6月の花散策、山里の畑では
阿讃山脈は最高峰の竜王山でも標高1060mという高さだ。
吉野川の南にそびえる剣山系と違って、昔から阿波と讃岐の間の行き来が頻繁に行われていて、生活道路が縦横に走っている。山容も穏やかなイメージを与える。
秋にこの山里をドライブしたときは蕎麦の花が 真っ白に咲いていた。
そして今は、一面のタバコ畑が広がる。
数年前にもぽつぽつとタバコが作られていたが、今年は見事なまでにタバコ畑一色となっていた。
私が子供の頃は近所でもタバコを作っている家が結構あり、タバコの刈り入れ後の乾燥作業は数夜を徹して行うそうで、それは重労働らしいと、母から聞いていた。タバコを乾燥させるための独特の納屋のような建物があり、タバコ農家は一目瞭然だったが、今では香川にはタバコを作る農家は少ないと思う。
ほとんどの株はまだ花が咲いてないが、中に数株だけ花が咲いている。あの百害あって一利なしといわれ、目の敵にされるタバコの花とは思えないような綺麗なピンクの花。
もしかすると我が家で育てているニコチアナ(花タバコの花)より綺麗かも知れない。
ガードレールから下を見下ろすと、転々と白く咲いているのはジャガイモの花。その下はキュウリ畑だろうか?どれもすくすくと育っている。
この準高原地帯の気候は野菜の生育にはぴったりのようだ。
収穫が終わった小さな玉ねぎ畑には、おそらく去年の秋に植えられていた蕎麦の種がこぼれたのだろう。白い蕎麦の花と赤蕎麦の花が咲いている。
数年前には道路ぶちの畑に赤蕎麦が一面に作られていて、それはそれは綺麗だったが、去年はとうとう作られなかったらしい。赤蕎麦はヒマラヤ原産らしいが、収量の点で普通の白い蕎麦に劣るとか。
私が見た中では一番高い場所で作られていた田んぼ。標高は600mはあるだろう。平地に比べると、10分の1ほどの広さだが、その農家の食べる量をまかなうのだろうか?
畦には早くも草が生い茂っていて、一株だけ、ホタルブクロが咲いていた。
帰りがけには思いがけず、展望が少し得られた。
画像ではほとんど見えないが肉眼では剣山方面がちゃんと見えた。
珍しい事なのか、近くのお年寄り3人ほどがガードレール越しに眺めていた。
こういう風景・・・なんとも言えず好きだな。
keitann様 今日は 大らかな観点から景色をずっと眺めさせて頂きました。
タバコの花、そばの紅白の花、ヒルガオの優しいピンクの漏斗もそれぞれに美しく可愛いです。
しかし、山の斜面の民家はなんともいえない懐かしさがあります。
終戦直後の物心付いた時にこんな環境を目にして生活ような気がします。
あれから60年近く経ちますが今でも山里にはこんな景色が残されているのですね。
投稿: ぶちょうほう | 2006-06-19 22:26
ぶちょうほう様、こんにちは。
阿讃山脈界隈には季節ごとに樹木や農作物の織り成す魅力的な光景が広がります。
以前は○○公園や○○花菖蒲園などに出向いていた事もありましたが、年々、こういう観賞目的で作られていない光景の方に、うんと惹きつけられていきます。子供も大き狗なって、自分だけの時間が持てるようになったり、自然の中ですごす時間が多くなったせいでしょうね。
山里の民家もかなり近代的に、また機能的になってきていますが、ときに郷愁を誘うたたずまいの民家も残っています。
よく手入れされた田畑を見ると、山に住む人たちの丁寧な暮らしぶりが窺えるようです。
投稿: keitann | 2006-06-20 14:53