初めての寒風山、その5、アサマリンドウ
しばらく山肌を巻いていくと、日の差さない鬱蒼とした感じの谷間に出てきました。
山道の横になぜかザイルやピッケルのようなものが置いてあります。Tさんがそのわけを教えてくれました。この場所は日陰なので冬場は凍っていることが多く、滑りやすいので、安全確保のためにザイルを置いてくれてあるんだそうです。そう言えば、ここ寒風山は冬山入門の山としても四国では有名なのです。
そして、夏の終わりの今も、この谷間は他の場所に比べてかなり涼しく、いろいろな花が咲いていました。
黄色い花は勿論アキノキリンソウでピンクのはミヤマトウヒレンというそうです。
ミヤマトウヒレンはキク科トウヒレン属。アザミなどとちょっと似ていますが、刺はありません。
草丈は50センチほど。因みに東赤石山ではオオトウヒレンというのが自生していて、オオトウヒレンのほうは茎に翼があり草丈も高いです。
こちらのミヤマトウヒレンは見た目も華奢な感じでした。
シオガマギクもあちこちで群生していて、この群生の花は色が濃くて綺麗でした。
登山道の様子です。お天気はまずまずなのに、なぜかこの付近だけうっすらとガスっています。
なかなか雰囲気のある道で、剣山の行場付近とちょっと似ています。
登山口のちょっと上辺りからずっとアサマリンドウの株が見えていたのですが、ここまで来てようやく開花株に会えました。
しかし、登山道沿いにずっと株を見ましたから、9月半ば~末にはずいぶんたくさんのアサマリンドウが見られることでしょう。
私の大好きな花です。
ぶなの木の又から、アキノキリンソウが生えています。自然の盆栽ですね。
やがて、稜線が近くなったと見え、道沿いには笹が多くなってきました。
そして、笹に混じってたくさんのシコクフウロが咲いています。
この辺りで咲いているのはピンクの色も濃くて綺麗でした。
大きな岩の直ぐ右手に見えているのがピークらしいです。
稜線までの道を足取りも軽く歩きます。
ピークの直ぐ手前にもホツツジが咲いていました。丸いのはすでに実になっているものです。
実も可愛かったです。
コースタイム1時間20分のところを、撮影ばかりしていて1時間30分掛けて歩いたのでした。
それでも後は、お昼を食べたら下るだけですから楽勝です。
keitann様 こんにちは
下から三番目の画を見ると高山の雰囲気を持った良い山ですね。
深田久弥がここに来ていたら、筑波山と差し替えてこの山を100分の1にしていたかもしれませんが、それはどうでも良いですが、いろいろな花が沢山出てきましたね。
四国フウロ、ダイモンジソウ、ソバナ、そしてウメバチソウはまだ蕾でしたが、これも見たかったですね。
アキノキリンソウはブナの股を狙った失礼な奴でしたね。
とりわけ、アサマリンドウが四国にあるのですから驚きです。
小生はこれまでに見たことが無いのです。
南アのスーパー林道付近でも咲くとか聞きますが、その時期に行っていません。
珍しい花を有難うございました。
投稿: ぶちょうほう | 2007-09-10 11:31
ぶちょうほう様、こんにちは。
今日は帳面仕事を片付けなければならないので、仕事に飽きたらネットで楽しんでいます。
寒風山もそうですが、石鎚山系にはなかなか味のある山が多いです。石鎚山系を西の端から東の端まで歩くと、今でも3泊はかかるでしょうか。アルプスには負けますが、それでも歩き通すとかなりの充実感が得られそうです。
ウメバチソウの開花は四国ではやはり9月半ば以降にならないと無理かもしれません。今見られるのは、仲間のシラヒゲソウでしょうね。
アサマリンドウは朝熊竜胆と書き、信州の浅間山ではなく三重の朝熊山で初めて見られたのでその名があるそうです。しかし、学名にはシコクが入っているのでもわかりますが、四国にはとても多いリンドウです。シコクの山では普通のリンドウよりもこのアサマリンドウのほうをよく見ます。四国では珍しい花ではなく、ごくポピュラーな花です。でも南アルプスで咲くのは珍しいと思います。
投稿: keitann | 2007-09-10 14:31