初めてのアルプス単独行、その20、道が沢状態に
静岡の人にさよならを言って、一人で下り始めますが、はるか下のほうを2人組の方が下っているだけで、後は誰も見えません。風が結構きつくて雨具のフードが直ぐに飛ばされそうになるので、ゴムをしっかり引っ張って歩きます。
晴れてたらさぞかし絶景なんでしょうね。
少し下ってくると、辺りはハクサンイチゲとシナノキンバイのお花畑で、これも天気よければな~と、つい愚痴が出ます。
東を見ると険しい稜線が・・・。大喰岳から西に伸びる尾根でしょうか。
この頃には、風が吹き付ける左腕は雨具を着てても濡れ始めました。
右上を見ると前日歩いた千丈沢乗越から槍にいたる稜線が見えます。
この3日間の歩きを通して初めてミネズオウの花が出てきました。
槍平からでしょうか。速いですね。
標高2700ぐらいまで下ったら、風がだいぶん弱くなってほっとしました。
寒くはないですが、濡れ始めたので体温を奪われないようにしなければ・・・。
キバナノコマノツメも咲いてて、付近にはオオバキスミレの葉も見られました。
8時35分、千丈沢乗越への分岐を通過します。
救急箱の中には非常食や水のほかヘッドライトや電池まで入ってるのですね。
何かあったときはさぞ心強いだろうと思いました。
靴のソールが剥がれたとき用のテープもあって、秋田駒で同行した先輩がやっぱりソールが剥がれて、細引きで縛ってその後歩きとおしたのを見ている私には他人事には思えません。
前日の昼ごろからずっと降っているので、登山道が水の流れ道になってしまったのです。こういうことは四国の東赤石でも良く見かけます。
ハリブキはそれまでも見ていたのですが、ここで初めて撮影します。もう、下りですから撮影の機会が限られるからです。
そろそろ森林限界の下になるようです。
標高2500m付近で、登ってくるパーティー1組が休憩されているのにお会いしました。
男性1人と女性2人の中高年のパーティーです。
その方たちは槍平小屋から来られたそうですが、「この下の道が沢状態になっていること、そして滝谷出合の渡渉が無理かも知れないこと」などをアドバイスされました。
槍平への下りは何の問題もないと能天気に思っていたのですが、ここまでの下りでも道がちょっとした沢状態になっていたのを考えると、その可能性もありそうです。
迂闊でした・・・。
しかし、ここまで下ったら、槍平まで下るしかありません。予報では昼前には雨は止み、曇りになると言ってましたし・・・。
この後、9時過ぎにお腹が空いたので、私も休憩を取ることにしました。槍ヶ岳山荘でいただいたお弁当を食べたのですが、お弁当はおこわで、さすがに冷めたおこわは硬くて、ちょっと食べにくかったです。それにしても、今回の歩きでの最大の失敗はいつも持っている折り畳みの傘を車に忘れてきたことでした。
傘はちょっとぐらいの雨なら差して歩けば濡れようも違うし、休憩のときも便利です。
後ほど車のところまで下ったら、車の後部座席の棚に置いたままでした。天気の良いときでも、必ず持ち歩くほどなのに、こういうこともありますね。
休憩後に歩き始めると、すれ違ったパーティーの方が仰ってたように、標高2400m辺りの道は水がかなり流れていて、ここで靴の中まで水が滲みこんでしまいました。
間違ってルートを外して沢に入り込んでしまったかと、ちょっと心配になったほどです。(^_^;
keitannさんのペースなんでしょうが、読んでる私にすると、
写真はそこそこにして、早く早くって感じですね(^^;
投稿: 加納 | 2011-08-09 22:30
加納さん、こんばんは。
下山のコースタイムは6時間ほどの予定で、槍平から新穂高までは林道歩きと聞いていました。
それが途中の沢で渡渉できないことになり、一時はどうしたものか?と考え込みました。
あのときの雨は新潟や会津のほうで豪雨だったのですね。山の上のこととて、梅雨明けしたはずなのに、なんで丸一日以上も降り続くの?という感じでした。
でも、槍ヶ岳周辺では豪雨というほどではなく、普通の雨だったので、まだ幸いでした。
沢のほとりにテントを張っていた人もいたぐらいでしたから、危機感はそれほどなかったです。
昔の大井川の「越すに越されぬ大井川」という心境でしたよ。
投稿: keitann | 2011-08-09 23:03