秋の中国路を走る、その2、クロバナヒキオコシとヒゴタイ
クロバナヒキオコシは去年の秋に近くのHCで買い求めた株を育てていて、庭でも花が咲き始めていたので、一目でそれとわかりましたが、そうでなくとも、こんな黒い花で、草姿は四国でも見かけるヒキオコシとそっくりなので、野草好きなら、直ぐにわかります。
私より2週間早く中国地方の山を訪れていた山友達のTさんからも、クロバナヒキオコシは驚くほど群生していたと聞いていたので、どこで出会えるかと楽しみにしていましたが、こんなに早く出会えようとは思いませんでした。
淡いグリーンの葉色と小さな黒い花がマッチして、とてもシックな花です。
草丈は大きいものでは私の背丈ぐらいのもありました。
後方にツリフネソウが見えていますがどちらも湿っぽい場所を好むようです。
それにしても、こんなに大きく育っているとは、中国地方の山間部では夏の間も雨が時折降っていたのでしょうか。
ヒキオコシの仲間はヤマハッカ属ですから、やはりキツネ顔をしているのです。
クロバナとはつきますが、日当たりで見ると、ほんとは濃い紫色なんですね。
日本海側の山地に生える野草で、この付近では田んぼの畦のあちこちで、ごく普通に生えていました。
吾妻山への道は、要所要所に標識が出ていて、迷うことはありません。
なおも、山すそ沿いについている道を走っていると、視界に黄色い花が飛び込んできました。
あれはオミナエシに違いないと思い、車をUターンさせます。
滅多に車も通らない道なので、Uターンも楽です。道幅もところどころ広くなっているので、車を停めるにも支障はありませんでした。
この場所は田んぼから道路への斜面ですが、その斜面一帯にオミナエシが咲いています。
自生のものか、保護されたものかはわかりません。
オミナエシに気をとれらていて最初は気付かなかったのですが、ふと見ると、目の前にヒゴタイが咲いています。
阿蘇でヒゴタイを見た後、しばらくヒゴタイについて調べたのですが、広島など中国地方にも自生していたそうです。
そのことが頭にあったので、ここでヒゴタイが咲いているのも納得できました。
阿蘇では朝まだ早くの姿しか見てなかったのですが、このときは明るい日差しの下で見ることができ、思いがけないところで、そういう機会もあるものですね。
バックの黄色は、稲田の黄色なんですよ。
良く見ると、オミナエシと同じ斜面に咲いているヒゴタイもあって、阿蘇で見た光景を髣髴させました。
後で調べたところ、この付近は庄原の比和地方というようですが、ヒゴタイの自生は今でも残っているようです。
そして、自生地のヒゴタイの種を採取し、地域で育てているそうですから、私が見た田んぼの斜面に生えていたオミナエシやヒゴタイもそうして育てた花なのでしょうか。
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