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2007-08-10

オコヤトコ~牛の背、その6、下山

こんな気持ちの良い山頂はいつまでもいたいですが、帰るのに時間がかかるので、そろそろ下山しなければなりません。

13時48分、仕度して下ることにします。

それまで気づかなかったのですが、お昼を食べていた直ぐ近くに、可愛いシコクフウロが咲いています。

P1130705

可愛いシコクフウロを記念に撮影したら、いざ、下山です。

ルートのはっきりしないコースは登りよりも下りのほうがはるかに難しいのですが、登ってきたとおりに下れば、まず、道を見失うことはないはずです。

P1130715 三角点まで、どちらかというと登りでは南から回りこんできたのですが、帰りは北斜面を下ろうとまずは北側に進んでみました。

↑画像は牛の背三角点からほんの少し北に下ったところから撮影したものです。笹原の間にところどころ茂みが見えているのはコメツツジの木です。秋には真っ赤に紅葉してとても美しいそうですが、私は紅葉したところはまだ見たことがありません。その向こうに見えているのは寒峰などの祖谷系の山々だと思います。そしてその間には祖谷川が流れているはずで、川と山の標高差は約1000m。しばらく下ってみましたが、北斜面は笹が深くおまけに地面がでこぼこで足を置くとそこに穴があったりして捻挫しそうなので、再び登りかえして登ってきたときと同じように南西に回り込むようにに斜面を下ります。南斜面は笹の丈も足首ぐらいで、トレースがはっきりしていて数段歩きやすいです。

P1130716 コメツツジの花はほぼ終わっていますが、少しだけ咲き残りがあったので撮影してみました。

花径わずか1センチ足らずの小さな花です。こんな地味な花も珍しいですね。

P1130717 笹原の中でツリガネニンジンも咲いています。今年初めて見るツリガネニンジンでした。

三角点から5分ほど下ったところで、一人の女性が登ってきました。50代ぐらいの方でしょうか。すでに時間は14時です。この時刻に登っているということはお亀岩の避難小屋泊まりかも知れません。もう少し下ったところで今度は先ほどすれ違った女性のご主人と思われる60過ぎの男性が登ってきます。亀尻峠を登ってこられたのかも知れません。私は登ったことはないですが、亀尻峠からの登りというのは結構な登りで時間がかかるそうですから・・。それにしてもこのごろは女性のほうが元気だね~という話になりました。

50335750pennki_3 登りと違うところを 下りに歩いたと思われる個所を青で記してみました。山頂付近はいたるところにトレースがあって、どこを通っても下れますが、下りはやや尾根に沿って北に下り、今度は西南に伸びた尾根を目指して直角に進路を取ります。下っていくべき1486小ピークが眼下に見えているので、ここまではどうということはありません。しかし問題はここからの下りです。樹林帯に入ってしまうので、展望がなくなるのに加えて、尾根が広いので、慎重に行かねばなりません。実際、登りのときに樹林帯を抜けた辺りでコースを東よりに取りすぎてしまい、見たことのないような景色になってしまいました。もっと南よりだったはずだと思い、斜面を南に巻きますと、見覚えのある踏み跡に出ました。下りの際にまず間違えそうになったその個所が上の地図①の個所です。登りはオコヤトコ沢の流れの音が聞こえるほど南を通ったはずです。やがてその見慣れたルートを下ると見覚えのあるコナスビの花が咲き、見覚えのある赤リボンがぶら下がっています。

途中、木の幹をリスが駆け上がっていくのを見ました。山でリスを見るのは確か学生時代の常念岳の登りの麓で見て以来です。残念ながら10mほど離れていたので、撮影は無理でした。赤リボンから下は間違えることなく通過し、ヌタ場の横も無事通過です。また上りの際に見かけたシコクフウロと」イブキトラノオがここでも良い目印になりました。

P1130718 1486m小ピークから下では↑画像中央にあるような石の道標らしきものが立っているのに気付きました。

それでなくとも、杉林がまばらになっていて、明らかにルートとわかります。

P1130719 その道標と思われる石を上から見てみるとかすかに亜kペンキを塗った跡があります。

P1130720 やがて、私たちが沢筋の道から尾根まで上がるのに歩いたジグザグ道の入り口までやってきました。この尾根筋からの分岐通過が15時5分。

ここから先はジグザグの道を辿って下ります。ほぼ沢まで下るわけです。画像中央に見えている赤い杭は尾根道が直角に折れているところです。たぶんこのまま尾根道をまっすぐ下っても良かったのでしょうが、私たちは登ったと同じ道を下ることにします。そのほうがルートファインディングの手間がなくなるからです。登りは沢から道なき道を50mほど直登したのですが、くだりはこのジグザグ道を最後まで辿ってみることにします。そうしたら意外なことに、道は沢のかなり上流に下っていました。つまり登りももう少し我慢して沢筋を行けば、このジグザグ道に出たようです。

