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2006-07-24

北岳に登る、その13、広河原へ

休憩しているとヘリの音がやたら聞こえる。大樺沢上空辺りを飛んでいるが、どうやら物資を小屋に荷上げしているらしい。3連休を控えて、山小屋にも人が押し寄せるので、食料や水を大量に上げる必要があるのだろう。

ここからまだ1000mの下りが待っている。下りだから楽だと思っていたが、最近は下りのほうが足に負担がかかるので、気合を入れて下らねば・・。

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カラマツソウはいくらでも咲いていて珍しくはないけど、3日目でようやく花がぐちゃぐちゃになっておらず綺麗に開いたものを見られた。雨やガスの日には花びらのように見えるシベ同士がくっついて、こんなに綺麗ではない。葉っぱがモミジの形ではないのでモミジカラマツではないようだ。

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タカネグンナイフウロとカラマツソウが並んで咲いていたので、ツーショットで撮ってみた。

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ハクサンチドリも晴れた日にはまた違う表情を見せる。Dsc01741

樹林帯を抜けて、草すべりに出てきた。ここからは白根御池を見ながらの下りだ。20代かと思われる若い女性が単独で登っていくのにすれ違う。この暑さでは大変だろう。

白根御池小屋には9時半頃到着。肩の小屋には置いてなかった「歩きながら覚える北岳の高山植物」を買い求め、トイレを借り、水の補給をする。下りは樹林コースを取るので、御池小屋から先は今まで歩いた事のない道だ。

Dsc01747_1 樹林コースの名のとおり、うっそうと繁った針葉樹の森を通り抜ける。

この道はマイヅルソウや特にゴゼンタチバナガとても多くて、いたるところでゴゼンタチバナが咲いている。

倒木の上に見事に群生したゴゼンタチバナは、暫く見とれるほど見事だった。

可憐な花がこういう苔むした倒木や岩に咲いているのは誰が見ても好ましい光景だと思う。

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この山旅で見かけた2株目の白いタカネグンナイフウロ。アルビノだろうと思うが、ふちがほんのりとピンクになった花も見られる。直ぐそばには普通の紫色の花を咲かせた株もあった。

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ヒロハユキザサの株は前日にもっと高い場所でも見かけたが、そこでは花はまだまだだったが、ここまで下るとさすがに花を見ることが出来た。画像がピンボケで申し訳ないです。ユキザサの左にはハリブキも写っている。ここで標高は1900ほど。

Dsc01751_1

お馴染みのギンリョウソウ。この辺りから、ずいぶんたくさん見かけ始めたが、まだ地表に顔を出して間もない株らしくて、どれも真っ白で綺麗だった。四国では今年は薄汚れたような色をしたギンリョウソウしか見てなかったので、こんなに綺麗な固体を見られて嬉しい。

Dsc01752_2 そろそろ出てくるかな?と思っていたキソチドリに会えた。いつものことだけど、キソチドリはうまく撮れたことがない。一人だけ撮影に手間取る訳にもいかないので、画像はこの一枚だけ。しかし、キソチドリはこの後も数株の花を見ることが出来た。

小屋から300mほどは緩やかな下りになっている。それから先の300ぐらいが結構きつい下りだった。木の根っこをまたいだり、梯子がかかった下りで。下りも嫌だが、登りもこれはきつそうだ。

離れてはいるが、右手に大樺沢があるので、そちらから涼しい風が吹いてきて、暑さは感じない。少し広い場所で最後の休憩を入れた。さすがに一気に下るのは足に相当こたえるものだ。こういうときはやはりストックがあると違うのだろうか?使った事がないのでわからないのだが・・。

Oさんは膝がガクガクだというし、私は私で爪先が痛くなってきた。最近は長丁場の下りだと、どうも爪先が痛くなって困る。何か靴にクッションのようなものを詰めるとよいのかな?

