新穂高~槍~上高地、その8、南沢を通過
滝谷出合以後は山道も少し傾斜がきつくなりますが、それでも四国の東赤石などと比べるとなんとも緩やかなものです。まぁ、荷物が重いので、そのぐらいの傾斜でちょうど良いのですね。
登山道の足元にミヤマダイモンジソウが1株だけ咲いていました。
双六小屋に行く途中で、いつも見かける場所がありますが、今回の山旅ではミヤマダイモンジソウを見たのはこの場所だけでした。
カミコウチテンナンショウが横向きで咲いているのも見えました。
ほんとは回り込んで正面から撮影すれば良いのですが、そのあたりを踏み荒らしそうだし、思いザックを背負ったまま回り込んで屈みこんでの撮影は疲れるので、横向きのまま撮影して済ませます。
このテンナンショウも毎年のように鏡平の下のほうで見ています。
地味で小さなキヌタソウもこの辺でついでに撮影です。
先ほどから何度も見ているのですが、地味な花はついつい後回しに。。。(^_^;
進行方向左手に中崎尾根が見えています。
見えているのはたぶん奥丸山でしょうね。2年前に南沢が渡渉不能だったため、槍平からあの山を越えて下山したという山です。しょぼい山ですがそれでも標高2500m近くあります。槍穂高の絶好の展望台らしいです(私は雨の中登ったので、展望はゼロでしたが)
登山道のちょっと下を飛騨沢が流れていて、ここから先は飛騨沢に沿って登って行きます。
これはクロウスゴだったかな?
花も実も中途半端な状態なので、すぐにはわかりませんでした。
岩のごろごろした、ちょっと歩き難い道ですが、ちゃんと整備された道です。
ナナカマドがここで初めて出てきました。
花も咲いています。いよいよ高山の雰囲気になってきましたね。
ダケカンバの木も出てきました。
この辺りは冬場の積雪量がすごいので、雪の重みで幹が傾いでいます。
色白のハクサンシャクナゲも咲いています。
花の時期にぴったりでした。
見上げれば、ツリバナの花が・・・・・
樹林の向こう側で鮮やかな色が見えるのはムラサキヤシオの咲き残りのようです。
この頃はまだYさんの姿が視界に入っていました。
が・・・・次々と花が現われて・・・・
キヌガサソウが出てきたので、撮影しないわけには参りません。
Yさんはキヌガサソウにも気づかないようで、すたすたと歩いていきます(^_^;
おまけに、70歳ぐらいの単独男性の方が上から下ってこられたので、通り過ぎるまで待ちます。この時間にこの場所と言うことは槍から下ってこられたのかな?年齢から考えるとすごいです。
このルートは後で調べて分かったのですが、クマもいるようですし・・・・。
キヌガサソウは数株咲いていましたが、標高がまだ低いため、どの花も終盤で赤味がかった花色でした。
それでもこの花を見ると、北アルプスに来たな~と実感します。
ヒロハユキザサもここまで登ってくると綺麗な個体があります。
進行方向右手の穂高方面はガスが下りてきて、稜線はもう見えません。残念・・・。
11時59分、南沢までやってきました。
2年前はこの沢が渡れず、奥丸山経由で下ったわけですが・・・・。
雨が降ってないこの日はなんていうことのない小さな沢です。
この日の南沢の流れはこんな感じでした。
石伝いにほんの数歩で渡ることができます。これが2年前には渡れなかったんですね。
小屋に着いてから小屋番さんと2年前に南沢を渡れず奥丸山経由でわさび平に下ったことをお話したところ、この日からつい10日ほど前の7月7日にもこの南沢で30歳の単独男性が流されて亡くなったのだと聞き、びっくりしました。
若い男性が流されるような沢にはとても見えないでしょう?
