初めてのアルプス単独行、その19、山ガールたち、そして出発
槍ヶ岳に登って山荘に帰ってきたら、雨のため、折角着替えた衣類がまた濡れてました。そこで再び着替えて、濡れた雨具やウエアなどを乾燥室に干します。
出かける前には同室の女性たちは談話室にでも行ったか見かけなかったのが、今度は2人ともいました。双六小屋の同室の方は私より年長の貫禄ある方が多かったのが、ここ槍ヶ岳山荘では私より若い人ばかりで、これまた楽しかったのです。
長野から来られたという同室になった山ガールの方です。ウエアが同系色で統一されて、とても素敵でした。まるでモデルさんみたいにすらりとした可愛い人で、最近の山はこんな若くて綺麗な人が単独で歩いてるんですね。食事も小屋の食事は頼まず、すべてガスコンロなどで自分で作ってるそうです。翌朝は上高地に下ると仰ってました。
こちらは静岡の方で、とても若く見えたので、20代の方かと思ったら、40代で、高校のお子さんがいらっしゃるとか・・。
山が大好きで、翌日はキレットから北穂方面に向かわれると仰ってました。
この方とは山登りを始めたきっかけや山に対する思い等、ずいぶんいろいろなお話をしました。
山に単独で来られる女性は、どの人もポリシーみたいなものがあって、お話するととても楽しくて、それだけでも来た甲斐があったと思えたほど。
夕食前には談話室で少しの間過ごしたのですが、そこでも富山の方たちと楽しい話が弾みました。槍ヶ岳山荘の談話室は床暖房になっていて暖かく、しかも、どういうわけか、ここだけ携帯の電波がばっちりなのです。談話室に入ったとたん、それまでどうしても取り寄せられなかったメールが一気に入ってきました。慌てて、無事の到着などを後輩や山友達にメールしました。
夕食時も同じテーブルになった東京のご夫婦や広島のご夫婦、京都の男性二人と会話が弾み、私たちのテーブルだけ食べ終わった後もしばらく話していたほどでした。
単独だとかえって、周囲の人たちと話が弾むものなんだな~と、これも初めての体験でした。
この夜の就寝は7時半でした。雨と風は夜の間もやむことがなくて、まるで2年前の白馬山荘の夜と一緒でした。あのときは出発と同時に奇跡的に晴れたのですが、今回はどうかな?目が覚める度に、そんなことが頭をかすめます。
最終日、28日の朝は4時過ぎに目覚めました。横の、静岡の人も長野の山ガールも目覚めているようですが、雨の気配なので誰も起き上がりません(^_^;
でも、トイレに行くときに周囲を見ると、すでに雨具を着込み、出発しようとしている人も多いのです。こんな雨風の中、下るんですね。
5時前になって、ようやく自炊室に行き朝食を食べます。フリーズドライの雑炊、クラッカー、コーヒーなど、しっかり食べます。
お弁当は前日のうちに、いただいてあります。
いつでも出られるようにパッキングは済ませましたが、まだ雨がやまないので、しばらく様子見します。談話室で、京都の男性にお会いしたので、下山路の様子などをお聞きしました。
一眼のカメラは出せそうもないので、ビニールで二重にくるみ、防水のコンデジだけス軍出せるようにします。
長野の山ガールの方も静岡の方も同じく様子見しますが、結局、7時過ぎに私も含めて3人とも出発しました。あまり待っていても下山が遅くなってしまうからです。
7時15分、いったん外に出たものの、雨に怯んで、また小屋の中に入りました。そうしたら韓国の登山者に道とコースタイムを尋ねられて、しばらく手間取りました。
道標には新穂高まで14.4kmとあります。
下り始めて直ぐにミヤマオダマキを一輪見かけたので、コンデジで撮影しようとしましたが、風で揺られて、結局撮影は無理でした。
下っていると石の間に「標高3000m」という表示がありました。どうやらこのルートは標高を100mごとに表示してあるみたいです。
この後、静岡の方が私の後ろを下ってこられるのに、気づき、少しの間、一緒に下りました。
でも、直ぐに分岐があって、ここで静岡の方とお別れしました。
彼女は南岳~キレット~北穂へ向かうとのことですが、この風雨です。予備日がもう一日あると話していたのでキレット歩きは翌日にしたのかもしれません。
やめたほうがいいのでは?と言ったのですが、とうとう行ってしまいました。
彼女の姿はガスで直ぐに見えなくなってしまいました。
そして、私はと言えば、ここから槍平方面へと一人で下るのです。
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