北アルプス最北の山旅、その17、ウサギギク
17日朝は予定では小屋の朝食は食べずに、やはり4時半か5時には出発するつもりでした。ですが、その夜はとうとうずっと雨が降っていて、朝になっても辺りが暗いので、仕方なく4時半頃に起きました。
この日はガスコンロを出さなくとも、最初から小屋の方にお湯を分けていただき、Yさんが持参していたフリーズドライのお粥を食べ、後はクッキーやみかんを食べ、コーヒーを飲みます。みかんは重いのに、なんと、最終日まで食べずにきてしまいました。これも3日目が涼しかったからでしょうね。
3泊4日の最終日になって、初めて雨具としての雨具を着ます。16日も着ていましたが、これは風除けに来ていたものです。パッキングを終えて、小屋の方に挨拶します。「昔はここから栂海新道を日本海まで下る予定だったんですよ」、と小屋の方に言ったら「今は栂海新道も整備されていて、とても歩き易くなってますから、是非、また来てください」と言われました。あー、昔の夢を果たしたいような気もするけど、でも、やっぱり夏に来るなら、高い山に登りたいですよね。
それでも、私たちがいちばん早いか二番目の出発でした。小屋には結局6組ぐらい、計17,8人ぐらいの宿泊者がいたでしょうか。
朝は元気なので、昨日に続いて二度目の朝日岳の登りですが、苦になりません。
30分近く登って後ろを振り向くと、赤屋根の朝日小屋が緑のハイマツと白い雪渓の間に、まるでおとぎ話の中の家のように可愛く見えています。出発時から雨が降っていたので、オリンパスの一眼はビニールにくるんでザックの中に仕舞いこんであります。コンデジのLUMIXで撮影します。
でも、登っているうちに空が少し明るくなってきて、雨も小降りになってきました。私たち、つくづく、今回は運がいいですね。
朝日小屋から朝日岳に登る際に通過する雪渓ですが、これは問題ありません。
晴れてはいないものの、展望はばっちりで、前日に見えなかった剣岳が見えています。
山頂に着いた頃には雨も上がっていたので、ザックから一眼を出します。ここから後の画像はほぼ一眼で撮影したものです。
画像ははっきりわかりませんが、能登半島も見えていました。
で、驚いたのは、海上と思われる位置に山が見えるのですが、あれは佐渡島なんでしょうか?
北アルプスも最北まで来ると、景色も違いますね。
こちらは真北を見たところで、この方角が栂海新道の方角になります。これを下ると日本海の親不知海岸に下ってきます。
3000m峰から海抜0mまで下るなんてロマンがありますよね。私の果たせなかった夢です。
7時5分に、蓮華温泉に向けて下り始めました。
山頂からほんんの10mほどのところに、蓮華温泉や栂海新道に下る分岐があるのは、前日に確認済みです。
山道の東側には大きな雪渓が広がっていて、Yさんが歩いているところも、まだ雪がとけたばかりという感じです。
視線の先にはライチョウがいました。
人の世界でも鳥の世界でも母が子の心配をするのは同じですね。
辺りは雪解けが終わったばかりで、コバイケイソウだのいろいろな野草の芽がいっぱい出ています。ここも直にお花畑になることでしょう。
前日にいっぱいシラネアオイを見ましたが、ここでもシラネアオイが咲いていました。
石の色が黒っぽくなってきて、この辺りは雪倉岳で見たのと同じ蛇紋岩地のようでした。
ミヤマアズマギクがここでも咲いています。
蓮華温泉がはるか下に小さく見えます、今日はあそこまで下るのですが、一旦、蓮華温泉よりもかなり低い標高1100mの白高地沢まで下り、その後300Mを登り返すのです。
この日も最終日とはいえ、コースタイムは7時間ほどはあります。
黒部川の作った扇状地が肉眼でもきれいに確認できて、これこそ、目で見る地理の勉強ですね。
画像の隅で咲いているのはミヤマムラサキなんですよ。
これも蛇紋岩地の植物です。
こんな具合に斜面にミヤマムラサキがいっぱい咲いていて、前日に雪倉で見たのと良く似た光景がひろがります。
こんな下り道になっていて、砂礫地をジグザグと下っていきます。
今日はもう見られないだろうと思っていたチシマギキョウもいっぱい見かけました。
風があるのでピンボケですが、イワオウギ、ミヤマムラサキ、ミヤマウイキョウ、チシマギキョウなどが混じり合って、天然の寄せ植えになっていました。
また、画像は失敗でしたが、この付近にはイブキジャコウソウ、タカネバラなども咲いていました。
Yさんが見つけてくれました。久々に見るハクサンシャジンのように思うのですが・・・。
吹上のコル近くまで下ってくると、ニッコウキスゲの群落が見事です。
なだらかな斜面もとても気持ち良さそうです。
雪渓が解けたところには小さな池が出来て、手前の蛇紋岩地にはミヤマムラサキの群生です。
良い風景ですね。
吹上のコルを7時半に通過します。
ここが、蓮華温泉方面と栂海新道との分岐になります。
岩に大きく赤い文字で「レンゲ」と書かれてあるので間違うことはありません。
蓮華温泉への下り道は雨のときは増水して渡れないとあります。
しかし、朝日小屋の方が何も言ってなかったので、この程度の雨なら大丈夫なのでしょう。
実際に、下ってみた感想は、確かに雨のときは沢の渡渉が何箇所かありますので、大雨のときやその直後は避けたほうが良いと思います。
ウサギギクを見るのも6年ほど前に立山室堂で見て以来です。久しく見てないですが、ウサギギクは花期が少し遅いのかも知れません。
いよいよ最終章に近づいてるようで、、、。
それにしても、いつかkeitannさんが、山の花を見たいなら白馬もいいけど、そこから北へ行く朝日岳方面も混まなくて良いですよ、と薦めてくださった正にそのコースですね?
天然の寄せ植えは、うっとりするほど素敵です。滅多にお目にかかれるものではないでしょう!
投稿: プルメリア | 2009-07-30 10:23
プルメリアさん、こんにちは。
ようやく最終日に入りました(^_^;
いつまで続くのか、自分でもうんざりですね(^_^;
白馬から南も魅力ですが、人が多いですね。
白馬から北に行き、雪倉・朝日となると、歩いている人はほんとに少ないです。
白馬から朝日小屋までの8時間あまりの行程ですが、その間、有人の小屋がないので、
これだけの距離を歩くとなると、やはり気軽な気持ちでは歩けないからでしょうね。
そのぶん、花の種類の多さはぴか一です。
そして人が少ないだけにシラネアオイなどの美しい花も、たくさん残っています。
勿論ロープも何も張ってないんですよ。
花好きには特に魅力的なコースです。
天然の寄せ植え、、素敵でした。
時間がたっぷりあって、風もなく、晴れていたら、きっと夢中で何枚も撮影したでしょすね。
投稿: keitann | 2009-07-30 14:51