秋晴れの伊予富士を歩く、その4、ワンちゃんに出会う
樹林帯の中を少しだけ歩くと南東の鷹ノ巣山へと伸びた尾根を乗っ越すのですが、もうすぐ乗っ越そうかというとき、後ろからいきなり一匹の犬が私を追い越していきました。
実はこの日の朝、194号線から旧寒風山トンネルへと上がる道の途中で、野犬を3頭ほど見かけたのでした。どれもおなかが背中にくっつきそうなぐらい、痩せていましたから、徒歩なら気持ち悪かったと思います。
後方から犬が追い越していったとき、その野犬のことを思い出して、一瞬、びくっとしましたが、直ぐに登山口でお会いしたご夫婦の愛犬だと気づきました。
朝、言葉を交わした女性が後ろから歩いてきました。
私のほうは写真を撮りながらのゆっくり歩きなので、先に行って頂きます。
尾根を乗っ越すと、思ったとおり、目の前に伊予富士の姿が飛び込んできました。
笹腹の中を伊予富士へと向かうトレースがのどかで気持ちよいです。
こういう構図が大好きなので、山をバックにアサマリンドウを撮ります。
私がアサマリンドウにカメラを向けている間に、女の方とワンちゃんははるか彼方を歩いています。
画像中央に姿が小さく見えています。
ご主人のほうはというと、山に来たらのんびり歩かれるそうで、決して早く歩けないと言うわけではないそうです。
どうしたかと思ったら、ご主人の姿が後方に見えたらしいです。
でも、奥さんが呼ぶので、ご主人のほうに行こうか奥さんのほうに行こうか、犬も迷っているようでした。
奥さんとの間には直線距離にして、500m以上の距離が空いています。
奥さんが「こうやって夫婦で来ても実質は単独で歩いているのと変わらないんですよ」と苦笑されました。
寒風山の向かって右に笹ヶ峰の姿もはっきりと見えています。
花冠内面には緑色の斑点がある、と図鑑にはありますが、おわかりでしょうか。
内側にはストライプの模様があって、それも気に入ってます。
そろそろ種をつけています。
その後も数箇所でシコクフウロを見かけましたが、葉っぱが紅葉し始めた株もかなり見かけました。
反対に南の方角を見下ろすと、瓶ガ森林道が直ぐ下を通っています。
帰りは、この林道を歩いて帰ると時間的にはどうなんだろう?などという考えが頭の中をかすめました。
ホソバノヤマハハコのいちばん綺麗な時期に見ることができたようです。
この小さなオトギリソウの花は、一体、何オトギリなんでしょう??
樹林の部分が微かに色づいているように見えるのは、ミツバツツジが少し紅葉し始めているみたいです。
その向こうは笹ヶ峰です。
伊予富士の最後の急登の始まる手前の鞍部で、ワンちゃんと奥さんが休憩しています。
10時40分に、この急登手前の鞍部に着きました。
ワンちゃんは「ごん」と書かれたネームプレートをつけています。
「ごんちゃん」なんですね。
奥さんはごんちゃんに牛乳をこの後、あげてました。
どの山に登るときも、必ず、お供に連れてくるので四国中の山を知っているとか・・。
私のほうは立ち話を少ししただけで、特に休憩はせず、そのまま登ります。
道標には、ここから山頂まで「25分」となっていました。
急登の取り付き部分でシコクフウロとミヤマアキノキリンソウが咲いていました。
山頂まであと少しというとき、空からものすごい轟音が聞こえました。
こんな青空なのに、雷なの?と思い、上を見上げると、驚いたことに戦闘機が飛んでいました。
それも、稜線からそう離れてない高度で飛んで行きました。
真上に来たときはかなり大きく見えましたから、稜線からの高度は数百メートルでしょうね。
あっという間に飛び去っていきましたが、何とか撮影しました。
米軍の戦闘機らしいですが、1つ操縦を誤れば、どうなることか。
こうやって、山にのんびりと歩くのを楽しみに来ているのに、まったく無粋な出来事でした。
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