八面山~杖立峠⑤下山
13時25分、山を下り始める。
とはいっても八面山までは稜線を歩くので、幾分アップダウンがある。
空はこの頃にはすっかり雲ってじっとしていると寒い。
稜線上を歩いているとき、いきなり携帯に電話が入った。先日、落合峠にいっしょに行った友人のHさんからだった。今は標高1000mあまりの山の稜線を歩いているところだと言ったら、呆れていたようだ(^^;) 杖立峠付近にdocomoの電波塔が建っていたので、電波状態はすこぶる良い。この前の写真を私の家に取りに来るつもりだった様子。
14時5分、珍しく一本、休憩を取る。家から持参してきたペットボトルのお茶をここで初めて飲んだ。しかし、じっとしていると体が冷えるので、そそくさと歩き始める。
往路でルートがよくわからなかった八面山の南斜面の巻き道も帰りは外すことなく通過。ルートと言ってもほんのかすかな踏み跡といったほうが良いほどの道だから、初めてだとちょっと不安になるかもしれない。Kさんが赤テープを出して、二箇所ほどルート沿いの木に巻いた。これで次に来る人もルートを外す心配がないだろう。
八面神社に着いたのは15時10分ぐらいだろうか?「一本取る?」と訊かれたが、そのまま下ることにした。
それまでの綱付山~八面山の縦走路は植林が多いけど、八面山の山道は自然林が多く、下っていてもあたりの紅葉についつい目がいってしまう。のぼりのときよりも美しく感じるのは西日の加減だろうと思う。
紅葉は日が当たっているのと、曇り空の下とではまるっきり印象が変わるのだ。
トップを歩くHさん。途中、イワタケが着いているという岩場を見たが、一旦、谷を下って、登り返さないといけないので、諦める。
コシアブラの木の葉っぱの紅葉は、紅葉ではなく白葉になる。色素が抜けるのだろうか。ちょうど、前日だか前々日にネットで、コシアブラの白葉をいうのを見たばかりだった。そして、Kさんにコシアブラの木を教えて差し上げたらずいぶんと喜んでくれた。この前から、コシアブラらしい木を見つけていたのだけど、確信がもてなかったそうだ。そういう私も5月に学生時代の山仲間に教わって、ようやくコシアブラがはっきりわかるようになったばかりだ。
登山口まであと10分か15分というところっで、奥大野の赤松と書かれた標識がある。帰りに時間があれば寄っていこうと言っていたものだ。
登山道から150mほど下ったところにその赤松はあった。
手入れが良くされているようで、樹勢も良く、幹の色がなんともいえないほど綺麗だ。自生している場所も谷を隔てた向こう側の山をバックにしているので、うってつけの場所だろう。
近くからはその全体の姿はとてもカメラのレンズには納まらない。5分ほどルートを外れて実にきた甲斐があった。
赤松の木の近くで、何の木だかわからないが、まるでツツジの花が咲いているような綺麗な色に紅葉した木もあった。
今まであまり見たことのない色だ。
登るときに見かけたイチヤクソウを撮影する。下山のときは気分的に余裕があるものだ。
HさんとKさんには撮影する間、先に行って貰った。
イチヤクソウの花は6月に咲くと思うけれど、いまだに実をつけたまま。
今年はまだ花が咲かなかったらしい株もたくさん見えている。どうやらツヤツヤとした葉っぱのまま冬越しをするようだ。
車に乗り込んであとは運転し慣れたKさんの運転にお任せする。いつもなら、自分で運転するところだが、紅葉など楽しむことが出来て有り難い。来るときはまだ薄暗くて気付かなかったが、辺りにはツルギカンギクらしき黄色い花が咲いていたし、貞光川沿いのモミジも真っ赤に紅葉して見事だった。
そして、帰宅してから汗をながした後でKさん、Kさんの奥さん、Hさん、主人、私、の5人で、反省会なる名目のもとに楽しい飲み会があった。Kさんの奥さんとは以前から顔見知りの仲だったけど、やっぱり山がお好きのようで、次回は是非、奥さんともご一緒したいと思ったことだった。
それにしても中高年になってから山登りを始めた人のパワーと情熱はすごいものだと、あらためて感心したのだった。
こんばんは。
紅葉に囲まれて気持ち良さそうですね。シロモジはこのあたりでは見ることができません。やはりかじると良い味なんでしょうか。コシアブラの白葉も面白いですね。
投稿: 多摩NTの住人 | 2006-11-19 20:55
多摩NTの住人様、こんばんは。
シロモジは標高が1000mぐらいにならないと見かけないみたいです。
関東に自生してないというわけではなく、この前大菩薩でも一杯見かけましたから、やはり標高の問題でしょうね。
クロモジはお茶にするとよいようですが、シロモジはあまり聞きません。
そういえば、このときの山歩きで聞いた話ですが、青森辺りでもクロモジをお茶代わりに飲むそうですね。
コシアブラは信州方面ではこんなに大木はないそうですよ。やはり山菜としてた寝る習慣があるところでは新芽が採取されるので大きくなれないのでしょうかね。四国ではコシアブラを食べる人はまだまだ少ないので、コシアブラの樹高8mぐらいのをよく見かけます。
投稿: keitann | 2006-11-20 00:15