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2007-07-26

花と雪渓の北アルプスへ、その11、双六岳山頂へ

三俣蓮華岳への巻き道沿いにしばらく進むとサンカヨウが1株だけ咲いていました。

サンカヨウは雪渓が融けた後に、直ぐ芽だしをして咲き始めるようで、サンカヨウの花が咲いているところは、雪渓が融けて間もないところだな~とわかります。

しかし、この辺りはすでに標高2700近くありますから、ずいぶんと高い場所でも咲くものです。去年の北岳でも確か2800とか2900ぐらいで咲いていましたっけ。

P1120929

メギ科の花で、↑画像の花は標高の高い場所だからか、草丈20センチほどで咲いてましたが、一般には結構大型の花です。しかし、学生時代にサンカヨウやツマトリソウを見た記憶が全然ないのは、登る時期が8月10日頃と遅かったからでしょうか。クルマユリやシシウドなどは覚えがありますから・・。

P1120936 やがて大きな雪渓の下にパイプが渡されたところがあって、どうやら双六小屋の水源のようでした。

雪渓が融けた水が小屋まで引かれているようです。

P1120951 キバナシャクナゲの蕾のついあ株が先ほどからちらほら見えていたのですが、進むにつれて花が咲いた株が見えてきました。

登山道沿いやハイマツの生え際に咲いています。ここまで来るとハイマツもずいぶん小さくなって、樹高は30センチほど。この日は風がなくて寒くはなかったですが、風があれば風の通り道なりそうな場所です。草も木も縮こまって風を避ける必要があるのでしょう。

50ほど先の雪渓の横を歩いているのがKさんです。

P1120952 キバナシャクナゲを接写してみました。まだ咲き初めなので、綺麗な花です。

学生時代の山登りでは一番見る機会が多かったシャクナゲでもあります。

小さな雪渓の横に出たので、雪渓の上を少しトラバースして、稜線に出ることにしました。傾斜が緩やかなので、ここなら下りも危険ではなさそうです。

トラバースし終わったら、あとは踏跡を辿って、稜線に出ます。双六の稜線はずいぶんなだらかで、てれ~っとした広い稜線です。

P1120956 途中、ミネズオウも見かけました。南アルプスでも砂礫地で見かけた花です。

ツツジ科の低木で、小さいけどなかなか可愛い花です。

P1120959 ようやく縦走路と思われる道に出ましたが、こんな風にまるで平原みたいな稜線です。ガスっていたらルートがはっきりしないでしょうね。

後輩のKさんは学生時代の夏合宿で、薬師岳~槍ヶ岳に抜けたそうで、そのときに双六のピークを踏んでいるそうで、たぶんこっちがピークだろうと、一旦は南に向かって歩き始めます。しかし、道標も何も立っている様子はないので、これは違うということになり、今度は北の方向に歩き始めます。北に見えるピークらしき場所には道標らしきものが見えています。北に向かって歩き始めたところで、単独の女性の登山者にお会いしました。そして、その女性が休んでいた近くにケルンがたくさん積まれた場所があって、小さく「春道と」書かれた板切れがあります。なんてことはない。春だけのルートがあったのですね。P1120961

↑画像の 岩でごつごつとした方のピークが双六山頂です。

視界はこのときで100mほど。

P1120960 この白い小花はタカネツメクサのようです。

ツメクサは我が家の庭に生える雑草ですが、同じツメクサでもこちらは標高3000m近い高山で咲くツメクサですね。ちょっとありがたみがあります。

P1120963 同じく7月の高山でお馴染みのイワウメも咲いています。これも木本です。全体の姿に比べて、異常に花が大きいのが特徴です。しかし、北岳ほど多くは咲いていませんでした。

ここ3年連続で7月中旬にはイワウメを見ていますから、7月半ば頃ならアルプスでは見ることができるようです。

P1120968

14時38分、双六岳ピークに到着です。

雷鳥を見たり、道を探し回ったりで、ちょっと手間取りましたが、急ぐことはないので、それもまた良かったです。残念なのはピークからの展望が全然なかったこと。

梅雨時の登山の最大のネックですね。

ピークでKさんが電話をかけ始めました。東京のご主人似かけているようですが、何度か試みてようやく繋がったようです。ご主人のK君は私の同期の山仲間でもあるのですが、どうやらK君が「双六にいるんだったら、ついでに槍ヶ岳まで登って来い」と言ってるようです。(^。^;)ま、昔の元気な頃ならいざ知らず、槍までは西鎌尾根経由で5時間もかかる行程ですから、私たちの年代では、ちょっと無理というもの・・。後一日あれば、なんとかなるのですけどね。

私はといえば、ちょうどこの日に、先輩の女性陣3,4人が東京で集まっているはずだったので、携帯を持っているはずのUさんに雷鳥の画像を添付して携帯メールを打ったところ、直ぐに折り返しで返事が返ってきました。先輩たちはどうやら隅田川見物の最中のようです。もう一人、四国で仲良くしてもらっている山友達のTさんにもメールを打ちましたが、こちらはうまく届かなかったようです。後でTさんにお聞きしたら翌日にメールが届いたそうです。それでも、昔なら、一旦、山に入ったが最後、下界とはいろいろな意味で遮断されていたことを考えると、今は驚異的な時代になったものだと感心します。

山頂は風もなく寒くないのでいつまでもいたいですが、あまり遅くなってもいけないのでそろそろ小屋に向かって下り始めます。時刻は14時45分です。下りはもちろん春道を利用しました。山頂を南に下って200mほど歩いたところから今度は東に向かって下るのです。雪渓の周囲を巻いて下ると、すぐに三俣蓮華~双六小屋の巻き道に出ます。ここまで出れば、後は登ってきた道を下るだけですから、早いものです。

P1120971 ハイマツの下にはピンクが可愛いコイワカガミも咲いています。画像には写っていませんが、ミツバオウレンも咲いていました。

P1120973s登山道のわきにはハイマツに混じってハクサンイチゲも咲いています。

下山途中で60代初めの単独の男性と一緒になって、小屋まで下りましたが、その方はなんと初日に新穂高から三俣蓮華まで入ったそうです。ずいぶんと健脚な方で驚きました。

下りは道がわかっているので、すんなりと下り、記録を控えてないのですが、16時頃には小屋まで下ってきました。

その頃にはあたりもすっかりガスに包まれて、パラパラと小雨が降ってきました。歩いているうちに雨に遭わずに済んで、ほんとにラッキーでした。

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