再び、東赤石へ、その8、オオヤマレンゲそして下山
しばらく下っているうちに、前の週にオオヤマレンゲを見かけた辺りにやってきました。歩いていて、下のほうを見下ろすと、白い花が見えます。オオヤマレンゲの花に違いありません。
前の週に見た株とは違いますが、綺麗に咲いてそうなので、道ではないところを少しヤブこぎして下りました。
画像の花は虫食いがあるのが残念ですが、丁度見頃のようでした。
真っ白い花は綺麗な時期は短くて、あっという間に茶色くなります。我が家の庭にタイサンボクが咲くのですが、あれも、花が綺麗なのはわずか1日か2日の間です。
この花は外側の花弁がすでに変色し始めています。
少し咲き進んだ花と、今からがいちばん綺麗という2つの花です。
花芽もまだありましたから、あと一週間ほどは楽しめそうです。
先週見つけておいたオオヤマレンゲの株もありましたが、こちらは木が小さいので、花数も少ないので、撮影はしませんでした。
近くには、これも先週見つけていたハンショウヅルが咲きあがっていました。
下から見上げ気味に花を撮影します。
ハンショウヅルの花をきちんと見たのはこれが初めてなのです。
私の図鑑には分布が本州と九州だけになっていますが、まれにこうして四国でも咲くようです。
四国にはシコクハンショウヅルという四国の固有種であるハンショウヅルの仲間もありますが、そちらは四国カルストや愛媛の南のほうの山間部に自生するようで、私も四国カルストで葉っぱだけは見ています。
シコクハンショウヅルには小苞があるので、見分けは容易です。
四国には秋に花が咲くタカネハンショウヅルというのもありますが、こちらは香川や高知の山で、毎年、たくさん見ています。タカネハンショウヅルの花をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
ハンショウヅル花はカマツカの木に絡まってたくさん咲いていました。
私としては、初見の花ですから、この日のいちばん嬉しい出会いでした。
ハンショウヅルを撮影していると、後ろからご夫婦らしい1組の男女の方が下ってこられました。
私たちも撮影時間が長いので、いい加減遅い下山だと思ったのですが、それよりもまだ遅い人がいたのは驚きでした。しかも初めてのコースだそうで、初めてのコースをこんなに遅い時間に下られるのは、ちょっと無謀な感じも否めませんでしたが・・。
私たちの後をついて下られると仰っていました。
ここからの下山路には、この時期は見るべき花もあまりありませんので、ひたすら歩きます。
ハナニガナの黄色い花が薄暗い樹林の中でも目を惹くぐらいです。
沢を渡ってからの歩きはこれが三度目とはいえ、うんざりするほど長かったです。
植林の中ではアオテンナンショウがまだ綺麗に咲いていましたが、時間が遅いのと植林の中で光が不足しているのとで、こんな画像しか撮れませんでした。
ようやく植林の中の長い下りを下り終わって、下山口に差し掛かると、白いホタルブクロが一輪、咲いていました。
アスファルトの車道に下り立とうとしたら、ルリタテハが目に留まりました。
丁度望遠レンズをつけていたので、狙います。
ルリタテハも良く見かける蝶ですが、動きが素早いので、なかなか撮影は難しいですが、このときはラッキーでした。
17時34分、床鍋の登山口に下山です。
しかし、これからまだ車道歩きが待っているので、休憩も入れず、車道をてくてくと歩きます。
車道を歩き始めて直ぐに、嬉しいことにウツボグサが咲いていました。
ウツボグサは6月初めに天狗塚に登った際、行きの車道沿いで見かけたのに、帰りに撮影し忘れたのでした。
もう、今年は撮影のチャンスがないかと思っていただけに、これも最後の素敵な出会いとなりました。
7,8年前にまだ野草散策を始めて間もない頃は、このウツボグサを見るととても嬉しかったのを思い出します。
やがて、銅山川沿いの車道まで下ると、瀬場に向かって、てくてくと歩きます。
沢の対岸の山肌に、ここでもユクノキが真っ白に咲いていました。
沢沿いには鬱蒼とした木々が繁っていて、ここはちょっとした淵になっているようでした。
画像は撮っていませんが、瀬場着は17時50分頃でした。
残っているのは私たちの車だけかと思ったら、そうでもなく、他にも2台の車が残っているようです。こんなに帰りが遅いのは、もしかしたら、東赤石~西赤石の縦走をされているのかもしれません。
