高知花紀行、その6、サネカズラとツワブキ
一通り観察した後、車に乗って、そのまま進行方向に進みます。私の頭の中ではこのまま海岸線を辿っていけば、足摺岬に行くような気がしていたのです。
道は一切休憩所から東は細い道です。ところどころで離合可能なように待避所があります。しばらく走ったところで、その道が柏島に通じる道であることに気付きました。海岸伝いに走っても足摺方面にいけなくもなさそうですが、道が細いし曲がりくねっていて、スピードはとても出せないので、時間がかかりそうです。地図をもう一度見てみます。やはり、もとのR321に戻ったほうが走りやすそうということで、再び元来た道を引き返すことになりました。
引き返す途中で、道端の赤い実に目がとまりました。
12月初めに高知を訪れたときにも、サネカズラとサルトリイバラの赤い実をいやと言うほど見かけたので、高知にはツル物が多いということは実感していました。高知は気温は高いし、降水量の多いところなので、ツル性の植物やシダの仲間がものすごく多いのです。
ここ大堂海岸付近も例外ではなく、赤い実がよく目に付きます。
ずんぐりむっくりした赤い実は、山でよく見かけるテンナンショウの仲間ですね。暖地の海岸近くに多いテンナンショウの仲間と言えば、まず思いつくのはウラシマソウです。現に、今年の春は香川の海岸に近い里山でもウラシマソウをたくさん見たのでした。
しかし、ウラシマソウの実はまだ見たことがなく、確信が持てませんでした。検索でウラシマソウの実を調べると、これほど横幅はないようです。しばらく調べていると、ムサシアブミの実が出てきました。これです、草丈があまり高くないところや、海岸近くの湿った林内に自生するという条件にもぴったりです。それにしてもムサシアブミの花にはまだ出会ったことがないのに、先に実のほうに出会ってしまいました。
ここで、一度、私達が周回したルートの地図をアップしておきます。
愛媛との県境は宿毛の直ぐ北を通っているので、私達は高知の最西端まで走ったことになります。
しかし、そんなことも帰宅した後でよく地図を見て、初めて知ったのでした。
12月初めに高知市内で何度も見かけたサネカズラですが、高知西部でもあちこちで見かけました。
数えてみると25個ほどもあります。崖のほうに生えているので、近づけないのが残念です。
花はほぼ終わりかけていましたが、この個体はまだ綺麗でした。
香川の海に近い山でも御馴染みのコバノタツナミソウも咲いています。コバノタツナミソウは、季節を間違えて咲いている姿をよく見かけます。
香川で見かけるリュウノヒゲよりも葉の細いリュウノヒゲも法面に自生しています。
実の色も香川で見るものより黒いように思いますが、これは季節の関係でしょうか。
たぶん断崖になっていただろうと思われる海側の斜面には常緑の様々な木々が見えますが、わかるのはその中の数種類だけです。
足摺岬はヤブツバキでも有名なので、ここにもあるはずと思い、その目で探したら、ヤブツバキの木もたくさんありました。↑画像はヤブツバキの蕾です。さすがに咲いている花は見かけませんでしたが、一度、ヤブツバキの季節にも来てみたいものですね。
ゴンズイの実も見たのですが、その後直ぐに別の場所でもっと鮮やかなゴンズイの実を見かけたので、次回の記事で取り上げるとしましょう。
こんばんは!
先ほど、違う方のサイトでも
このムサシアブミの実がアップされてましたよ。
どことなくマムシグサに似ていますよね。
というか、私たちが行く山にはマムシグサしかこのようなカタチの実ができる野草がないのですけどね。
投稿: あすかちち | 2007-12-21 18:15
あすかちちさん、こんばんは。
そうですか、ムサシアブミの実でやはり合っていたんですね。ほっとしました。
マムシグサもテンナンショウ属ですから、やはり赤い実でよく似ています。ユキモチソウもこんな実らしいですよ。
ただ、マムシグサはもっとスマートですね。
同じような赤い実でもマムシグサ以外の実を見かけると嬉しくなります。今年は秋にミツバテンナンショウの実も見られたんですよ。
ウラシマソウも身近な山で生えるので、そのうちに見てこなくてはと思います。
私達がよく行く山でも、やはりマムシグサやアオテンナンショウがいちばんポピュラーですよ。
投稿: keitann | 2007-12-22 01:10