サワルリソウ、ヤマホロシ、オオムラサキなど
珍しい花の咲く場所に案内していただいたと言うのに、なんとお昼にうどんまでご馳走になってしまった私とRさん。
美味しいうどんをご馳走になって腹ごしらえが出来たところで、午後の部の散策に向かう。
午後からは用意するように言われていた長靴に履き替えて、沢沿いを遡る。
最初は沢沿いの道を進むが、その付近にもあまり見たことのない葉っぱがたくさん群生している。
Nさんに尋ねるとタカクマヒキオコシだそうである。タカクマヒキオコシは画像では見たことがあるが、実物はまだお目にかかったことがないのだ。
ヤマアジサイの白い花が咲く沢に沿って遡ると、やがて踏み跡がなくなり、藪漕ぎを強いられる。咲きを会ういているNさんが歓声を上げて止まった。「これはわかりますか?」と訊かれ、見るとナス科の花であることは一目瞭然だが、今まで見たことのない花だ。そう言えばヤマホロシという花があって、園芸種のヤマホロシとは全然違うと言うことを以前に思ったことがある。そう、そのヤマホロシだったのだ。先ほど葉っぱのわからないのをHさんに尋ねたら「ヒヨドリジョウゴ」と教えていただいたのだが、下のほうの葉の切れ込み具合はヒヨドリジョウゴと欲似ている。ただし、こちらのヤマホロシの葉は毛がなくてつるっとしている。
四国ではあまり見ることの出来ない花で、絶滅危惧扱いになっている県も多いそうだ。
この日も見かけたのはこの株だけだった。
その他、花は咲いてなかったがやはり四国では少ないと言うイケマやタカネハンショウヅルなども見る。
イケマは去年、南アルプス山麓で見ているけど、タカネハンショウヅルの花は見てみたいものだ。
サワルリソウの株もあってやはり「何かわかりますか?」と訊かれたが、こちらは全然わからなかった。何しろ初めて見る花だし、おまけに花が咲いてないとなるとお手上げ。
同じサワルリソウが少し上のほうでは花が咲いた株が見られた。これもやはり絶滅危惧扱いの花だ。
ムラサキ科の花だがルリとついているが真っ白の花。
まだ咲き始めのようだった。
この沢沿いには他にもオウギカズラやミヤマナミキ、サイコクサバノオなども咲くそうで、株は教えていただいたが、私だけではとても花の咲いてない時期には見分けることは出来ない。それにしてもわざわざ愛媛や徳島に行かなくてもサイコクサバノオが見られるとわかったのは嬉しいことだ。
しかし、当初、たいした山登りはないと聞いていたが、この沢登りは普通の人間ならちょっとひるむかも知れない。
私はこの前の石鎚山系で笹のヤブコギをしたばかりだけど、普通の人ならちょっと尻込みするような場所にも分け入っていけるのは植物に対する情熱が並々ならぬと言う証拠だろう。
下りでは3年ぶりにウリノキの花を見ることが出来て嬉しかった。
下向きにぶら下がる長いオシベが特徴的で可愛い。
ヨウシュヤマゴボウは平地でも山でも嫌と言うほど見かけるし、自宅にも毎年いっぱい生えるが、こちらの在来種のヤマゴボウは今では相当珍しいと思う。
私も名前は知っていたが、実物を見るのは初めてだ。
花穂は垂れ下がらずに直立するので、直ぐに見分けることができる。
ランの仲間だが、比較的よく見るのではないだろうか。
数本が同じ場所に生えていたが中には花穂が30cm近い大株もあった。
葉は丸みを帯びた大きな葉だ。葉だけを見るとジガバチソウと区別がつかない。
杉の植林の中で6,7本が群生していたツチアケビ。ここでもやはり花がまだ咲いてなかったが、ずいぶんと大きな立派な株だった。今度は花の時期に見てみたいもの。
尾根道で見かけたサンコダケ。まるで山の中にカニのツメが落ちているのかと思った。以前どこかで画像は見たことがあるけど、実物はこれも初見。
それにしても自然の造詣の妙に感心するばかりである。
オオムラサキといっても♂はあまり紫色が目立たないらしく、馬鹿な私は「ゴマダラチョウではないんですか?」などと言ってしまった。帰宅して調べるとオオムラサキだった。Nさんに寄るとこの山ではたまに見掛けることができるとか。
いつもよく登る山だけど、まだまだ知らない花、知らない生き物がいっぱいあると知って、つくづ自分の未熟さを知った散策となった。N」さん、Hさん、もう一人のNさん、ほんとにお世話になりました。
keitannさん、こんにちは。
サワルリソウ、登場しましたね。どこにでもありそうな感じの花ですが、僕もブログに登場させた所以外では見かけませんから、貴重種なのかもしれませんね。
クモキリソウにツチアケビと夏のランも花盛りになりつつあるようですね。
投稿: ルンバルンバ | 2006-07-03 18:47
ルンバルンバさん、こんばんは。
サワルリソウは検索するとレッドデータ入りしていますから、やはり貴重種だと思います。
ヤマシャクヤクなどは数十株がよく群生していますが、こちらは精々同じ場所に3株とか5株でしたね。
サワルリソウというぐらいですから沢のほとりを注意していると、見つかるかも知れません。
まだまだ咲き始めでしたから、7月が見頃のようですね。
ツチアケビも蕾と実は見ましたので、後は何とか花を見てみたいものです。
投稿: keitann | 2006-07-03 23:53
keitann様 こんにちは
今日は初めて名前を聞く花、初めて見る花のオンパレードですね。
こういう植物の見て歩きを解説者付きで行えるのはとても贅沢なことですね。
珍しい花を見るために長靴に履き替えて、笹を分けて進むその気持ちはよく理解で来ます。
たくさんのものを有難う御座います。
投稿: ぶちょうほう | 2006-07-04 19:16
ぶちょうほう様、こんばんは。
勘違いをしていまって、コメントのお返事が遅くなってしまいました。申し訳ありません。
珍しい花を見るにはやはりいつもとは少し違った道を歩けばいいということのようですね。
そしていおつもとは違った季節に歩くと言うことも重要です。
仰るとおりで、解説者つきでこれらの花を見られたのはほんとうに貴重な体験でした。
ほんとなら、植物観察会などに申し込まなければ得られない機会だと思います。
これも野草のHPを持っている友人のおかげですね。
私も長靴に履き替えて一人でも沢を登ってみたい気持ちもあるにはあるのですが、やっぱりマムシが怖いんですよ。一度も見たことがないだけに、なんとなく草叢は敬遠しがちです。(^^;)
早春なら大丈夫なんですけど。
投稿: keitann | 2006-07-05 19:04