新穂高~槍~上高地、その22、上高地へ下山そして東京へ
横尾山荘に着いたら、先ほどの槍沢ロッジよりも人が少し増えているような気がしました。
それでも、ベンチの空き場所もあるし、平日金曜日の下りと言うことで、何とか喧噪は避けられました。
ベンチに座って前穂をまずは眺めます。
かかっている橋は本谷橋で、穂高方面に登る人はこの橋を渡るんですね。
槍沢ロッジを過ぎた頃から、どうも足が痛くなってきたので、中に履きこんだ五本指のソックスを脱ぐことにしました。たぶん山歩きも3日目ともなると、足がむくんできたのだろうと思います。
ついでに、休憩中は靴も靴下もすべて脱いで、足を休ませることにします。
撮影しそびれましたが、横尾山荘は上高地から槍ヶ岳への丁度中間地点にあって、上高地まで11キロ、槍ヶ岳まで11キロです。ということは槍ヶ岳~上高地間って22キロもあるということですね。こんなに長丁場の歩きは学生時代以来かも?
膝のほうは鴻の江ベルトが功を奏したか、全然痛くなりませんでした。横尾からの歩きはほぼ平坦な道なので、これから先も大丈夫っぽいです。今回一番心配していた膝の痛みが、まったくでなかったのはありがたいことでした。
穂高を眺めながら、横尾山荘の入口直ぐ前のベンチに座って、大曲で食べたアルファ米の残りを食べることにしました。行動食も毎年、たくさんあまるので、少しでも減らしておこうと食べることにしたのですが、Yさんは横尾山荘で何か食べることにしますと言って、中に入って行きました。
周囲には仲のよさそうな家族連れが槍ヶ岳を目指すのでしょうか、かなり大きなザックを背負って、50代ぐらいのご夫婦と二十歳前後の娘さん二人と息子さんが楽しそうにお喋りしています。二十歳ぐらいになっても、こうして家族で山登りを楽しむなんてずいぶん仲の良い親子ですね。
それにしても、ファミリー登山まで見かけるようになって、ここ数年で山登りがブームになってきてるのでしょうか?5年ぐらい前まではアルプスも中高年登山者が主流だったのが、山ガールブームとかなんとか言ってる間に、しっかり定着したようです。
Yさんがなかなか出てこないので、小屋の中に入ったら彼女はカレーを食べていました。「ここからまだ先が長いから、そろそろ出る?」と催促します。彼女は歩くのは超早いのですが、お風呂に入ったりご飯食べたりという日常の動作がゆっくりなのです。(^_^;
そんな次第で横尾山荘を出発したのは12時25分です。ここで35分も休憩していたことになります。さて、これからは本気で歩かなければ・・・・。
横尾キャンプ場を過ぎたあたりで振り返ると、屏風岩の向こうにべったりと雪がくっついた場所が見えます。これはどうやら涸沢だったようです。ずいぶんの雪ですね。
ここ数年内には涸沢にも行ってみたいという気持ちが強くなっています。
道路は完全に林道のような道になってきて、法面にクルマユリやヤグルマソウなどが咲いています。しかし、先を急ぐので撮影は歩きながらの流し撮りです。
先ほどまでより、かなりペースを上げます。幸い、五本指のソックスを脱いだおかげで足は痛くなくなりました。
横尾を過ぎると、道路法面でツバメオモトをずいぶん見かけるようになりました。
しかし、花は一つも咲いてなくて、花芽なのか実なのか、こんな姿を見るだけです。
帰宅してから調べたら、どうやらこれは実のようで、ツバメオモトは花期がずいぶん早く、私の行く時期にはなかなか花が見られません。去年、早池峰に登ったのは6月だったので、早池峰では見ています。
前穂を時々横目で見ながら歩きます。
後ろのほうに別の山も見えてきました。
この辺りになると、梓川の川幅がずいぶん広いです。
因みに、横尾から下流になると梓川と言う名前になるとか・・・・。
後ろに見えているのは明神岳?
足元に小さな花が・・・。
アカバナのようですが、ゆっくり画像を撮る時間がなくなっています。
センジュガンピもこのルートでは良く見かけました。
こちらは毎年のように見ているコキンレイカですね。
でも、花が咲いているのは7月中旬では珍しいのですよ。
梓川の向こうに前穂が見えています。このルートで見えるのはほとんどが前穂なんですね。
新村橋を13時8分に通過します。
この橋を渡ると、パノラマコースに行けるようで、ちょうど1組のご夫婦が橋を渡ろうとするところでした。
この辺りで、後からザックのまま走って追い越していく、奇妙な集団を見かけます。後で、尋ねたら大町高校の山岳部とのことでした。信濃大町と言えば、北アルプスのふもとの町。山岳部もずいぶん盛況なんでしょう。それにしても、あの思い登山靴で、ザックを背負ったまま走るなんて若さですね。
ここで、こんな花を見かけました。
これはマルバイチヤクソウですね。四国でも見ているのですが、撮影できたのは初めてです。
徳沢には13時20分の到着で、コースタイムより15分早い歩きとなりました。
本気で歩けば、こんなものでしょうか(^_^;
徳沢まで来ると、観光地と言うか、本格的な山登りの格好をした人はかなり少なくなって、ハイカーが多くなるようです。
徳沢で休憩中にこの山行二度目のオニノヤガラ発見でした。
徳沢出発は13時30分です。
道はこんな道で、平坦な道も良いところです。
私は山登りで、こんな平坦な道を何キロも歩いたのは初めてかも・・・・。
心配していた暑さは木陰の道なので、ほとんど杞憂に終わりました。
梓川河畔に出ると、穂高連峰が見事です。
上流方面を振り返ると、どこかの稜線が見えているのですが、あれはどこなんでしょう?