P1130721 ジグザグ道の最後はオコヤトコ沢の小さな支流と思われる沢までついていました。ここに出たのが15時27分。綺麗な水が流れていたので、ここで顔を洗います。ついでにタオルを濡らして首に巻くと、冷たくて気持ちよかったです。出会いからはオコヤトコ沢右岸に沿って歩きます。道はほんとに沢の直ぐ横を通っています。高度にして1150まで下ってきたようです。

P1130724 こちらがオコヤトコ沢のほうです。水量は多く、垂直距離で100m近い上方からでも水の音が聞こえます。

P1130722

オコヤコト沢に沿って歩いているとヤマシャクヤクの種をつけた株がありました。沢筋なのでおそらく春にはネコノメソウやエンゴサクなども咲き乱れるのではないでしょうか。

その後は登ったときと同じルートなので、単調な植林の中の道を歩くだけでした。

巻き道が終わると再び一升瓶や茶碗の道標に導かれて道を下ります。地図上の②の個所辺りにあると思われる分岐は結局気付かないままでした。

P1130725 16時11分、オコヤトコの橋が見えました。やれやれ、これを渡ると後は林道歩きだけです。なんとか17時には車を置いた場所まで帰れるかな~。とそのときは思ったのですが・・・・。

P1130729 林道沿いでは可憐なボタンヅルが咲き始めています。咲き初めだからか、花が小さくて、普通見るボタンヅルとどこか違うような気もしました。

あとは林道歩きだけと思ったら気が楽になって、花の画像を撮影したりしながら、前を行く2人の後から200mほど遅れて歩いていました。

そうしたら200m前を行くKさんが「これはどっちに行くのかな~?」と叫びます。急いで近寄って見ると、そこが③の個所で、林道の分岐です。来るときに分岐を見た記憶も曲がった記憶もなかったので、「これは真っ直ぐじゃないですか?」と言うとKさんも「そうだよね」と言います。そこで尚も谷道川の左岸をてくてくと歩きます。が、5分経っても土砂崩れの場所に出ません。道の感じもどこか来たときとは違います。横を流れる谷道川の川幅がやけに広くなっています。来たときにはこんなに広いところはありませんでした。しかしKさんに「何かおかしくないですか?」といっても「いや、こんなところを通ったはず」と言います。またまた5分歩きましたが、ますますおかしいな、と思い、来たときのことを少し思い出します。「あ!」と思いつきました。来たときには最初、沢が左側にあって、右側の山の斜面がくずれていたのです。それなのに、この道はどこまでいっても沢が左側にあるのです。帰りは方向が逆ですから沢が右側になければいけないはず。急いでKさんにこの道は間違っていることを言いました。Kさんも納得して、回れ右です。この時点ですでに17時を10分ほど回ってしまいました。地図の③の分岐から10分以上も青いルートを歩いてしまったのでした。それにしても何で往路では分岐に気付かなかったか?もう一度、朝の記憶を辿って思い出しました。すると思い出しました・・ヘアピンカーブをその先の分岐を通過することなくショートカットしてしまったわけです。それで分岐が記憶にないのですね。

やはり復路の分岐のところで、10m先まで偵察に行けば良かったのでした。そして、何かおかしいと気付いたとき、もっと早く引き返していれば30分ものタイムロスにはなりませんでした。そんなことを考えながら林道を歩いて、ようやく車までたどり着いたのは17時35分でした。

P1130737 まだ周囲は明るいですが、登ってきた牛の背を眺めると山頂付近にはガスがかかっています。

それほど疲れたという感じはありませんでしたが、やはり長距離を歩いた後なのので、どこか気だるい感じはぬぐえません。

車が走り始めたのは17時50分。来たときとと同じ徳島側から帰っていたら帰りが9時近くなるので、Kさんにお願いして京柱峠から高知側に下ってもらい、大豊から高速利用で帰ってもらいました。おかげで帰宅までの時間ははかなり短縮できて、8時過ぎには帰宅できました。

しかし、今回の反省点は事前に林道の道路状況をもっと調べておけばよかったことと帰りの林道を間違って往復30分も余計に歩いた点です。特に登り始めの林道歩きでは最初の通行止めの個所に車を置いて林道を歩いてもオコヤトコまでは3.5キロの道のりで1時弱で行けたことを考えると、少なく見ても1時間以上のタイムロスでした。まぁ、しかし、初めて登るコースでしかもルートがはっきりしないコースというのは往々にしてこんなものかも知れません。ともかく私としてはまだ登ったことのなかった牛の背まで登れたということだけでも収穫でした。

次回はもう少し近くでリスが見られると、もっと嬉しいですね。

コメント

今の生活パターンでは、登山をする機会が全くありませんが、居ながらにして登山が楽しめるので有り難いですね。

多摩NTの住人様、こんにちは。
そうですね、東京に住まわれていると、案外、山が遠いみたいですね。
だけど、一旦、登り始めると、気軽に山歩きできるみたいでもありますけど。
関東からだと北アルプス、南アルプスなど意外と近いですしね。
北アルプスには昭島在住の後輩と登りましたが、運転さえ出来れば、北アルプスは近いんだから、もう少し運転の練習してねと言ったことでした。

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