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2012-07-31

012年、残雪の北アルプス、その10、クロユリ

アップダウンはほぼなくなったとはいえ、午後からの暑さで、さすがにYさんも歩くペースが落ちてきたようです。

写真を撮る私とそう変わらない速さで歩いているのは、私を待っていてくれたわけでもなかったようです。

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この雪渓では以前は子連れのライチョウが見られたのですが、最近は見なくなりました。

画像に撮り忘れたのですが、この後すぐに花見平に着いたので、10分ほど休憩を入れます。

去年は花見平と言う名の通り、お花畑が広がっていましたが、今年はまだほとんど花が咲いていませんでした。槍方面の展望もなくなったのですが、不思議と北や西の方角は良く見えています。

P7195367ウラジロナナカマドのトンネルを潜り抜けます。

そろそろクロユリ平かな?

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先ほどからちらほら見かけていたヨツバシオガマですが、綺麗な個体があったので、ここで撮影します。

白馬ではミヤマシオガマも見かけたのですが、この辺りはヨツバシオガマが多いです。

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6月に東赤石でいっぱい見かけたネバリノギランもこの付近で咲いています。

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ハイマツの向こうに半分ガスで隠れた鷲羽と黒々とした色をしている水晶の姿の格好が何とも良いですね。

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初めて見た年には、何という花だったかわからなかったコガネイチゴ・・・。

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クロユリ平は花見平より手前にあるような気がしていたのですが、実際は花見平より双六側にあったんですね。

何度も歩いているコースなのに、なぜか道順を直ぐに忘れてしまいます。(^_^;

5年前にはそれこそありがたみが薄れるほど咲いていたクロユリでしたが、だんだんまばらになってきています。

それでも、クロユリ平には50株ほどのクロユリが見られるでしょうか。

後方は双六岳南峰の稜線のようです。

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庭で育てているバイモと同じように網笠模様があり、クロユリがフリチラリアの仲間なのだということが良くわかります。

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あまり花の写真は撮らないYさんにっとってもクロユリは特別な存在なのか、ザックを下ろして撮影していました。

標高2600mはある場所なのですが、稜線もこの日は暑くて、このクロユリ平だけは西の谷から冷たい風が吹きあがってきて、何とも気持ち良いです。

ここまで来たら双六小屋までは、後ちょっと。

頑張って最後の歩きにかかります。

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登山道沿いにこんな白い小さなナデシコ科の花が見えました。

ノミノフスマかな?

この手の花はいつも名前が直ぐには出てきません。

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ピンクのハクサンフウロが一輪だけ咲き始めています。

ハクサンフウロもどちらかというと盛夏の花ですか羅、この時期はごくごく咲き始めです。

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そしてこんなところにもクロユリが咲いています。

珍しく、上を向いて咲いているクロユリでした。

P7195395双六が真正面に見える場所に差し掛かりました。

まるで今から登り始めるみたいに見えますが、私たちが目指しているのは双六小屋です。

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この雪渓はまずまず大きかったですが、午後に入って気温が高めなので、雪は完全に腐っていて、危険はありません。

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そろそろ小屋に向かってっ最後の下りを下っていると、キヌガサソウの群落が見えました。

このコースではキヌガサソウは嫌というほど見られます。

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ミネザクラも少し咲き残っていました。

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鷲羽を背景にして双六小屋が見えてきました。

何度見ても美しい光景です。

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Yさんの姿も入れてみました。

槍方面や笠方面はあまり見えなくとも、不思議と鷲羽だけは良く見えているということが多いです。

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小屋までの最後の歩きでは、雪が残っていることも多いのですが、今年はつい最近解けたばかりのようでした。

雪解け直後に咲くショウジョウバカマが綺麗に咲いています。

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後ろを振り返っても、やはり笠ヶ岳だけは見えません。

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去年登った樅沢岳方面が見えてきました。

去年もこのぐらい見えていれば、どんなにか素晴らしかったでしょうに・・・。

P7195412
15時ぐらいには着くだろうと思っていた双六小屋でしたが、なんとお花の撮影ばかりしていて、15時50分の到着でした。

去年の単独での歩きよりも時間がかかったのは、花が多かったこと、展望があって、展望の画像も撮ったこと、それに何より、気温が高くて、暑さばてしたためでしょうね。

コメント

keitannさん、こんばんは。

鏡池に映る槍穂連峰、双六小屋の背景に鷲羽岳・水晶岳と
正にハイライトショットですね。
そう、この時期に登ればサンカヨウ・クロユリ等が見られるのですね。
何時も少し遅めの夏か晩夏に歩くので気が付きませんでした^^)

