北アルプス最北の山旅、その11、劇的に晴れた
山小屋に泊ると、夜は何度か寝返りなどを打って目が覚めますが、16日朝も何度か目が覚めました。その都度、風の音が聞こえます。この風では朝日小屋までは無理かな?折角楽しみにしていたコースですが天候には勝てません。
3時半ごろトイレに行ったついでに窓から外を見ると、雨は降ってないようです。部屋に帰って、二重窓を明けて確認します。風は相変わらず吹いていますが、雨は降っていません。辺りはガスに覆われているらしく何も見えませんが、風だけなら何とかなるかも?
4時になったのでYさんも起きたようです。ほんとはこの日は4時半ごろには出発するつもりだったのですが、この天気では仕方がありません。とにかく朝食を食べるつもりで、ガスコンロと食料を持って1階の自炊室まで降りました。談話室にはすでにストーブが炊かれているので、お湯を沸かしてコーヒーを入れ、ストーブのそばで食べさせてもらうことにしました。その後、小屋の方がポットにお湯やお茶を入れて用意してくださったので、熱いコーヒーやお茶で体が暖まって有り難かったです。この日は手早く食べられるクラッカー類などを朝食にしました。私たちが朝食を済ませた後、小屋の朝食の用意が出来たようです。小屋の朝食は早くても5時なので、それから支度をしているとどうしても出発が遅くなるので、ロングコースを歩く日は朝食を頼まず、早発ちが有効だということがよく分かりました。お弁当は白馬山荘では前夜に渡してくれたので、それを朝食に食べてもいいですね。勿論、自分たちで余分の食料を持つという前提があってのことですが・・。
16日の朝一に撮影した画像です。
スカイレストラン近くがauの携帯が通じる場所なので、メールの返事を確認しようと小屋の外に出た私の目に飛び込んできたのがこの光景でした。白馬の西に聳える旭岳のガスがぐんぐん晴れているではありませんか。時刻は4時57分です。この朝は残念ながら電波状態が悪くてメールの確認は出来ませんでしたが、そんなことより、ガスが晴れてきたことのほうがどれだけ嬉しかったか・・。
一瞬だけガスが晴れたのかと思いましたが、その後も白馬山頂方面を見上げると、青空が見えています。
ラッキー!!青空が見えるうちに一刻も早く登らなくては・・・。
身支度が遅くなってようやく出てきたYさんを待ちかねて、出発します。
その頃には小屋の朝食を済ませて出てきた人をちらほら見かけました。
歩き始めは5時半丁度です。結局、予定の歩き始めより1時間遅い出発となりました。
そういえば昔の山歩きでも夏場は3時起床、4時出発なんてのはざらでした。ロングコースを歩く日は早発ちが鉄則です。少しでも涼しいうちに歩くと体が楽なのと、午後になるとどうしてもガスが出たりして天候が崩れ易いためです。
風は相変わらず、吹き飛ばされそうなほど強く吹き付けますが、雨が降ってないので、ほんとにありがたいです。
小屋を見下ろすと、ガスがどんどん上がっていくのが見えます。山頂での展望にいやがうえにも期待が膨らみます。
前日ここを下ったときには南のほうはほとんど見えませんでしたが、今日は南もばっちりで、なんと富士山も見えています。
登っている間にも、何度も後ろを振り向いては、展望を楽しみます。
画像をクリックしていただき、確かめてください。向かって右が八つ、左が南アルプスで、富士山は八つの右上に見えています。前日、小屋の方に富士山の見える方角を聞いていたのが幸いしました。
この間、山頂から女性が1人だけ下ってきましたが、朝までガスに覆われていたので、ご来光を見に登る人もいなかったようです。
東方面は見渡す限りの雲海で、雲海から戸隠方面、あるいは黒姫山でしょうか、顔を覗かせています。
胸が高鳴ります。
私たちのほかには誰もいません。
先に着いたYさんがカメラを出して、早くも撮影中でした。
雨は降ってないのですが、何しろ風が強くて、断崖絶壁になっている山頂東側付近では立っていると風に煽られて危険なので、座り込んでの撮影です。
私もダブルストックとザックを下ろして、本腰を入れて撮影しますが、ストックが飛ばないように、重そうな石をストックに乗せたほど、風が強かったです。
はるかかなたに見えているのは方角から言って、白山に違いありません。
昔、立山や剣方面からは見たことがありましたが、白山を見たのは実に30数年ぶりです。
途中で気がついて、画像のサイズを最大限にして撮影します。
ズームで撮影した剣岳です。
剣の奥に見える山なみは大学二年のときに登った大日方面でしょうか。
槍ヶ岳の向かって右に見えているのは笠ヶ岳でしょうか?
この辺りの稜線もまたゆっくりと地図を広げて、山座同定してみたいと思います。
最後に北の方角に目をやれば、今から歩く雪倉・朝日方面、そして日本海がよく見えています。
朝日岳の山頂部分だけがガスに覆われているのが残念ですが、こちらの方面は今からずっと眺めながら歩きますので、そのうちしっかりと見えるでしょう。
360度の大展望を二人だけで思う存分満喫した後、6時丁度、下り始めたのでした。
それにしても、登り始めた途端にガスが晴れてこれだけの大展望を眺められるなんて、怖いほどの強運ですね。
keitann様 二ヶ月遅れで 失礼します。
7月16日といえば、例の大雪山系、トムラウシ、美瑛岳にて、大量遭難の出た同じ日ですね。
こちらでは、奇跡的に天候回復、そして、北海道では地獄の沙汰で、まさに明暗のくっきり分れた山登りでしたね。
今回の山岳風景は、じつに素晴らしいものがありますね。
山に登ってこんな眺めに出会えれば、幸せが極まりますね。
ところで、槍穂のズーム写真で、槍の右に見えた頂は、意外なことに乗鞍岳でした。
こんなに北から眺めると、位置関係も随分、混乱してくるものですね。
また、白馬から眺める劔岳の雄姿も格別ですね。
投稿: ぶちょうほう | 2009-09-26 16:59
ぶちょうほう様、こんばんは。
白馬に登って早くも2ヶ月あまりが経ちました。
仰るとおりこの日は大雪山系で大規模な遭難があった日でした。
山にいた私達は何も知らず、とにかく15日夕方からの風雨が何によるものか
よくわからなかったのです。
帰宅してから調べたら、あのときは日本海に低気圧があって、その影響だったようです。
北アルプスでは強風だけが吹いたので、却ってガスが飛んだうえに涼しく、歩き易い1日でしたが
北海道では風雨の両方が吹きつけ、明暗を分けることになりました。
しかし、北海道の遭難はただ自然の驚異というだけでなく、充分避けルことが出来たはずです。
槍の右に見えるのは乗鞍岳なんですね。
ご教示ありがとうございます。
こちらから笠が岳を見たことはなかったのですが、少し形が違うような気がしました。
乗鞍なら、位置といい形といい、ぴったり来ます。
まだまだ、山の位置関係などわからないことばかりです。
今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: keitann | 2009-09-26 23:13