自生のエビネ
私はランの仲間にはあまり詳しくはなく、長年、花を育てていますが、実を言うとランの仲間はほとんど育てた事がありません。
しかし野山を歩いていると、春のシュンランに始まって秋のミヤマウズラまで、ランの仲間に出会う機会がたくさんあります。
エビネは愛好家にずいぶん栽培されているという事ですが、エビネについてもほとんど知識はありませんでした。ところが去年、ネット花友さんにエビネの株を送っていただいたおかげで、自宅でも綺麗に咲いてくれました。エビネの葉や花が咲く様子など観察する事ができたおかげで、野山でエビネの葉を見てもわかるようになりました。
去年も5月にエビネの花茎まで上がった株を山で見かけたのに、次回花を見るために行ってみるとすでに盗掘された後だったという苦い経験がありました。登山道すぐ傍だと、大きな花ですので、見つかってしまうのですね。
山を歩いていて、エビネの葉っぱを確認している場所が数箇所あります。そのうちの一箇所を昨日、見てきました。
場所を探すのに苦労しましたが、幸い、同行していた山友達の方が見つけてくれました。二人で小躍りしました。画像ではちょっとわかりませんが、ピンクのとても綺麗な花です。
こんな美しい花が、人知れず林の中で咲いているということに感激しました。
花はそれを見に来る人がいようがいまいが、ただひっそりと咲いているだけです。盗掘するなどもってのほかです。
木漏れ日の射す林の中でとても気持ち良さそうに咲いているとは思いませんか?
このままそっとしておけば、数年後にはもっとたくさんの花を咲かせてくれることでしょう。
ラン科エビネ属。かつては日本の山野でもたくさん自生していたそうですが、盗掘によって、今ではレッドデータ扱いになっているようです。エビネでもシュンランでも今は園芸店で、ずいぶんとさまざまな花が買えるはずですので、育てたい人は購入されると良いですね。
近くにはまた色合いの違うエビネが自生していました。個体によってさまざまな変異が出るところがエビネの魅力でまたそれが山採りに結びついたのでしょうが、自然の花はそっと咲かせておいて欲しいものだと切に願っています。
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