010年夏、扇沢~鹿島槍、その6、シラネアオイそして種池山荘へ
書き忘れましたが、この日、柏原新道を登っていて、すれ違ったのはたった1組のパーティーだけでした。トップを60代のかなり年配の男性が歩き、次に若い女性も歩いていたりと、どういうパーティーなのかちょっとわかりませんでしたが、他には誰とも会うことのない静かな歩きで、私も後輩も人の多い山が嫌いなので、そういう意味ではほんとに願ってもない山行でした。
もう種池山荘もそう遠くはないだろうと思う頃、登山道のわきにシラネアオイが咲いているのが見えました。
以前にも書きましたが、山行にあたってコースの下調べはある程度しますが、どんな花がどこに咲いているかということは、まったく調べません。山での出会いを楽しみたいからです。
今回もシラネアオイが咲いているということはまったく予想してなかったので、ほんとに嬉しかったです。だいたいが雪の多いところで見かけることが多いですが、以前行った双六方面ではまったく見ることが出来ませんでしたし、このコースもそれほど雪の多いコースではないからです。
登山道の山側に咲いていた1輪がまさに見頃で、しかも直ぐ傍で咲いているので、撮影には絶好のチャンスです。
道の反対側、つまり谷側にも群生で咲いています。
後ろ側から見るだけですが、こちらも見頃のようでした。
ところが、かなり前を行くYさんに後から「シラネアオイに気付いた?」と尋ねると、彼女は山ばかりを見てて気付かなかったそうです(^_^;
しかしこれだけ大きい花で色も目立ってるんですけどね(^_^;
イワカガミも群生で咲いていて、まだ新緑の面影を残した木々の色の中に濃い目のピンクが映えます。
このルートは山の南面だからか、雪はほんとに少なくて、種池山荘に行くまでに雪が残っている箇所はたった二箇所で、それもトラバースする距離はずいぶん短いのです。
雪が融けたばかりの草つきにはショウジョウバカマが咲きあがっていました。
山に来ると、実に良く見かける花ですが、雪が融けると逸早く咲く花なので、たいていは花後の姿を見ることが多いのです。
これまた雪の近くで見ることの多い、ノウゴウイチゴの花が咲いています。
北アルプスでは毎年見かけるので、すっかりお馴染みの花になりました。
事前に種池山荘に電話した折に、山荘の人が注意すべき場所として挙げていた「ガラ場」にやってきました。
ガレ場のことでしょうか。
ここにもノウゴウイチゴが咲いています。たいていこういう場所で咲いていますね。
雪渓を10mちょっとトラバースしますが、雪をカットしてくれてあるので、全然、問題なく歩けます。
これも今年は西赤石に登らなかったので見そびれていた花です。
カラマツソウの仲間もかなり咲いていましたが、ピンボケ画像になりました(^_^;
あの雪渓を大昔に登っているのですが,時期は8月の10日ごろと思いますがアイゼンもつけず大きなキスリングを背負って登っているのですから、今から考えるとちょと信じ難いです。
Yさんは別のパーティーでやはりこの雪渓を登り烏帽子のほうに歩いたそうですが、雪渓を登ったことははっきりと憶えているとか・・・。
私は当時4年だったこともあって、荷物も軽いし、山歩きにはかなり慣れていたので、記憶が残ってないのでしょう。何しろ不帰ノ嶮を通過した記憶さえ曖昧になってるのです(^_^;
撮影したときはクロクモソウかな?と思ったのですが、クロクモソウもいつも花の前に見るので、葉っぱだけからそう思ったようです。
帰宅してから調べるとユキノシタ科には違いありませんでしたが、アラシグサのほうでした。
アラシグサの開花したところはたぶん初めての出会いですね。
うっかりしてしまって、全体像を撮るのを忘れてしまいました。
シラネアオイを見てからまだどれだけも歩かないうちに、今度はサンカヨウの花が咲いていました。
しかも、サンカヨウの下にはキヌガサソウまで1輪咲いています。
サンカヨウも毎年のように見ていますが、清楚で綺麗な花ですね。
去年の朝日岳からの下りではサンカヨウの青い実を1粒だけ口に入れましたが、爽やかな味がしたのを憶えています。
この花もここ数年、毎年のように出会っています。
先ほどからようやくミツバオウレンの開花株も見かけていましたが、ここではまとまって咲いていて、なかなか良い雰囲気でした。
Yさんは私がキヌガサソウなどを撮影しているまに、かなり進んでいて、小屋の前で待ってくれているようです。
小屋までのこの最後の登りが少しきつかったです。
左手に見える岩小屋沢岳が、もうあまり変わらない高さで見えています。
小屋の直ぐ南側の斜面はお花畑になっていて、コバイケイソウが早くも咲き始めています。
そして、爺ヶ岳南峰が先ほど下から見たのと変わらない端正な姿で聳えています。
登り始めから5時間弱で、ほぼ予想通りの到着となりました。
今回は山小屋の方に知らせしてあった時刻にほぼ到着してほっとしました。
何しろ、ここ数年、初日の登りが大幅に予想時間を上回ることが多かったもので、雨にもそう降られることなく予定通りに到着できたのは、上出来と言っていいでしょうね。
花が終わっていたので、そのときは名前がわかりませんでしたが、帰宅して調べたところ、コイチヨウランのようでした。
毎年楽しみにしているkeitannさんの日本アルプス登山。
登山口から泊まりの山荘まで一気読みしたよん。
花たちのかわいらしさに目を奪われつつも、ガレ場と雪渓でちょっと緊張し、
種池山荘を下から見あげた画像に、つい、着いた~!!!って声を上げそうに(笑)
keitannさんが山にお出かけの時は、
ちょうど梅雨前線が大暴れしてた頃だったから、
お天気どーかな?って思ってました。
そんなに降られなくて、静かないい山行だったんだ。よかった~
投稿: rubys paw | 2010-07-21 17:27
keitann様 こんにちは
歩き始めて雨に会い、蒸し暑い中を行進し、高度が上がったころで、合羽を脱げて、涼しく歩けて何よりですね。
3記事ほどを読んで、この記事まで上がって来ましたが、道々に素晴らしい花が出てきますね。
特に今回の記事ではシラネアオイに出遭えて良かったですね。
もしかしたらシラネアオイの南限あたりになるのでしょうか。
槍や穂高それに笠や焼岳でもシラネアオイが咲くとは聞いたことがありませんね。
時季的に丁度良いときだったのかもしれませんね。
続きも楽しみにしておきます。
投稿: ぶちょうほう | 2010-07-21 17:46
こんばんわ
登って行くに連れ逢いたい高山植物に出逢うなんて素敵ですよねぇ。
{七日に大日岳に登った}と立山の友達が高山植物の写真を送ってくれました。だいたい貴女が出逢った花と同じようでしたよ。
キヌガサソウを見てなんて優雅に咲いているのだろうと思ったり・・・
なにか虜になりそうですね。(笑)
シラネアオイは私も弥陀ヶ原で逢う事ができ嬉しかったぁー。
山の旅っていっぱい小さな喜びがありますよね。
投稿: まるかみ | 2010-07-21 20:19
keitannさん、こんばんは!
