012年、残雪の北アルプス、その9、稜線へ
ノウゴウイチゴがこんな具合に岩の間でも顔を覗かせています。
大好きな花なので、見るたびに撮影してしまいます。
この場所では今まで気づいたことがなかったのですが、今年は雪が多かったせいでしょうか、普段見たことがないような場所でも花を見ました。
バックは槍ヶ岳の西斜面です。ほんとはもっと屈みこんで、下のほうから撮影すると、良いアングルになるのですが、疲れてきているのと荷物が重いのとで、横着して上のほからさつえいしています。
この辺りが撮影重視になりきれない中途半端な者の弱みですね。
オオバキスミレも標高の高い場所で咲いているのは、雰囲気までもが違うような気がして、またまた撮影してしまいます。
花の前に前垂れのような大きな葉っぱが、まるで幼稚園児の前垂れのように見えて、実にユーモラスです。
ハクサンイチゲとともに、高山のお花畑を代表するシナノキンバイの大きな黄色い花がいよいよ出てきました。
撮影に熱中している間に、ふと槍のほうを見てみたら、いつの間にかガスに巻かれて、槍の穂先の辺りだけが見えていて幻想的な眺めです。
この姿が、この日眺めた槍の最後の姿でした。
去年はそういえば、双六まではずっとこんな感じの眺めでした。
ミヤマキンポウゲの黄色い花が揺れる向こうに、稜線がもう見えています。
毎回、この辺で見るものの、天気が悪くて開いてないイワアカバナが今回は綺麗に咲いています。
小さいけれど、目を惹く花ですよね。
今年は花がいつもに増して素晴らしいです。
タカネグンナイフウロも気の早いのが一輪だけ咲いていてくれました。
望遠レンズに交換すればもっと綺麗に撮影できるのすが、疲れてきているので、標準レンズのまま撮影しました。
Yさんはすでに遥か先を歩いているので、あまり待たせては申し訳ないですしね。
これは確かエゾシオガマのはずですが、時期が早いので、まだ咲いていません。
去年はこの辺りはエゾシオガマがたくさん咲いていて、上を見上げればニッコウキスゲやコバイケイソウが群生で咲いていたのを思い出します。
数年前に来たときに比べると、この雪渓もかなり小さいです。
空に雲が多くなってきていますね。
去年は確かここでかなり長い間休憩したのでした。
大学時代の夏山合宿で、一番初めに名前を覚えたのがこのハクサンイチゲでした。
この場所はいつもちょっとしたお花畑になっていて、ハクサンイチゲ、シナノキンバイ、ハクサンチドリなどが色とりどりに咲いています。
ハクサンチドリも今年はずいぶん多いようでした。
Yさんはここで待っていてくれました。
ハイマツも出てきて、ここからは森林限界ですね。
そしてこんな高い場所でもちゃんとアブがいますね。
いつもこの場所で見かけるニッコウキスゲが今年も咲いていましたが、やはり望遠レンズに交換するのが面倒くさくて、こんなしょぼい画像です。
稜線に出て間もなくすると、最初に鷲羽が見える場所に差し掛かります。
鷲羽の向かって左の肩には水晶が黒々とした姿を見せています。黒岳と呼ばれるのも納得ですね。
手前には気持ちよさそうなハイマツの緑のじゅうたんが広がっています。
稜線までの登りではアオノツガザクラを見かけえましたが、稜線沿いの道ではツガザクラが咲いています。
今年は四国の西赤石では見そびれたので、嬉しい出会いでした。
keitann様 ノウゴウイチゴは小生も大好きな花です。
花と草のバランスが絶妙ですね。
そして実も甘い香りがしておいしいですね。欲を言えば酸味がもう少し欲しいのですが、それ以外には欠点が見当たりません。
ハクサンチドリも清冽な美しさがありますし、コケモモも可憐な花ですね。
また、風景の画でも、ガスのかかった背後の稜線も素敵な画です。
そのほかに鷲羽と水晶の画も懐かしさのこみ上げるものがあります。
投稿: ぶちょうほう | 2012-07-30 13:33
ぶちょうほう様、こんばんは。
ノウゴウイチゴは私としては北アルプスでしか見られない花なので、毎年、楽しみにしている花です。
普通のイチゴの花を小型にしたようなと言えばそれまでですが、高山で見るその姿は何か惹きつけられるものがあります。
いつもこの時期にしか歩かないので、実のほうは見たことがないのですが、実も市販のイチゴを小型にしたような感じでしょうか。
一度ぐらい、9月上旬にでも来れば、実が食べられるのでしょうか?
ハクサンチドリは今年はずいぶん多かったですよ。
今年の豪雪と何か関係あるような気がします。
水晶はこの辺りから眺めるのがいちばんよく見えるのではないかと思いました。
双六小屋からだと、鷲羽の陰になって、少ししか見えないのですよね。
投稿: keitann | 2012-07-30 23:11