オドリコソウの咲く瀬戸内の島へ、その4、山頂と下山
低山だからウオーキングシューズで十分だろうと、登山靴を履いてこなかったのですが、落ち葉の道はずるずると滑り易くて、中腹までにすっかり汗をかいてしまいました。
やがて、樹林が少しだけ切れて海が見えるところも出てきました。しかし、周囲はおおむね、シロダモやトベラなどの照葉樹が多いです。
まだ初々しい感じのシマカンギクが標高300近くなっても咲いていました。
上を見上げると、ようやく樹林が切れて空が見えてきました。どうやら山頂がすぐそこのようです。
何かのツルがいっぱい絡み付いています。
葉っぱが見えれば何の木だか少しは分かるかなと思いますが、何しろ葉っぱはかなり上の方なので、木の種類もわかりませんでしたが、照葉樹であることは確かです。山道はここからはほぼ水平になります。コニーデ型の山の台地状の部分に出たようです。
山頂の竜王宮も近いですね。
普通だと石の鳥居があるところですが、両側の石柱だけが立っていて、上の部分は縄になっています。
でも、これが鳥居なのだと思います。
鳥居から少し歩くと、祠がありました。恐らくこれが竜王宮なのでしょう。山で祠を見つけると、参拝することにしているので、手を合わせました。
お正月にしては、ちょっと神前が淋しい感じがしますが、お年寄りばかりだと、ここまで登る人も少ないでしょうね。
山頂の表示がないので、もう少し歩いて見ます。どこか展望の良いところも見つかると良いのですが・・。
こんな大き目の石の上に小さな石を乗っけたのもありましたが、これもご神体か何かかもしれません。
里山にはこんな石が時々見られます。
ほんの少し登ったところに、こんな表示がありました。ここが高見竜王山の山頂のようです。時刻は15時22分です。船を下りてから1時間足らずです。
三角点は見当たらないようでした。
周囲を少し歩いてみますが、四方が藪になっていて、どこからも展望は得られそうもありません。
木々は落葉樹ではなく照葉樹なので、葉が邪魔をして見えないのです。
こんな葉っぱがところどころに見えますが、これはキツネノカミソリでしょうか。植えられたものなのか、自生なのかちょっとわかりません。
藪が濃くて歩けないというほどではありませんが、鬱蒼としているといえば言えそうです。
手前のだんだら模様の樹肌の木はカゴノキで、これだけは私にも直ぐ分かります。
山頂付近をしばらくうろうろしてみましたが、下山路は他には見当たらず、かすかな踏み後程度しかありません。
狭い島ですが、あまり港から離れたところに下山していくのもまずいので、登ってきた道を下ることにしました。15時33分、下山開始です。
山頂付近で一箇所だけ、なんとか海の見下ろせる場所がありました。瀬戸大橋が見えるので、東北に向いて開けているようです。
途中で、黄葉しているキンミズヒキの葉を見ました。
うちの畑のキンミズヒキはとっくに葉を落としているので、やっぱり島は暖かいのですね。
下山路を上から見下ろしたところです。コナラの落ち葉にすっぽり覆われていておまけに急な下り坂なので、すべることすべること・・・。
何度もすべって尻餅をつきそうになりながら下ります。
里山では お馴染みのヒメウズも落ち葉の間から顔を出しています。
山頂から20分ほどで、水仙の花のところまで下ってきました。登りの時間の半分です。
16時4分、民家の直ぐ上まで下ってきました。この間、当然ですが、山道では誰一人にも会いませんでした。
思っていたより、早く下れたので、帰りの船まで、1時間半も時間が余りました。
店も何もないので、島を少し散策でもしてみることにします。
keitann様 こんにちは
初登頂おめでとうございます。
これは今年の一番最初の頂きでもありますね。
照葉樹の山は、あたりの空気が淀んでいるような感じがしてしまいますね。
どこと無く鬱屈した雰囲気が漂っていますが、春からはどんな草が花を咲かせてくるのでしょうね。
お宮さんの石柱に刻まれた年月を見て、これが嘉永五年であり、1852年のことであることが見えました。
ペリー来航の一年前のことなのですね。
その当時は貧しくても、島の高みにこんなものを建て、それをずっと維持してきたのですが、そんな当時とは比べ物にならないくらい繁栄している現今になって、お参りする人が絶えそうだと言うのも皮肉なことですね。
投稿: ぶちょうほう | 2009-01-14 10:18
楽しみに待っていました。
山頂に着きましたね。
ヒメウズもふさふさと伸びています。。。暖かい島。
足を踏み入れる人が少ないと
山野草も元気で咲くのでしょうね。
投稿: tkomakusa1t | 2009-01-14 14:44
ぶちょうほう様、こんばんは。
初登頂というほどのものではありませんが、初めて訪れた島だったので、勝手がわからなかったわりには
首尾よく山頂までいけたのは運が良かったのでしょう。
照葉樹の山といえば、室戸付近や足摺付近もまさに照葉樹林なのですが、あちらは亜熱帯にちかいのです。
高見島は生えている木や草は、香川の里山とほぼ同じもので、すごく珍しいとか初めて見るというものは
ありませんでした。
シロヤマブキの木も見つけることが出来ませんでしたが、これはやはり花の時期に来なければわかりにくそうです。
嘉永5年はペリー来航の前年なんですね。
島は当時は貧しいというより、今よりも栄えていたのかもしれません。
今はお年寄りばかりの過疎の島ですから、この急な山道を登れる方も少ないのではと思います。
瀬戸内の島々は小豆島などの大きな島を除いて、どこも過疎化、老齢化がすごいのですね。
投稿: keitann | 2009-01-14 22:34
komakusaさん、こんばんは。
ヒメウズは私が良く行く里山にも多いのですが、いつもは冬枯れの風景の中で見ることが多いです。
この島は冬枯れというにはあまりにも草や木々が青々としていました。
オドリコソウは島でなくとも咲くのですが、さすがに道沿いにこれだけ群生しているのは珍しいと思いました。
確かに、歩く人も月に数人ぐらいなのではないでしょうかね。
最近歩いたような跡があまり見られませんでした。道ははっきりしていますが・・。
島の人はお年寄りばかりで登れないでしょうし、島外の人が何か目的があって、訪れるということも少なそうです。
そういう私も、いつも四国側から見ているのと、高そうな山があったからこそ、訪れたのであって、そうでなければ
行ってなかったかもしれません。
投稿: keitann | 2009-01-14 22:39