Dsc01753 地図を広げて見ると、もう少し下ると左に小さい沢があってこれに沿って少し下ると大樺沢への分岐に出るようだ。どちらにせよ後300mほどの下りだろう。

道の傍らには今まで見たことのない黄色い花が見え始めた。ほとんどは蕾だけど、一輪だけ咲いたのがあったので、何とか撮影した。帰宅して調べたところ、キンレイカというらしい。オミナエシの仲間だそうだ。初見の花だ。やがて大樺沢への分岐の道標まで下ったが、そのまま広河原と書かれた方向に道をとる。どっちに行っても広河原に出るので同じ事だ。

Dsc01754 こちらのコースでは大樺沢ルートと違ってこのアジサイが咲いていた。確か、大樺沢ルートではまだ蕾だったと思う。蕾の時はヤマアジサイだと思っていたが、このアジサイは装飾花がなくて両性花だけなのだ。しばらく考えて思い出した。コアジサイだ。コアジサイは四国ではあまり見ないのでこれは是非とも撮影しておかなければ。

近くには白いコアジサイもあった。やがて見覚えのある広河原山荘の建物が見えてきた。やれやれ、何とか1700mを下り終えたようだ。

Dsc01756_1 痛い足を引きずるようにして、南アルプススーパー林道を歩く。バス停までの歩きすら億劫に感じる。林道から見上げる八本歯のコル方面はやはりガスがかかっている。初日の12日と同じような眺めで、やはりバットレスは見えない。

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バス停近くに咲いていたキヌタソウ。

道をはさんで反対側には四国では見ない赤紫色のホタルブクロも咲いていたが、足が痛くて、そこまで歩いていくのも億劫だ。バス停には11時40分着。バスの時間まで30分あったので、その間に肩の小屋で作ってもらったお弁当を食べる。

来るときは甲府側から入ったOさんとSさんも帰りは私と一緒に信州側の長谷村に下って、仙流荘で汗を流すことに決めていたのだ。戸台付近ではシナノナデシコやビロウドモウズイカも道路法面にたくさん咲いていた。汗を流した後、私の車に乗ってもらい、高遠経由で茅野まで二人を送った。途中、Sさんの飼い猫へのお土産にマタタビを少し採取したら、その付近にはこれも四国では見られないタマアジサイの丸っこい蕾やイケマの花、それにツルアジサイの花なども見られた。

茅野を出て中央道の諏訪インターに乗ったのは5時頃。日付が変わった翌15日の午前1時半。なんとか無事に我が家に辿り着いたのだった。今年の夏もまた梅雨の最中にもかかわらず予定通り歩く事が出来、その上展望も得られたのは、ほんとに感謝あるのみだ。年に一度、かつての山の先輩や後輩と歩くと言う事が主な目的だったが、予想以上の花の多さと綺麗さに感動し続けた3日間でもあった。まさに北岳は花の名山である。

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コメント

こんにちは~。
下りもまた楽し。最終日は晴れだったんですね♪
私もハイジの気分で、眺めさせていただきまた!!(≧▽≦)ヨロレイヒ~!!
やっぱり山は眺望ですね、写真から想像するだけですが、かなりの開放感~。山の魅力ってやつでしょうか?
いつまでも眺めていたくなるんでしょうね。
富士山も見えるんですね!!アチラも頭は白かったような?

可憐な花たちも、どれもみな素敵です。いつかこの目で見たいなぁ~。
なんて、1時間も歩いたらへたれる私ですが・・・。(^^;)

ちゃっぴーさん、こんにちは。
最終日はおかげさまで奇跡的に展望が得られて、大喜びしました。
花だけを見るなら、ガスの中でもいいんだけど、やはりスケールの大きい展望はアルプスならではです。展望のある山行とない山行とではその山に対する印象ががらりと違いますからね。

特に南アルプスは北アルプスよりも一つ一つの山が大きいので、ダイナミックな感じを受けますよ。登りはそのぶんきついですけどね。
そうですね、子育てが一段落したらまた山歩きにも挑戦してみてください。1時間歩ければ十分ですよ。山では必ず、1時間に一回は休憩するので、その積み重ねです。

keitannさん 北岳13話~ わくわくドキドキで拝見させて頂きました。
やっぱり、花の北岳ですねv(^-^)
展望もあったなんて、この時期ではすごいラッキーですね~

昔、子供達と登ったときのことがよみがえってきます。
和歌山のサービスエリアで3万円のハイウェイカード買って、岸和田くらいで紛失したのに気付いて・・・。後の祭り(;^_^Aアセッ
眠れない山小屋で、夜中に抜け出して見た天空の神秘、肩の小屋で見る夜明けの富士は素晴らしかったです。

