秋の中国路を走る、その5、ナガミノツルキケマン
吾妻山の山すそまで下りてきて、今度は山里の野草を見てみました。
辺りの稲田では、丁度稲刈りの真っ最中です。
田んぼの畦で草刈をされた畦には赤いゲンノショウコやブルーのツユクサなどがそれは魅力的に咲いていましたが、農作業の邪魔になるといけないので、撮影は遠慮します。
その代わり、休耕田の辺りを見てみると、草刈されてない場所があって、そこには秋の野草がしっとりと咲き乱れていました。
クロバナヒキオコシの後方で咲いているのは、8月末に九重の近くで見かけたナガミノツルキケマンです。春に咲くキケマンの仲間は何種類かあるので、慎重に見なければいけませんが、9月も末になって咲いているのは、ナガミノツルキケマンしかありませんから、同定は楽です。
少し離れたところでも見かけましたが、ここではナガミノ・・・という名の由来である、長い果実がしっかりとついていました。
ミゾソバの群生の手前でこちらも群生しているナガミノツルキケマンです。
花芽もかなりありましたから、この調子だと10月上旬まで花が見られそうでした。
群生といえば、この画像はただの草むらのように見えますが、これ、ほとんどすべてがクロバナヒキオコシの株なのです。
まさに雑草並と言っても良いぐらいの生え方でした。
ノコンギクとミゾソバの咲き乱れている場所は、まるで秋のお花畑と言って良いぐらい・・・。
いたるところに秋の花、花、花・・・・。
春のお花畑は何度も見ていますが、秋のお花畑もこれほど華やかなものだとは、初めて知りました。
山すそに点在する民家は趣き深い、昔ながらの作りの家がほとんどで、見ていてとても落ち着きます。
黄色く稲穂が垂れた田んぼと中国地方独特の赤屋根の家々、そしてなだらかな山。
中国山地に来るたびに目にする光景です。
築300年以上は経つという、堂々とした作りの茅葺屋根でした。
その後432号に出た後、奥出雲まで行き、その昔、たたら製鉄で栄えたという当時の面影を知ることが出来る絲原(いとはら)記念館を訪れることにしました。
道中で見かけたオミナエシです。
絲原記念館のことは、20年ほど前に見た雑誌で知り、いつかは訪れてみたいと思っていた場所です。
5年の歳月をかけて普請されたという堂々たる邸宅と広大なお庭は、さすがに松江藩の鉄師として繁栄を極めたということが頷けました。
2年前の桜の花咲く春の中国路も素敵でしたが、秋の花が咲き乱れ、山懐に抱かれるように建つ民家も素晴らしく、秋の中国山地の山麓はこれからも毎年ドライブに来て見たい場所の1つになりました。
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