一方、道路法面にはバイカウツギが咲いていました。
四国では今年は見そびれたバイカウツギをここで見られようとは・・・・。
香りもついでに確かめます。
樹林の林床では、やたらと大きいカラマツソウが咲いていました。
草丈1.5mはあります。
マンセンカラマツと言うのだそうです。
この頃になると明神岳が目立ってきました。
奥に見えるのが前穂?
明神には14時19分着です。コースタイムで60分のところを49分で歩きました。
明神館で、バスの時刻をもう一度見てみました。そうしたら15時30分初の平湯行がありました。
16時発の平湯行に乗れば新穂高行きのバスに間に合うのですが、一本早くすれば、新穂高行きのバスも一つ早いのに乗れるかも?ということで、それからすぐに歩き始めました。
明神出発は14時31分です。ここから上高地までのコースタイムはちょうど1時間ですから、今までぐらいのペースで歩けば、15時半には何とか着きそうです。
足は急いでいるのですが、撮影も欠かせません。
前を歩くYさんのペースが今までよりも一段と速くなりました。
私も必死で後を追うのですが、彼女との間は最終的には300mぐらい空きました。(^_^;
たぶん、先に到着して、私の分の切符も買ってくれるつもりなんでしょう。
辺りに別荘風の建物が見えてきて、上高地も近そうです。
15時14分、有名な河童橋までやってきました。
絵葉書通りの景色ですが、すでに穂高山頂には雲がかかっていました。
河童橋のところでYさんが待っていてくれたのですが、私が15時半のバスに間に合うかどうかわからなかったので、切符は買ってないとのこと。
ダメもとで、とりあえず、バスターミナルを目指します。
バスターミナルには15時20分の到着でした。
平湯行のバスはすでに待っていて、20人ほどの人が並んでいます。
Yさんに急いで、切符を買ってくれるよう頼み、私はいちばん後ろに並びました。やれやれ、何とか15時半のバスに間に合いました。
最後もコースタイムより10分以上早い歩きとなりました。
この日の前半はゆっくりペースでしたが、横尾からの歩きはコースタイム190分のところを155分で歩き、私たちとしてはかなりのペースでした。到着時も足の痛みもなく、特に疲れもなかったのは、横尾で、ゆっくりと靴を脱いで休憩したのが良かったのかも知れません。
というか、普段がいかにスローペースで歩いているかということでしょうね。
バスではちゃんと座ることもでき、平湯には15時55分に着きました。
が、新穂高行きのバスはひとつ前のには間に合わず、結局、当初の予定通り、16時35分発の新穂高行きに乗ることになりました。時間が40分もあるので、この間ソフトクリームなど食べながら、ゆっくりとバスを待ちます。バス乗り場にも韓国人旅行者やアメリカ人など、外国からの旅行者が多く、ちょっとびっくりでした。
この日は横尾でも300mlのジュース、明神では300mlのカフェオレ、それにアイスキャンディーにソフトクリーム、私としてはこれほど冷たい飲み物や食べ物を食べたのは何十年ぶり?という感じです。下りとはいえ、体がそれだけの水分を欲していたのですから、これが登りなら怖いですね。登りの日は寒いぐらいの天候になったことを考えると、今回の山旅はほんとに天候に恵まれました。バスを待っている間にベンチから一瞬乗鞍山頂も見えたのですが、撮影しそびれました。
17時過ぎにはバスは予定通り新穂高の無料駐車場近くに着きました。
二日前の早朝に歩いた道を、駐車場まで歩いていると、今年もやっぱり花芽しか見ることのできなかったタマアジサイが見えました。
ヤマアジサイも2日前と同じように良い色で咲いています。
まだ時刻は夕方5時過ぎですから早朝より撮影条件は良いですね。
例年だと、双六小屋からここまでかなりの距離を歩いてきた後なので、疲れているのですが、今回はバスでゆっくりと休んだので疲れもありません。
やはり2日前の早朝にも撮影したキバナノヤマオダマキです。
2日前には暗すぎて撮影をあきらめたコケイランも帰りには撮影できました。
帰りは、いつもの温泉でゆっくりと3日分の汗を流し、いつもと違うのは、四国に向けてではなく、東京に向けて車を走らせたのでした。
多摩に住んでいる末っ子の様子を見に立ち寄るつもりでした。同行のYさんの自宅は末っ子の10頃からわっりと近い昭島なので、先に彼女を送って行きました。東京までの道のりは四国までの道のりよりはるかに短く、途中で夕食を食べたりしながらでも、夜10時半にはYさんを自宅まで送ることができたのでした。そして、Yさん宅から末っ子のアパートまではわずか20分の道のりでした。例年、山登りよりも帰りの運転が疲れるのですが、東京までだと楽ですね。
この日は3時に起き手から、末っ子のところで12時半に眠るまで、実に長い1日でしたが、おかげでほぼ疲れもせず1日を終えることが出来たのでした。
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