北アルプス最北の山旅、その4、アルプスのタカネバラ
今回歩くコースは花の多いコースだという前知識は勿論ありました。昔、このコースを選んだのも、同期の仲間に、ここはマツムシソウがたくさん咲いて見事だからと勧められたからなのでした。
しかし、具体的にどんな花が咲くのか、どこに何が咲くかまでは調べませんでした。実際にその場で出会うほうが感激が大きいからです。
ここで驚いたのは、タカネバラが咲いていたことです。タカネバラは、毎年、愛媛の東赤石山に見に行ってるのですが、今年もすでに二度も見てきています。その同じタカネバラがここ、天狗ノ庭にも咲いているではありませんか。
標高がこちらのほうが東赤石より500mほど高いので、そのぶん丈が低くて、花数も少なめですが、花そのものは東赤石のとまったく同じです。同行のYさんは、山でバラが咲くということに驚いています。
初めて見る花ですが、名前はすぐにわかりました。なぜなら、この花は6月末に四国の某山に見に行こうと誘われていた目的の花、ムシトリスミレなのです。
四国ではずいぶん珍しいそうで、そんな珍しい植物を見られるとは思っていなかったので、大喜びしました。でも、その後、毎日、結構な数のムシトリスミレを見られようとはこのときは思わず、一生懸命、かなりの枚数の画像を撮ったのでした(^_^;
これは普通のとは違った色合いですが、タカネシュロソウでしょうか。
東赤石ならホソバシュロソウと決まっていますが、ここでは葉っぱや全体像を撮影しそびれてしまいました。
シャジンの仲間はその土地土地で固有種が多く、確信はありません。
こんなワスレナグサそっくりの花も咲いていて、Yさんに「これは何?」と尋ねられたものの、私もこのときは名前がわかりませんでした。
二日後に朝日小屋でビデオを見せていただいて、名前がわかりました。
ミヤマムラサキです。
確かに、ワスレナグサもムラサキ科の花なんです。道理でそっくりなはずです。
ミヤマムラサキもこの後、あちこちで見かけることになりました。
イブキジャコウソウは初見でしたが、園芸店などで売っているのを見たことがあって、これはすぐにわかりました。
ジャコウソウというぐらいですから、香りが良いはずですが、とにかく草丈5センチあるなしで、地面にはいつくばらないと香りを確かめるわけにも行かず、とうとう確かめないままでした。
このときに一枚だけ撮影しているスミレ画像です。撮影しているときは、花だけしか見ておらず、てっきりキバナノコマノツメだと思っていましたが、帰宅してから画像を見ると、葉がまるで違います。
花の向かって左に見えている大き目のつやのある葉がそうで、これはタカネスミレの亜種のクモマスミレなのだそうです。
お花もですが、西の方角に目をやると、こちらも雪倉岳方面が見えていて、山の撮影も忙しいです。
あまりにもいろいろ花が咲いていたので、撮影時間が長くなり、結局、天狗ノ庭を出発したのが16時ごろになってしまいました。
天狗ノ庭付近ではすでに標高2000mを越すので、風景もかなり高山っぽくなってきます。
1年ぶりで見るハクサンシャクナゲ・・。
これはここでしか見かけなかったように思いました。
ツツジの仲間には違いないですから、調べ易かったです。
名前だけは聞いた事があったシラタマノキのようです。
名前の通りの白い実をそのうちに見てみたいものです。
これは6月末に東赤石で見てきたアカイシヒョウタンボクと同じ仲間のオオヒョウタンボクでしょうね。
毎年、アルプスで見かけています。
ゴゼンタチバナもこの辺りまで登ってくると、可憐に群生しています。
赤いのはイワカガミの花後の姿です。
登りはかなり緩やかになってきて、行く手には多分あの向こうが白馬大池だろうなと思われる雪渓も見えてきました。
ところが、こんな緩やかな道なのに、どうにも足が前に出にくくて参りました。
Yさんは歩くのが速いので、かなり先を歩いていて、私があまりにも遅れると待っていてくれます。
まぁ、私のほうは撮影しながらの歩みなので、いつも決して速くはないのですが、このときは暑さと荷物の重さで不調でした。Yさんが私のウエストポーチを持ってくれるというので、ありがたくお言葉に甘えて、ウエストポーチを外したらかなり楽になりました。
それでも、長年の経験で?白馬大池ぐらいまではなんとか歩けるだろうとは思ったので、無理はせず、ゆっくりとマイペースで歩きます。書き忘れましたが、今回はピッケルではなく、ダブルストックを購入して持参していました。6月末の東赤石行きの後、少し膝に痛みが出たのと、雪の多いコースなので、ダブルストックのほうが雪渓の歩きなどは歩き易いだろうと判断したのでした。しかし、ストックを持って歩くのは初めてのことだったので、これに慣れていなかったことも、この日の不調の原因だったようです。
やがて森林限界を越したと見え、辺りはハイマツの道になってきました。
イワカガミなどの可憐な花も出てきて、撮影していると、Yさんが後戻りしてきて「大池に着きましたよ」と知らせに来てくれました。
17時45分、ようやく白馬大池小屋にたどり着きました。
コースタイム3時間のところを、いくら撮影時間が長かったとは言え、4時間もかかったわけです。
2年前には反対に、鏡平小屋に着く前にYさんが絶不調で、500m歩くのに1時間かかったこともありましたが、初日は今も昔もいちばん苦しいことが多いですね。
keitannさん、こんにちは。
山旅のお疲れはとれたのでしょうか?
