3年ぶりの東赤石山、その5、ロックガーデン
最後の登りは垂直距離にして50mほど。
いよいよお目当のオトメシャジンが目に付き始めた。
3年ぶりに見るオトメシャジンだ。
オトメシャジンはここ東赤石山の固有種で、私の図鑑にも記載がある。キキョウ科ツリガネニンジン属。蛇紋岩地に生え草丈は低く、葉は線形で長さ3~8センチ、幅1~3ミリで互生する。花序は総状となり、花冠は長さ1センチほどで、花柱は突き出る。分布は徳島県、愛媛県とある。
東赤石山で見かけるオトメシャジンは一番多いのは淡い紫色だが、↑画像のように白い個体も割合見かける。
コウスユキソウ。いわゆるエーデルワイスの仲間である。これも山頂のあちこちで見かける。
カキランも数株見かけたが、花がよく開いているものがどれもピンボケだった。これはまだ咲き始めの個体だ。
カキランはほかではもっと標高の低い湿原などで咲くらしいけど、私はこの標高1700付近で咲くカキランしか見たことがない。
3年前に来たときはコオニユリも見かけたが、この日は見ることができなかった。
シラヒゲソウも葉っぱはあちこちで見かけるが、まだ時期が早いとみえ、蕾だった。ユキノシタ科ウメバチソウ属。花の雰囲気もどことなくウメバチソウに似ている。5年程前に石鎚で咲いているのを見たのも、お盆過ぎだったから初秋の花と言えるかもしれない。
ハナウドに似ているが、こちらはウバタケニンジン。葉が写っていないが、葉を見ると両者の違いがわかる。
先を行く末っ子が「道がなくなった」と言う。踏み後はかなりしっかりしているし、途中で消えるはずはないから、そのまま進むようにと言う。もう、ほんの20mも登れば稜線に出るし、すぐ西の大きな岩場の上に人が見える。あれがピークかな?
「稜線に出た」と末っ子。何の事はない。道の両側に繁った草木が生い茂って一見道がなさそうに見えるのだが、足元にはちゃんとルートがある。私と一緒に小学5,6年の間、何度か山に登ったが、ルートファインディングはまだまだ心もとないようだ。稜線に出たところで、西に向かう。
稜線はゴロゴロとした赤茶けた岩から出来ている岩場になっている。その岩場にこんなのが生えている。イヨノミツバイワガサの花後の様子だ。バラ科の落葉低木で咲いているところはコデマリに似ているようだ。この花も花期は5~6月なので、その頃に来たらどんなに見事だろう。
タカネマツムシソウも岩場のあちこちで咲いている。すでに種になっているものもあるが蕾もまだまだあるようだ。花期が比較的長いのだろう。自宅で育てたマツムシソウも結構長い間咲いたものね。
しかし、3年前に来たときにはマツムシソウは1株しか見なかったが、どうやらトラバース道よりも山頂付近の岩稜帯に多く咲いているようだ。
ルートの真中にもマツムシソウが生えていたりして、高山植物を踏まないようにして歩くのも大変だ。
マツムシソウといえば、大学4年の夏合宿で後立山から日本海へ抜けるコースを選んだのは、雪倉岳のマツムシソウのお花畑を見るためだった。同期の仲間が雪倉のマツムシソウは、それは見事だと薦めてくれたのだ。それ以来、マツムシソウは私にとってはちょっとこだわりのある花で、自宅でも何度も育てている。
雪倉岳のマツムシソウはもっと草丈の高いものだったが、ここのはタカネマツムシソウといって草丈が15センチほどの可愛い花だ。
よく見るとピンクに近い花色と薄紫色の花色の二種類の色があるようだ。
シコクママコナも咲いている。これも3年前に咲いていたっけ。明るい稜線上で咲いているので、撮影がしやすい。いつも見る大川山では木陰に咲くので、撮影が難しいのだ。
11時32分、大きな岩場に着く。ここがピークかと思っていたが、ただの小ピークだったようだ。しかし、男女二人連れの方がそばで休憩しているし、眺めの良さそうな場所なので、ここで大休止とする。
後で、わかったのだが、東赤石ピークは稜線を登りつめてから東にほんの5分のところだったのだ。一度来ているという気の緩みで、最後に地図を確認せずに、人がいるからピークと思い込んでしまった。丁度反対の西方向で休憩したことになる。
時折、ガスが切れて、はるか眼下の集落が見える。多分、瀬場近くの集落だろう。
岩を背もたれにして買ってきたおむすびを食べていると、なんとなく昼寝でもしたい気分だ。昔は、山でよくお昼寝をしたものだった。
それにしても下界は30℃を越えるだろう猛暑というのに、ここはじっとしていると肌寒いほど。
お昼を食べている末っ子の足元の岩の間にもマツムシソウが咲いている。(^_^)
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