私たちの数分後に、ハンショウヅルのところでお会いしたご夫婦が下ってこられたのでほっとしました。
登山靴を脱いでウオーキングシューズに履き替え、リラックスします。
それにしても、Nさん、ほんとに良く歩かれました。今年の春からはそれほど頻繁に山歩きされてないそうですが、それにしても夜行バスで来られ、重いカメラを首からぶら下げて、これだけのロングコースを歩ききるのは、すごいことです。
Nさんが帰りに乗る夜行バスは23時40分頃なので、それまで時間はたっぷりありますので、まずは汗を流そうということで、マイントピア別子に向かって車を走らせました。
マイントピアに向かう途中の車道沿いで、ピンクのヤマアジサイが咲いていました。
ピンクのヤマアジサイは東赤石の橄欖岩のある場所でしか見ないと思っていましたが、車道沿いでも咲いているものですね。
マイントピアの温泉は初めて入ったのですが、たまたまサービスデイだったらしく、バスタオルなども無料で貸してもらえ、ラッキーでした。
汗を流し、その後はコーヒー牛乳など飲んで、館内の無料映画鑑賞室で、横になります。横になると、即ウトウトしてしまい、結局1時間ほどぐっすりと眠ってしまいました。
山登りの後は、足を休めたいので、こういう施設があるのは嬉しいですね。マイントピア別子・・・意外と見直しました。(^_^;
その後はファミレスで遅い夕食を食べ、早朝にNさんを迎えに行った三島・川之江インター近くの高速バス停にNさんを送っていきました。
Nさんにとってはほんとに長い長い一日だったことでしょう。
それにしても、梅雨の最中というのに、まるで遠来のNさんを歓迎するかのように、綺麗な青空の中でいちばん綺麗な時期のタカネバラを見ていただくことができて、ほんとに良かったです。私自身も、この日見たタカネバラは、今まで見た中でいちばん綺麗なタカネバラでした。
ロングコースを歩き切るNさんの体力にも感嘆しました。もし、このコースを歩いてなかったら、ゴゼンタチバナやハンショウヅルなど、珍しい花にも会えてなかったでしょう。
たまたま、様々な条件がすべて揃った日に一緒に歩けたことに、感謝でいっぱいの一日でした。
keitannさん、ほんとうにお疲れ様でした!
もう一度どころか2度3度登った気分にさせてくるレポートです。でも飽きません。
下見があったからこそ良い日を選べたのですよね。お天気もそれに合わせて。
たぶん、来年再来年ふたたび登ったとしても、こんな最高の日があるでしょうか。
アルプスの山はそれはそれで魅力かもしれないけれど、四国の山も負けず劣らず魅力的な山の気がします。何より親しみやすい感じがします。
それはきっと、日本は海と山に囲まれているとつくづく実感させられる風景だからでしょう。
四国の山をほんの一部だけでしょうが知ることができ、良いチャンスを与えてくださったkeitannさんに感謝します。
次回はゆっくり周りの景色もみて、もっと四国を堪能することにしたいです・・・って、また行く気でいますが。
投稿: noi | 2009-07-03 17:28
noiさん、こんばんは~。
相変わらずのゆっくりモードで、アップし終わるまでに一週間以上かかりました。
でも、その間、東赤石のタカネバラをずっと脳裏に思い浮かべられて幸せでした。
グリコの「1粒で2度美味しい」ではないけれど、山歩きは3度楽しめると、いつも思っています。
一つは計画を立てているとき、二つは実際に登っているとき、そして最後が、山を思い浮かべて余韻に浸るときです。
今回はほんとうに、あまりにすべてが完璧だったので、次回以降、これだけのタカネバラをみていただけるかどうかが
心配です。でも、ここのタカネバラが減っていることはないと思いますので、また何度でもいらしてくださいね。
何人でも大歓迎ですよ。
四国の山はアルプスや北海道の山みたいに雪渓があるわけでもないし、コマクサみたいな高山植物が咲くわけでもないですが、それでも人が少なくて静かです。
四万十川のゆったりと流れる様子もなかなかいいものですよ。
剣山系も魅力いっぱいです。
また、年に一度ぐらいは遊びに来てくださいね~。
投稿: keitann | 2009-07-03 23:28