今回もとても丁寧に細かく書かれているので
ご一緒させて頂いている気分ですよ~♪
長距離運転の後すぐに登山・・・心身ともにとても辛いはず・・・。
でも、素晴らしい景色やお花たちにパワーを頂けたのでしょうか。
タカネバラ!ここでも逢えたのですね~、美しいです・・・。
私たちも八方の方でタカネバラを見る計画を立てていたのですよ~。
お天気が良くなさそうで断念したのですが・・・。
いつか必ず逢いたいと思っています。
この後はどんなお花たちが登場するのでしょうか?
ハラハラドキドキしながら楽しみにさせて頂きます。
投稿: ミャーのママ | 2009-07-21 16:55
keitann様 こんにちは
大池に付くまでにこれほどたくさんの花達に出会えるなんて、凄過ぎです。
概して、山に取り掛かった初日は、荷物も多くて、大変ですね。
3時間の道のりを4時間かけて、花を撮りながら、目的地に無事到着。
羨ましいような贅沢なことですね。
明日からは稜線歩きになりますね。
これはまた、また楽しみが拡がります。
投稿: ぶちょうほう | 2009-07-21 17:08
こんにちは。
タカネバラを最初に見たときは本当に感激しました。
その節はありがとうございました。
北アルプス続きを楽しみにしています。
keitannさんの荷は20キロ前後でしょうか。
やはり経験のなく、装備もない私には単独のアルプスは無理のようです。
8月末に4連休を取っていますが、また東赤石と石鎚に変更しようかと思っています。
投稿: 滝花 | 2009-07-21 19:37
ミャーのママさん、こんばんは。
疲れというか、帰宅した日は眠くて眠くて仕方がなかったのですが、その後は順調ですよ。
筋肉痛などもほとんどなく(というか、山での3日目4日目に階段を下るのが痛かったです)
元気に過ごしています。
初日は私としては今まででいちばん足が前に出なかったです。
こんなことは初めてで、でも、行動時間が短かったので、時間がかかったというだけで、小屋に着いたら
けろりとしていました(^_^;
しんどいときは無理せずに、行動中は早め早めに水分補給とエネルギー補給が大事ですね。
あまり疲れすぎると、食べられなくなるようです。
同行の後輩は特にその傾向があるので、翌日からはとにかく休憩を取るたびに、何か食べるように
忠告してました。結果、その後は二人とも好調でしたよ。
タカネバラは白馬方面でも見られるとは知っていたのですが、これほど咲いているとは思いませんでした。
特に朝日岳の下りでもたくさん見ましたよ。
四国のものより、高い場所で咲くので、株は小さめですが色が素晴らしかったです。
是非いつかご覧になりに行ってくださいね。
投稿: keitann | 2009-07-21 22:25
ぶちょうほう様、こんばんは。
花が多いコースとは思っていましたが、これほどとは私も予想してなかったです。
とにかく最初から最後まで、何かしら咲いているのです。
春のツクシに始まって、初秋のウメバチソウまであらゆる花を楽しみましたよ。
季節が凝縮された4日間でした。
稜線歩きも素晴らしくて、とにかく撮影が忙しかったです。
投稿: keitann | 2009-07-21 22:28
滝花さん、こんばんは。
荷物が20キロなんてとんでもない、きっと13,4キロだろうと思います。
量ったことなくてわからないのですが、昔は一応30キロまで背負ったことがあるので、
少々重いのは苦にならないはずだったんですが・・・。
その日の体調は、睡眠不足とか荷物の重さとか、いろいろなことが影響しますから
一概には言えません。
滝花さんなら、アルプス行き、きっと大丈夫ですよ。
私たちは単独の若い女の子と朝日小屋から下りが一緒になったのですが、まだ初心者のようで
それなのに、ものすごく大きなザックにテントまで背負ってるのです。途中で地図も落としたとかで
地図を見せて差し上げましたが、いきなりそういう歩きは感心しませんでした。
でもある程度歩いている人なら、徐々にいろいろと挑戦されるのはいいんじゃないでしょうか。
8月末は四国にいらっしゃるんですか?
タカネマツムシソウやシラヒゲソウが盛りの頃ですね。
投稿: keitann | 2009-07-21 22:34