初めての室戸散策、その10、ジロボウエンゴサクとダルマ夕日
車道沿いを、駐車場まで歩きます。観光客も誰一人としておらず、静かなものです。
車道といっても車すらほとんど通りません。高知の中心部以外に来ると、香川と違い車の通行料が少ないことを感じます。香川は県土が狭いので、どの道を通っても、車は多いです。
車道沿いを観察しながら歩いていると、あれ?エンゴサクの花が咲いています。
ジロボウエンゴサクです。
ヤマエンゴサクはかなり高い山で咲くのに比べ、ジロボウエンゴサクは低山や山すそで咲くことが多いとはいえ、こんな海抜0mといっても良いところに咲くんだと知って、驚きでした。
良く見ると数株が咲いているようでした。普通は春先の他のものが枯れた状態のところに咲くのですが、周囲に青々としたほかの葉っぱがあるので、ちょっといつもと雰囲気が違いますね。
左上のほうに葉っぱも見えていますが、春先に咲くときは葉っぱもまだ出たか出ないかのうちに咲くので、花より葉っぱが多いなんて事はあり得ないです。
それにしても、先ほどはタチツボスミレの返り咲きを見ましたが、ジロボウエンゴサクの返り咲きというのは今までちょっと見たことがないです。
流石に南国高知でも特に暖かい室戸ならではなのでしょう。
ジロボウエンゴサクの咲いている近くにはこんな葉っぱも見えています。
花はまだ見たことがないですが、これがタイトゴメに違いありません。
タイトゴメは海岸の岩場に生える植物とありますから、これはここに生えていて不思議ではありませんね。
車道から少し引っ込んだ場所に、キバナアマとアロエが賑やかに咲いています。
これは明らかにもともとは植栽されたものでしょうが、今は放置されていると言った感じでした。
こちらは自生のものと思われるスイカズラですが、これも花が咲いています。
何しろいろいろな季節の花が一度に咲いているので、感覚がちょっとずれてしまいそうになります。
そして、こんな小さなトマトみたいな実をつけた植物も道端にあります。
これはRさんの掲示板に少し前に貼られてあったので、直ぐにわかりました。
キンギンナスビといい、帰化植物だそうです。
茎には鋭いトゲがあって、触れると痛そうです。
この株には見られませんでしたが未成熟の白っぽい果実とこのように成熟した赤い実の両方が見られるのでキンギンナスビというそうです。花は検索すると、やはりイヌホオズキみたいな花でした。
ツルソバの咲き始めたばかりの個体です。初々しい花は、ミゾソバにも似ていて、綺麗です。
アコウ自生地という案内板があったのですが、そこへ行くまでもなく、道路沿いで見られました。
去年、足摺方面で初めて見たときには、なんだかわからなくて、木の枝にびっしりとくっついた実が、ちょっと気味悪く感じたものでした。
今回は木の名前も分かって見ているのですが、それでも枝にびっしりとついた無数の実は、あまり綺麗とは思えず、まだイヌビワの実のほうが見ていて安心できます。
このアコウの実は甘いそうで、小鳥などの食料になるそうですが、ちょっと口に入れる気にはなりませんでした。
3時前、やっと車を置いた場所まで帰ってきました。歩いた距離はたいしたことないのですが、香川では見たことのないような珍しい植物だらけで、撮影に手間取ります。
駐車場にはやっぱり猫が2,3匹、たむろしていました。
とぼけた顔をした白猫がえさをねだりに来たのか、近づいてきますが、今回は猫に上げるようなものはなにもありません。
それほど痩せてはいなかったので、適当にえさにありついているようでした。
来る途中で、見事なブーゲンビリアを何度も見かけたのですが、室戸に着くまでは寄り道自粛していたので、帰りに車を停めて撮影しました。
このブーゲンビリアで丈は5,6mはあります。
香川ではこんなに大きいのは見られませんね。
まだ日暮れには時間があるので、ヤッコソウのもう一箇所の自生地であるお寺に立ち寄ってみましたが、生憎とほとんど終わっていました。
代わりに東から眺める室戸を撮影してきました。
この後、Tさんが運転を交代してくれました。
イイギリは山地では時々見かけますが、海の近くのイイギリは珍しいと思いました。
もしかしたら植栽されているものかもしれません。
山」で見るイイギリはもっと早く10月末や11月に真っ赤に熟していますが、暖かい海岸付近では12月下旬でもこんあに見事な実をつけているのですね。
少しずつ寄り道している間に、いつの間にか夕日が海に落ちようとしています。
車の窓から横を見れば、夕日がずっと見えますが、どこか良い場所があったら、車を停めましょうといっていたら、Tさんがお誂え向きの場所に停めてくれました。
他にも2人ほど男の人がカメラを持って撮影に来ています。
夕日の前に防波堤があって、2,3人の釣り人が釣り糸を垂れていて、丁度アクセントになっています。
夕日がどんどん沈んでいき、とうとう水平線と接しようとするとき、海のほうにももう一つの夕日が見えました。
話に聞いていたダルマ夕日です。
釣り人も釣りをやめて眺めています。
わずか10分ほどの短いショーでしたが、12月初めに瀬戸内海で眺めた夕日とはまた一味違う壮大な眺めでした。
この後は寄り道をすることもなく、高知を後にして帰ってきました。
年末の気ぜわしい時期でしたが、暖かすぎるほどの空の下、特に暖かい室戸岬でほんとにびっくりするぐらい様々な花や木を見られたことで、良いリフレッシュになりました。12月と高知の花々は切っても切れない思い出となって残りそうです。
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