初めてのアルプス単独行、その21、槍平での決断
やがて、標高2300m地点も過ぎて、樹林帯の中の下りとなりました。
この辺りの植生は鏡平付近と似ています。キヌガサソウが樹林の下に出てきました。このキヌガサソウって、木の株元の木陰になるような場所に咲いてることが多いですね。直射日光が嫌いなんでしょうね。
図体の大きい花ですが木陰でひっそりと咲く様子は華やかというイメージからほど遠い花です。
サンカヨウはここでも完全に実になってて、とうとう白い花を今年は見ることができませんでした。
かといって、黒く色づいた実もありませんでした。実は朝日岳のふもとでは食べたことがあるのですけどね。
山頂から標高2500ぐらいまでは結構どんどん下りましたが、この辺りになると緩やかなものです。
クルマユリも咲いてます。このユリ、適応力があるようで、標高の高い稜線にも咲けばこんな樹林帯の中でも咲いています。
やがて、飛騨沢らしき流れが見えてきて、その向こうに千丈乗越から伸びる中崎尾根が見えてきました。
サンリンソウです。
これは北岳の標高2000mちょっとで見ています。
雨も小降りになったようなので、ザックから一眼カメラを出して撮影です。
雨のため、黄色いしべがくっついてしまって、良い状態ではないけど、5年ぶりdk6年ぶりで見たので、嬉しくなりました。
普段は沢とも言えないような小さな流れなんでしょうが、この日はちょっとした渡渉でした。
飛騨沢の流れがまとまってきたので、槍平も近そうだな~と思っていたら・・・
雨のため、停滞しているようで、まだ張ったままのテンとも数張り見えます。
この後、再びここに来ることになろうとは・・・。
中で休憩可とあるので、一休みさせてただくことにしました。
ところが、ここで槍平の小屋の方に滝谷出合の渡渉は無理かもしれないと聞きました。
先ほどすれ違ったパーティーの方が仰っていたのが的中です。
小屋の方の話では小屋から20分のところに南沢という沢があって、そこの渡渉が無理なら、滝谷も無理とのことです。
とりあえず、暖かいものをということで、私がラーメンを注文していると、後から前日お会いした富山からの3人も下ってこられました。そうこうするうちに、南沢の様子を見に行ってこられた京都の方が偵察から帰ってこられたのですが、南沢の渡渉は急流で無理とのことです。
ラーメンを食べながら、さてどうしたものかと考えます。もう一泊できなくはないけど、翌日の天気もぱっとしない中、もう一泊するのはどうも気が進みません。やっぱり、今日中に帰りたいかな、などと話していると、小屋の方が「どうしても今日中に帰りたい方はエスケープルートがあります。」と言うのです。
それは槍平から西の奥丸山に登り、わさび平へと下るルートだそうです。
確かに私の地図にはルートが記載されています。ただし、コースタイムは余分に2時間かかり、槍平からは5時間半の歩きとか・・・。それなら、なんとか明るいうちに新穂高に着きそうです。エスケープルートを下ることに決めました。
keitann様 こんにちは
ネットをしばらく休んでいて失礼しました。
今回の槍ヶ岳のシリーズを読み終えて、最後の記事はたくさんの訪問と書き込みがありましたので、こちらの方にコメントを寄せさせていただきます。
まずは今回の山行が、スリル満点であったことに驚かせられました。
途中では、今回一人で出かけて来たことについて若干は反省みたいなものも感じたりしませんでしたか。
(小生はいつも単独行ですのでそれがないのですが)
でもこういう雨のときのエスケープルートに奥丸山が使えるとは思っていませんでした。
そうするとkeitann様は普通なら歩かないような場所をまた一つレパートリーにされたことになりますね。
何はともあれ、予定通りの期日に帰着できて良かったですね。
投稿: ぶちょうほう | 2011-08-18 15:46
ぶちょうほう様、こんばんは。
私のほうもお盆はのんびりする予定でしたのに、遠方の親類に不幸があって駆けつけたり、姪っ子がやってきたりで、俄かにばたばたしてしまいました。
今回の北アルプスの一人歩きですが、特に反省することはありませんでした。むしろ自分の山歩きの可能性が広がったような気すら覚えました。
より、自分の歩きたい歩きができますね。
エスケープルートに奥丸山を登ると聞き、最初はとまどいましたが、尾根筋の道なので安全と、直ぐに思いました。
槍ヶ岳についで、2000m以上のピークを一つ踏めたのも収穫ですね。植生もなんとなくわかりましたし・・。
かなりのペースで歩いたので、思ったより早く下山でき、精神的にも余裕ができてよかったです。
投稿: keitann | 2011-08-18 23:13