真冬の天霧山、その3、黒戸山に登る
車は、他の通行車が通れるスペースを残して、車道に停めさせていただきます。主に農作業用の軽トラックぐらいしか通らない道なので、軽自動車ぐらいなら邪魔にはならないでしょう。
海がすぐ北に見える場所で、標高は20mぐらいでしょうか。貴峰山と黒戸山との谷間になっているので、海から吹きつける風がものすごいです。でも、しばらく登れば、山が風を遮るので、風はそれほど心配ないはずです。3年前の1月に来たときも同じ状況だったので、今回は予測が出来ます。
上を見上げると電力の鉄塔が見えます。あの鉄塔の下を歩いていきます。
このあたりの山は自然林なので、今の時期はたいてい落葉した冬枯れの林になっているか、ウバメガシなどの照葉樹林です。
いつもここで見かけるツルウメモドキです。1月ともなれば、さすがに皺の寄った実になって、とても綺麗とは言いがたいですね。
冬用の山のウエアというと、どうしても黒っぽい色になりがちですが、こんな色合いも素敵です。
登り始めは10時45分です。
小さな祠の横を通過します。道は、秋以後に草刈がされたようで、歩き易くなっています。
祠もお正月から間もないと合って、綺麗に草刈と掃除がされていてさっぱりしています。
いつも横を通るキュイーイ畑のキューイは、今年はものすごく身のつき具合が良かったです。こんなのは初めてです。
今年は実もののなり年ですね。
鉄塔の横を回り込むと、道が尾根の南側に回りこみますので、風が遮られて温かいです。
いつも里山で見かける、棘だらけの木の名前がRさんに尋ねてやっとわかりました。クスドイゲだそうです。
イイギリ科だそうでsが、いつもこの棘にばかり目がいって、葉っぱなどの観察がおろそかになっています。場所によっては絶滅危惧扱いだそうですが、香川の低山ではよく見かけます。
風の当たらない陽だまりの場所にはコバノタツナミソウが返り咲きをしています。
ナガバノタチツボスミレが春になると群生する場所もあります。
私はこの仲間は苦手なので、RさんとTさんがコナラとアベマキについていろいろ話しているのを聞いて勉強させてもらいました。
それによるとアベマキの葉の裏は白っぽいのだそうです。このドングリの近くに落ちている葉も裏が白いのでアベマキだろうとのことです。アベマキはコナラよりも木が大きくなるかな~というのは私の感想です。でも、このドングリは今までならクヌギだと思うところですから、アベマキのドングリだとわかるようになっただけでも進歩です。
岩場にはイワヒバも見られますが、乾燥しているのか寒いからか、葉がくるりと巻き込んでいます・
11月にRさんと登った里山にはイワカラマツが生えていましたが、良く似ているようです。
葉っぱを手で触ると、べたべたとくっつくのでイワカラマツのようです。
やはり岩場に多い植物のようです。
上を見上げるとノグルミの実がいっぱい見えます。これも最近覚えたばかりの木の実ですね。
この葉っぱはどうやらヒメハギの葉っぱだと思うのですが・・・。早春に来ると、この付近でヒメハギの花をよく見かけます。帰宅して調べたら、ヒメハギで良いみたいです。
冬には葉が少し紅葉するんですね。
もう葉を落としてしまったサルトリイバラの実がとても綺麗です。
この付近の山はサルトリイバラが多いのです。
12月に同じメンバーで登った紫雲出山や庄内半島が良く見えています。
イブキシモツケの木が出てきました。茶色いのは花の咲いた跡です。
コデマリみたいな白い集合花で、この付近の里山には多いです。
でも、イブキシモツケが咲く頃には、もっと高山にカタクリだの他の花だのを見に行くので、イブキシモツケの綺麗に咲いたところをまだ見ていません。
葉っぱが紅葉して、高見島で見た株より、寒々として見えたのは、この日がとても寒い日だったからでしょうか。
実際は歩いていると、それほど寒くて堪らないとは思わなかったのですが・・。
松の葉っぱとサルトリイバラの赤い実の、なかなか素敵な個ラボです。
生け花は苦手な私ですが、まるで、自然の生け花です。
12時丁度に、稜線に出ました。ここはいつも不意打ちを食うような感じで稜線に出る場所です。
以前はこんなに賑やかに道標がついてなかったと思うのに、今回は赤い道標やいろいろなのがあって、ちょっとびっくりしました。
稜線に出てからは5分で、黒戸山ピークに着きます。12時5分、黒戸山着です。
黒戸山ピークまでの道も、3年前に初めて私が登ったときは踏み跡程度でしたが、だんだん道がしっかりしてきました。
どなたかが整備されているのかな~?
山頂付近もえらく木が刈られて、かなり明るくなっています。
ここで、夫婦連れの登山者とお会いしました。天霧山、弥谷山、黒戸山には今まで何度も登っていますが,他の人に会ったのはこれが初めてかもしれません。
しかし、この日はこの後、4,5組ものパーティーに会う事になりました。最近の里山歩きのブームって、ほんとにすごいですね。
山頂にはこんなものも立っていて、良く見ると見立方面への山道がいつの間にか整備されたらしいです。私が3ヶ月ほど前に歩いたときには、こんなものはなかったので、その後整備が終わったようです。
丁寧に、コースタイムまで書かれていて恐れ入りました。
これは一度、偵察してみないといけませんね。
数年前から「イメージをトレースする私の山歩き」という本を参考にしていますが、それにも黒戸山から見立方面に下れるとあったので、いつかは下ってみようと思っていたのですが、この冬中には歩けそうです。
その整備されたというコースの方角を見ると、赤テープがいたるところにつけられています。
また、稜線の出合いから山頂までの5分の道のりにも、道がしっかりしているのに、べたべたの赤テープで、ここまでは必要ないかなと思ったことでした。
この辺は、人によって、考えが分かれるかも知れません。
とりあえず、山頂で10分ほど休憩を取って行動食を食べます。
コメント