此方は日曜に大山ユートピアの花園でしたが登山者の多さにビックリ
でも、花達はそろそろピークを迎え見事でした。

k2さん、こんばんは。

このコースは4回も歩いているんですが、何と言っても花の種類が多いこと、この時期は残雪が残っていて、山の表情が素晴らしいことなど、画像を撮るには良いコースです。
この季節でも上高地や室堂、白馬などは人が多いと思いますが、双六界隈より奥は歩く人もまばらで、何と言っても静か山旅ができるのがいちばんです。
7月末にはクルマユリやニッコウキスゲ、コバイケイソウなどカラフルで大型の花が多いのですが、雪解け直後の季節はサンカヨウやクロユリが多いですよ。
クロユリは白馬ですらあまり見てないですが、私の歩いたコースはクロユリが多かったです。
大山のユートピア・・・・花が素晴らしいそうですが、まだ行ったことがないです。この前の日曜は人が多かったそうですね。
花盛りの頃に一度は行きたいと思いますが、来年の課題ですね。

keitannさん 今晩は
双六小屋に向かう時に見える鷲羽の姿は素晴らしいですね
小池新道は二回歩いてますが、8下と秋の時期なので、お花畑は記憶にないです

クロユリ、ハクサンコザクラは白山には群生している場所がありますよ

シジュウさん、こんばんは。

双六方面からの鷲羽の姿はほんとに素晴らしいの一言です。
何とか天気の良い時にあの山頂に立ってみたいと、痛切に思いました。
北アルプスは8月後半になると、すでに初秋の装いになりますね。
私も昔は8月10日~20日の間に歩いていたのですが、その頃にはキヌガサソウやサンカヨウは見た記憶がありませんでした。それとやはり雪の残った山々は緑一色の山と違って綺麗ですね。
それが見たくて、毎年、梅雨明けの終わるか終らない微妙な時期に登ってます。
白山も花の多い山だとか・・・。そのうちに一度は登らないと・・・ですね。

keitann様 こんにちは
今頃ショウジョウバカマとはビックリしますね。
鷲羽の姿は本当に素敵過ぎます。双六小屋は良いロケーションにありますね。
こうして見ると、登山は矢張り山の眺めが一番のご褒美・ご馳走ですね。

雪あり、ウラジロナナカマドのトンネルあり、クロユリも相当数ありますね。
この地の魅力を再認識しました。

ところでナデシコ科の白い花はまさかセンジュガンピではないでしょうね。
背丈も低いし、垂直分布でも上部過ぎますね。

ぶちょうほう様、こんばんは。

ショウジョウバカマはここに至るまでにも見ていたのですが、たまたま望遠レンズをつけてなくて撮影しなかっただけでした。
ショウジョウバカマは雪解け後一番に咲く花ではないでしょうか。サンカヨウもそうですが、雪渓が溶けた後の場所ではショウジョウバカマの姿をよく目にしますね。

鷲羽の姿をこうして眺め始めてから5年が経ちました。
なのに、今年も悪天候で山頂には行こうと思えば行けたのですが、雨とガスの中なので、無意味と思い、登るのをやめました。
登らずに下りてきて、後かっらこうして画像を見て、登りたい気持ちがふつふつと沸いてきています。
この辺りの山は北アルプスでも奥深い場所にあることもあって、魅力的ですね。
まさに、初日だけでも素晴らしい眺めを得られてほんとに良かったです。
クロユリは双六近辺はほんとに多いですね。
センジュガンピはまだ見たことがないのですが、検索して見たら草丈がかなり高いようなので、私が見た花とは異なるようです。
ノミノフスマにしてはずいぶん標高の高い場所に咲いていると思いましたが、早池峰でも見かけたので、有り得るかも?と思い直したのです。タガソデソウ?とも思いましたが、雰囲気が違うようですね(タガソデソウはまだ
見たことがないのですが)

keitann様 そのナデシコ科の花はクモイミミナグサで如何でしょうか。
武田久吉先生の「原色日本高山植物図鑑」に記載されているナデシコ科の花の中ではこれが一番近そうです。

ただし、昭和34年初版の本で、その記述中では生育場所は高山岩礫地で、認知産地は白馬山彙と劍岳となっていますので、地理的に心配でもあります。

ぶちょうほう様、こんばんは。

クモイミミナグサ…検索して見ましたが、間違いなさそうです。
私もナデシコ科で片っ端から調べようと思ったのですが、行きつきませんでした。(^_^;
いがりさんのサイトで分布は「アルプス北部」となっていますが、ほんとにその点だけが疑問が残りますね。
このコースは今まで4度も歩いているのに、これを見たのは今年が初めてでした。
これっを撮影したころは相当草臥れてきて、画像を一枚しかってないのが残念です。
でも、葉っぱもクモイミミナグサと同じ葉っぱをしています。

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