花と雪渓の北アルプスへ、その8、キヌガサソウ群落
私が持参していた「山と高原地図」のルートでは鏡平から双六岳方面に行く際には一旦、弓折岳を登り、その後、稜線を北上すると直ぐに花見平に出るように書かれてありますが、登山道に沿って進んでいると、いきなり花見平に出ました。
弓折岳らしきピークは全然通過していません。下山の際にわかったのですが、どうやら鏡平から双六方面に向かうときは弓折岳を通らずに手前をショートカットする道があるようです。
この辺りでも誰一人として会いませんでした。
時刻は9時10分になっています。ちょうど、双六小屋までの中間地点なので、ここで一本取ります。撮影ばかりしていたので、出発してから1時間50分も経っているのです。驚きました。
直ぐ近くが雪渓になっていて、雷鳥が見えました。雛を6羽も連れた雷鳥の母鳥です。ずいぶん子沢山ですけど、雷鳥はそれぐらい卵を産むのでしょうかね。
それまで携帯が通じなかったのですが、ここで私のauの携帯の電波が立っていたので、笠ヶ岳山荘に今夜の宿泊のキャンセルの電話を入れました。Kさんのソフトバンクの携帯は電波が届いてなかったようです。10分ほど休憩して、再び歩き始めます。今日は時間を気にしなくて良いので、気分的にとても楽ですね。やはり私たちの年代では時間にゆとりを持たせた歩きが良いです。
クロユリの花が出てきました。朝方、鏡平で、ドクターがいっぱい咲いてますよと仰っていたクロユリの花です。北岳でも見ましたが、この双六小屋に至る道ではクロユリがほんとに多かったです。
特に花見平付近で咲いているのはバイモユリみたいなクロユリでした。
双六岳は女性的な山容で、のどかな姿をしていますね。
ルートはほんの少しのアップダウンを繰り返しながら、北に向かいます。
斜面をトラバースする道沿いにキヌガサソウの群落が見えます。それまでも時折、見えていましたが、ここのは登山道の直ぐ横で撮影がしやすいです。ゴゼンタチバナと同じで、葉の枚数がある程度増えると花をつけるようです。花を咲かせている株は9枚の輪生葉をつけているのが多かったです。どちらかというと日陰が好きな花のようで、いつも樹林の陰になるような場所で咲いています。
前日も鏡平の小屋の手前で群生していたのですが、Kさんの調子が悪くて、とても撮影する余裕がなかったので、またこうやって会えて、小躍りしました。
初夏の山ではお馴染みのマイヅルソウです。今回は蕾の状態から実が赤くなっているのまで、さまざまな状態が見られました。
我が家の近くの標高300m余りの低山にも咲きますから、適応能力は抜群ですね。
咲き終わりの花は花茎が30センチにもなって咲き始めの頃とはまるで別物のようになります。
トラバース気味の山道のカーブを曲がると、遠くに赤屋根の小屋が見えてきました。今夜泊まる双六小屋です。小屋の向こうにピラミダルな姿で聳えているのは鷲羽岳です。昔登った剣岳になんとなく形が似ています。それにしても、この双六小屋、なんと素晴らしい場所に建っているのでしょう。
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