南沢渡渉時に見上げた穂高方面の山肌です。
大雨の時には、標高差1000mはあろうかという、あの急斜面の沢を流れ落ちた雨水が急流となってここを流れ落ちるわけです。私も奥丸山下山の時にふくらはぎまでの流れを渡りましたが、ダブルストックを持っていても、流されないようにするのが精いっぱいでした。膝を超すと、到底渡れません。
ここを渡った時には、つい10日前に人が亡くなったとはつゆ知らず歩いたのですが、それでも2年前に渡れなかっただけに複雑な思いで渡ったのでした。
小屋番さんの話では、亡くなられた単独男性は、槍平の小屋に立ち寄ることもしなかったそうで、もし立ち寄っておられて奥丸山方面のエスケープルートを辿られていたら、無事に帰り着かれただろうと思い、胸が痛みました。
南沢を渡り終えた右岸には、この山行を通じてここでだけ見たというミソガワソウが咲いていました。
南沢から槍平の小屋までは10分ぐらいと聞いていましたので、もうすぐ小屋でしょうね。
登山道沿いではクルマバツクバネソウが何輪もさいていて嬉しくなりました。これは四国ではなかなかお目にかかれないのです。
これはタカネグンナイフウロの花芽かな?
撮影ばかりしているので、またまたYさんが見えなくなりました。
Yさんはきっともう小屋についているに違いありません、
こちらはクロトウヒレンの花芽?
1年ぶりに見る花は懐かしい・・・。
クルマユリも残念ながらまだ花芽の姿でした。
これ等の花は7月末からが見頃ですね。
時折青空が覗きますが、天気は午後からはぱっとしないようですね。
道沿いにはツマトリソウまで咲いていて、いよいよ高山の雰囲気満点です。
これは珍しく、1株に2輪も咲いている株です。でも、アルプスで見かけるツマトリソウは褄を取ってない色白の花ばかり・・・・。
ほんの1~2輪、アカモノも咲いていて、赤石縦走時に撮影できなかった悔しさをここで晴らしました(^_^;
赤い実が見えたのはツルリンドウによく似ていますが、亜高山で見かけるのはテングノコヅチが多いそうです。何年か前に柏原新道でも見かけています。絶滅危惧種のようです。
ゴゼンタチバナ、マイヅルソウ、ツマトリソウとくればイワカガミもそろそろ出番ですよね。
葉っぱだけは見ていましたが、ここで初めて花が出てきました。
そして、コミヤマカタバミもやっと撮影です。
先ほども見かけたのですが、花が開いてなかったのでした。
小屋はもうすぐと思われます。
keitann様 こんにちは
それにしても大きな荷物を背負っていますね。寝袋も持参されたのですか?
前のほうの記事で読んだことに拠ると、たしか炊事道具も持参していましたね。
こんなものを背負って写真の近接撮影は立ったりしゃがんだりで、相当な重労働になりますね。
同行のお友達のように、そういうことに無頓着で居られたらどれだけ楽な事か・・・・
でも、写真へのこだわりを捨てるわけには行きませんね。
今回も沢山の草花が出て来ましたね。未だツボミだったクロユリは小屋からさきで、果たして花を開いて来ているのか楽しみになって来ました。
未だ小屋についていませんが、このシリーズは先が長くなりそうですね。
南沢でそんな事故があったのですか、お気の毒でした。
投稿: ぶちょうほう | 2013-07-27 14:55
ぶちょうほう様、こんばんは。
今年こそは荷物の軽量化を本気で考えようとして、私はそれでも去年より
1キロほどは軽くなったと思います。
ガスコンロやコッフェルを減らしたいため、テルモスを持参しましたが、
結局、後輩が背負ってきたようです(^_^;
カメラのバッテリーの予備、携帯の予備の電池、着替え、防水コンデジ、それに行動食
などなど。
槍ヶ岳山荘で一緒になった女性は8キロ以上は担げないと仰って、実にコンパクトな
ザックでした。それでも着替えなどは1組は入れているそうです。
私たちは昔は30キロ担いだこともあったりで、やはり重いザックに対する抵抗感が
普通の人より弱いかもしれません。
写真さえこれほど撮らなければ、少々荷物が重くても楽なんだろうと思います。
でも、写真はやはり撮りたいですね。
2年前は槍からの下りが、ほとんど撮影できなかったことを考えると、撮影できなければ
意味がないと言っても過言ではないですね。
初日は行動時間が短かったので、時間の余裕もあって、特に撮影枚数が多くなったかもしれません。
お花畑風なところは少なかったですが、意外とたくさんの花を見ています。
投稿: keitann | 2013-07-27 22:11