最近、よく見ていますよ~
今回のアルプス、鹿島槍へ行ったの?私の登りたい山です!
B社の鹿島槍を行こうと思いましたが・・・6万5千円ほど掛かるので、
断念、keitannさんは高松~車を運転して・・凄いなぁ~(疲れは?若い?)
UP楽しみながら、しっかり見させて頂きました、良く判ります!
四国の花散策、また、よろしくお願いしますね~
投稿: え~ちゃん | 2010-07-21 22:46
pawさん、こんばんは。
花たちは毎年、似たような花を見ているわけですが、毎年見ていてもやっぱり
可愛いのはなぜだろう?(^_^;
このコースは特に危険なところもなく、今まで歩いた中では、いちばん歩き易い
コースだと思います。雪渓も小屋の方が雪を切り出して、歩くには何の支障も
ありませんでした。
山の上はそうでもなかったですが、下界はずいぶん雨が降ったようで、いろいろな
方が心配してくださったようです。
でも、何しろ山のてっぺんですから上から落ちてくるという心配だけはありませんものね。
意外と雨雲の上を歩いてたんでしょうかね~(^_^;
投稿: keitann | 2010-07-21 22:49
ぶちょうほう様、こんばんは。
去年の白馬~雪倉~朝日が、素晴らしく花の多いコースだったので、今回は
それに比べると花は少なめだと思いましたが、登るに連れてどんどん見頃の花が
満載で、予想外でした。
数は少なめですが、種類は多いと思います。
最初は双六方面と同じ植生だなと思っていたのですが、シラネアオイがところどころで
咲いていて、これがいちばん驚きました。
槍穂や双六方面では見かけませんでしたから、これは調べてみると面白そうですね。
稜線に出たら、また違う花が咲いていましたので、この先も楽しみになさってくださいね。
投稿: keitann | 2010-07-21 22:55
まるかみさん、こんばんは。
大日岳でも同じ花が咲いていたんですね。
私が数十年前に登った大日岳は8月10日ごろに登ってますので、また違う花が
咲いていたと思います。
大日も静かで良い山ですよね。
キヌガサソウは大きくて見栄えのいい花ですが、意外とあちこちで咲いていますよ。
といっても花の時期が早いので、私も昔は見たことがありませんでした。
弥陀ヶ原にもシラネアオイが咲くんですね。
私が行ったのは8月ばかりなので、シラネアオイは見てないです。
やはり、時期をずらして行くのが楽しいですね。
投稿: keitann | 2010-07-21 22:59
え~ちゃん、こんばんは。
富士山行き、お天気も良くて良かったですね。
B社からも鹿島槍行きのツアーが出てるんですか?
それで、そんなに費用がかかるんですね。びっくりです。
私は高速は通勤割りや深夜割、1000円乗り放題を利用したので
交通費はあまりかかりませんでした(1人だったけど?)
何より、自由が利くのがいちばんですね。
今回の山行は帰宅してからも筋肉痛もなく、それほど疲れたという感じが
ありませんでした。去年がハードだったからかも知れません。
鹿島槍は柏原新道から登ると楽に登れますから、個人で充分いけますよ。
え~ちゃんなら、私のコースタイムの3分の2で行けますよ。
四国の花散策、またよろしくお願いしますね。
投稿: keitann | 2010-07-21 23:06
こんちは~
keitannさんに刺激されて? 八方尾根へ日帰りしてきました。
五竜、鹿島槍も非常によく見えました。
今年は残雪が非常に多いようなので、お盆休みにも相当の花が期待できそうですね。
投稿: 加納 | 2010-07-21 23:26
加納さん、こんにちは。
八方尾根に日帰りできる距離に住んでらっしゃるということで、すごく
羨ましいですよ。
私など行き帰りにほぼ1日ずつ要します(^_^;
今回は展望は今ひとつだったので、次回はもっと天候の安定した頃に登ろうかな
などと、思えてきました。
やはりアルプスでは展望がいちばんの楽しみですね。
今、加納さんのブログのほうを拝見してきましたが、八方でもいろいろな花が
手軽に楽しめるようですね。
私ももっと時間があったら、八方か上高地に寄り道したかったのですが、今回も
のんびり出来なくて、ほんと残念でした。
投稿: keitann | 2010-07-22 13:44