパレードである。

Dsc00181 こんなのまで載っててびっくりした。

10月末に私が山で初めて見たツクバネだ。

これは半寄生の樹木だけど、なんとご親切にも<宿主とともにお届けします>とある。

何しろサギゴケだのフユイチゴだのの株がびっくりするような値段で載っているご時世だから、何を見ても不思議はないのだろう。

Dsc00180 私的には、極めつけはこれ。

2年続けて育てていたリシリヒナゲシで、これが今年のカタログには載っていた。リシリヒナゲシを種苗会社のカタログで見たのは初めてだ。

実際の花色はこんなには濃くなくて、淡いレモン色。これが二株1500円で売られている。なんだか複雑な気分。

Dsc00926_3こちらは私が種まきしたリシリヒナゲシ。これは7月に開花したものだ。

最初の花は5月末の開花だった。

ここに詳細は記してある。

 

そうそう、書き忘れたけど、フェイジョアの苗木も勿論、何種類か載っているよ。

コメント

keitann様 こんばんは
リシリヒナゲシはNT(準絶滅危惧種)になっています。
これは難しい問題ですね。
北海道では道庁が許可した一部の園芸業者なら高山植物を国立公園内で、採集しても良いそうです。
おそらく何らかの条件付けはしてあるのでしょうが。
北海道のある山域でのことですが、植生の学術調査団に同行した学者の方がこれも同行した園芸業者が制限無く高山植物を採取しているのを見て、非常に違和感を持ったと報告記に書いてありました。
業者達は『需要が有る限り』絶対に採り続ける事でしょうから事は大変に複雑です。

聞くところによると、リシリヒナゲシはもともとの自生地の利尻岳にも勿論生えていますが、ふもとの民家の軒下などに普通に生えているそうです。そして、これが信じ難い話ですが、利尻島では観光客相手に「リシリヒナゲシの種子」が売られているそうです。さすがに生えている株をスコップで掘り取ることはしないと思いますが、それほど観光地化が激しいと言うことでしょうね。
ケシはどのケシでも大抵はそうなんですが、一つの実に種子がたくさん出来ますので、種まきして株を育てて、またその種を採取できれば、簡単に増やすことが出来ます。
北海道には珍しい植物が自生する山域があって、そこには許可がなければ立ち入り出来ないそうですね。そういうところに園芸業者が立ちいれること自体が不思議です。
今、「続 傷だらけの百名山」という本を読んでいますが、自然と人間との関わりの問題はほんとに難しいです。自分も車で登山口に行って、環境破壊に加担しているじゃないかと言われれば、そのとおりなんですが・・。

こんにちは
去年、79歳の母と利尻、礼文島へ旅した時に民家や道端に咲いているリシリヒナゲシを見て感激し土産店で500円の種を買いました。ガイドさんが「持ち帰っていいのは思い出だけ。植物は絶対採らないように!」何度も何度も言ってました。フィルムはパソコンがデータを消滅してしまい、頭の記憶だけが頼りですが最近は物忘れが得意になり・・・
以前、黒部ダムで黒百合の球根を買い植えましたが、2年で絶えてしまいました。山の花は山で見ると思っているんですが、山野草が売っていると後先考えず買っては枯らし後悔ばかり。2株のリシリヒナゲシ来年も咲いてほしいな。

おはようございます(という時間でもないですが...)。
リシリヒナゲシがカタログに載ってるの、確認しました。ビックリです。価格も高いし、しかも(上級者向)と書いてあるので、コレを見たら、まず購入しなかったでしょうね。絶滅危惧種なんですね。ちゃんと育てないと責任重大ですね。
マナーについては、よく考えさせられます。自分は、建築関係なので、少なくとも破壊に携わるほうですから、耐震問題もそうなんですが、もう少しゆとりを持って生活出来れば、「ご当地で鑑賞しよう」というハートももてるんでしょうね。

さくらっこさん、こんにちは。
そうそう、さくらっこさんから、利尻島ではリシリヒナゲシの種をお土産用に売っていると聞いたのでしたよね。他にも私の友人の友人が去年、利尻島に旅されたそうですが、リシリオダマキの種を買い求めて帰られたとか。リシリオダマキというのは検索してもなかなかヒットしないのですが、要するに利尻島で咲いているオダマキにリシリオダマキと言う名をつけて、お土産で売っていたのかも知れませんね。
黒部ダムでは黒百合の球根が売られているのですか?植物の種や球根もお土産になる時代なのですね。
リシリヒナゲシはあれから開花したのですね。良かったですね。来年も、ということは親株がちゃんと夏越ししたのですね。冬が厳しいところに済んでいるご褒美ですね~。

アッキーさん、こんにちは。あれ~、私がさくらっこさんへのレスを書いている間のご登場だったのですね。
そうでしたね、アッキーさんは建築関係でいらっしゃったのですね。長い目で見て、その場所での存在が違和感のない建物が理想的ですね。日本の風土には木造建築が一番だとは思いますが、今はそういう時代でもないですね。香川県庁は私が小学4年の頃に遠足で見学したのですが、そのときに丹下健三の建築によるものと説明されて、今もその記憶があります県庁には、県民の悲願として、瀬戸大橋の模型がガラスケースに収まっていました。その瀬戸大橋も建築技術の粋を集めて(実際には橋梁技術?)もう15年も前に完成しました。
話が変わって、里山を切り開いて、そこに公園を作り、洋種の花を植えると言うのは、私にはどうも違和感があありますが、アッキーさんはどう思われます?

ボクも違和感を思えます。でもそこにジレンマもあります。自然への関心をまず持ってもらうためには、ああゆうのも必要かもしれません。でもできれば、園芸公園は、都心の公園でも出来るんですよね。そこで、より深く関心が持てたら、今度は、里山の営みを体験できるような「場」が必要でしょうね。そんな場所をハードだけでなく、ソフトもひっくるめて作ってみたいです。例の「裂田溝」をそのキッカケにしたいなぁ〜って思ってます。
ボクは、里山の営みを知りません。でもやってみたい。そろそろ、新しい仕組みがほしいです。

アッキーさん、おはようございます。
こちらのコメントへのレスが今朝にずれ込んでしまいました。すみません。
こちらにも森林公園と言われるものがいくつかあって、里山をそのままアスレチックに利用したりしていますね。ただ、植栽部分はその場所に自生しているのではないものが植えられているのです。例えば、この辺りの里山なら椿はヤブツバキだけなんですが、八重咲きの大きな花を咲かせる園芸種のものを植えてあったりします。
普通の街中の公園はそれでいいと思うんですけどね。
ただ、里山を懐かしいもの、心安らぐものとして受け止めるのは私たちの世代までかも知れませんね。(中高年登山ブームなどもその流れかも)若い人は、小さい時から公園で遊んでいるので、そちらのほうが安らぐのかも知れません)
里山を何度も歩くと、動植物と自然の関わりが見えてきますね。

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