山へ行きたいな~


keitann様 こんにちは
北岳シリーズ全13回完了おめでとう御座います。
名文で綴られて緊張感を持ってお付き合いさせて頂きました。
先ずは無事の帰着おめでとう御座います。
山登りよりも往復の車の道中のほうが余程重労働ですね。
最終回はお馴染みの花が目白押しで、見ていて安心感がありました。
16日から始まったこのシリーズは9日間で終了ですね。
このくらいのスピードが丁度手ごろでしょうね。
小生も見習わないと・・・・・・・。
たくさんの山の花を有難う御座いました。

housiさん、こんにちは。
自分が登ったことのある山は、他の人がどんな風に見ているか、とても気になりますね。
もう一度追体験しているような気分にもなれるかもしれません。
この記事はもともとは自分の記録用にと思って書いているものですが、もし、この記事が他の方にとっても北岳の記憶を呼び起こすきっかけとなったのであれば、私もすごく嬉しいです。
大昔に登った時の写真は何故か北岳や間ノ岳、農鳥岳で撮影したものが一枚もなくて、塩見で写したものしか残ってないのです。これでようやく北岳に登ったという実感が得られました。
他のいろいろな制約からたまたま北岳に決めただけですが、どこを歩いても花に巡り合える山旅でもありました。
息子さんたちと一緒でなくともいいから、是非、もう一度山歩きの感動を味わってくださいね。

ぶちょうほう様、こちらにもコメントを有難うございました。
下るにつれて緑が濃くなり、花たちも草丈が高くなってきます。周囲の空気も熱気を帯びてきて、なんとなく安堵する一方で、下界に近付いてしまう侘しさも感じます。
高山はまさに見るものも空気も日常生活とはかけ離れているがゆえに、私たちを物理的にも精神的にもまるで違う世界に連れて行ってくれますね。下界に帰るとまた山に入りたくなるのは一種の中毒かも知れません。
仰るように、今回は山での行程はそれほどたいしたものではなかったので、帰りの運転のほうがよほど苛酷でした(^^;)

すごいね~、車で帰ってこられるとは。
珍しい山の花たちに、keitannさんのところで出会えてよかったです。

ゴゼンタチバナの群生、私もみたい。
前からほしいものの一つです。
タネをいつも探しているんですよ。
でも、夏涼しいところじゃないと、栽培は無理かしらね。
ここでは朽ちかけた木に、コケと一緒に生えているとは。。。。
参考になりました。もしかして、タネを入手できて栽培するときの。(^^ゞ

遅くなりましたが、イヌゴマの名前ありがとうございました。
他の画像を検索したらズバリです。

keitannさん、こんにちは
いったいどこでコメントをつけようかと思うほど、どの場面も実際自分が登ったような気分で読ませていただきました。下山までは終わりじゃないと。
倒木に生えるゴゼンタチバナや、岸壁に咲くチョウノスケソウや、雪渓をバックに咲くサンカヨウの花など印象的ですが、やはり壮大な南アルプスの山々の稜線が、ダイナミックで爽快な気分にさせてくれました。
本屋さんで立ち読みしましたが、買いませんでした。いつか本当に必要な時が来ればいいなあ、と思っています。
keitannさんの行動力には、いつも敬服しています。

primroseさん、こんにちは。
車で行くのは電車やバスの時間を調べまわらなくても良いのと、荷物を適当にぽんぽんと放り込めるからです。下った後のお風呂セットも車に積んでおけば山で持つ必要もないし。
それに最近は田舎方面はバスの本数も少なく、接続時間でロスタイムも出ます。
ゴゼンタチバナは御池小屋の下、樹林コースにはほんとにたくさん咲いてましたね。去年、北沢峠でも見ましたよ。北沢峠までならバスが入るので、徒歩0分でその辺を散策するだけで見れますよ。
私の花友さんの島根の方が確かエゾゴゼンタチバナというのを栽培していたと思います。ですから低地でも栽培はある程度可能なんではないかしら?
マイヅルソウとゴゼンタチバナはどちらも樹林帯でよく見かけますよ。その5の記事に、まったく同じように倒木に生えたマイヅルソウの群生の画像も載せてありますので、良かったらご覧下さい。
イヌゴマ・・・私も実物はあまり見てはないんですが・・。
昨日は同じシソ科のメハジキを見かけましたよ。

noiさん、こんにちは。
年に一度はやっぱりこういう2泊程度の山歩きをしたいですね。日帰りとは違って、どっぷりと山に浸れるのがいいです。
いつも思うのですが、山歩きは計画を立てるとき、実際に歩いているとき、帰宅して余韻を楽しむとき・・つまり一度で3回楽しめるという、グリコのキャラメル以上のおまけがありますね。
noiさん地方からですと、南北どちらのアルプスも近いので、プランの立て方は星の数ほどあると思いますよ。
花も魅力ですがなんといってもスケールのでっかい稜線漫歩はアルプスならではです。noiさんの番ですね~。

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