« 初秋の高知花散策、その3、ホドイモ | メイン | 初秋の高知花散策、その5、シラヤマギクほか »

2013-09-01

初秋の高知花散策、その4、シノノメソウ

シノノメソウがその場所に咲くらしいというのは、実は数年前に気づいていました。

というのも、別の花を見るために訪れたときに、その場所でアケボノソウに良く似た葉を見ていたからです。アケボノソウと良く似ているけど、アケボノソウよりも幅の少し広い葉です。アケボノソウとよく似ているとなれば、シノノメソウかもしれないということで、帰宅してすぐに撮影してきた葉をネット検索したシノノメソウの葉と比べてみたところ、やはり間違いなさそうです。後は開花時期がいつなのか?ということです。

その後、私は山登りに忙しく、8月9月と言えば、野草散策よりも山登り中心で動いていますから、その場所に行く機会もなかったのですが、同行の山友達の方はシノノメソウの花も見て来られたようです。今年も当初は寒風山に登りたかったのですが、体調が万全ではない山友達に合わせて、今回は野草散策に切り替えました。ならば、この時期に咲くらしいシノノメソウも一度ぐらいは見ておこうというつもりでした。

P8291803

 

これがそのシノノメソウの全体の姿です。

この株で草丈は20センチぐらいでしょうか。

 咲いているかどうかちょっと緊張しながら、その場所に着いて探したところ、思ったより多くの株数がありました。ところが、以前来たときもそうでしたが、茎が途中で刈りはらわれた株が多いのです。

P8291808時期的にちょっと遅かったのか、綺麗に開いた花が少なかったのですが、この花が中ではいちばんぱっちりと咲いていたようです。

今夏は高知方面も雨が少なかったようで、背景にも茶色の枯れた葉が多く、この場所も雨は少なかったのだろうと伺えます。良く似ているのがアケボノソウですが、アケボノソウもちょっと湿ったような半日陰の場所を好みますが、シノノメソウもやはり同じような環境を好むようです。

Pa075770↑は去年撮影したアケボノソウです。

アケボノソウのほうは四国ではいくらでも見られる野草ですが、こちらは花冠裂片の先のほうに黑っぽい斑点、そして緑の丸い模様がありますが、シノノメソウの斑点は紫色ですね。それにアケボノソウのほうが花冠裂片が細長いです。

花はアケボノソウより少し小さめで、撮影もそれだけにちょっとてこずります。

何より違うと思ったのは、アケボノソウは花柄があって、その先に花が咲きますが、シノノメソウは葉腋や頭頂部に固まって咲くことでしょうね。

草丈もアケボノソウは1mを超すものも多いですが、シノノメソウは高くとも50㎝ぐらいだということです。

P8291816
花や草丈はアケボノソウより小さいですが、葉は大きいです。

花のすぐ近くに大きな葉が見えるのが特徴的でした。

私の持っている「レッドデータプランツ」という図鑑を見てみると、全国でもシノノメソウが分布しているのは静岡、愛媛、高知、熊本、大分、宮崎だけということです。絶滅危惧ⅠB類(EN)です。

分布地から察すると、南方系の植物のようですが、私が見てきた場所も標高はまずまずありますから、寒さに弱いというわけでもなさそうです。

P8291806花をトリミングしてみました。

肉眼ではわからなかったのですが、花冠裂片の基部近くに毛のようなものが見えていて、ここが蜜腺になっているということです。

P8291817_2この花にはアリが来ているのが見えました。アケボノソウでは緑の丸い模様のところが蜜腺になっていて、ここに良くアリが蜜を舐めに来ていますが、シノノメソウも同じような場所に蜜腺があるんですね。蜜腺の近くに毛があるのはイヌセンブリと同じだと思いました。

P8291820この株の上のほうを見ると、このように草刈で茎がすぱっと切られています。もし、草刈に遭ってなかったら、もっとあれこれ見られたのにとちょっと残念でした。

P8291823自生地の環境はこんな具合です。

周囲は木々に覆われていて、夏は精々、木漏れ日が当たるぐらいでしょうが、春先は日が射すことでしょう。

P8291828↑は周囲で見られたシノノメソウの子株です。

「レッドデータプランツ」には一年草、または越年草とありましたが、この場所を見る限り、二年草のように見受けられます。

P9012197最後に↑は私が数年前から育てているアケボノソウの子株です。

数年前に林道わきの株から種を少しもらってきて育てているものです。

アケボノソウは二年草で、一年目の株は↑のシノノメソウの一年目の子株と良く似ています。アケボノソウを育てていたおかげで、シノノメソウも葉を見ただけで、シノノメソウとわかったのだと思います。庭で育てて植物の育つ様子を観察するのはいろいろな意味で、興味深いですね。

種などを採取するのも、貴重な種類はもちろんだめですが、アケボノソウぐらいなら雑草として草刈されるぐらいですから、少しぐらいは許されるかと思います。

シノノメソウの名前は何年も前から知っていて、図鑑を見るたびに画像を眺めていましたが、5年越し以上でようやく実物を見られたのでした。

 

 

 

 

コメント

keitann様 こんにちは
シノノメソウという名前は大変久しぶりに聞きました。
図鑑上でしか見たことがなくて、実物の花を見たことはまだありません。
こちらで初めて個人的に撮ったものを拝見した次第です。
大まかな草姿はアケボノソウと共通部分が沢山あるようですね。
しかし、ご説明では、それよりも小さくて、ぽっちゃりしているようですね。

草刈に遭い、寸を詰められてしまったのは残念ですが、いつかまた完全な姿を見たいものです。
御記述に拠れば、愛知県でも自生するようですので、心して県内の山を歩いて見たいと思います。

ぶちょうほう様、こんばんは。

シノノメソウは図鑑を開くとアケボノソウなどと並んで記載がありますね。
私も、長年使い込んだ「山に咲く花」という山渓ハンディ図鑑で見ていました。
この図鑑は10年以上使い込んで、とうとう装丁がだめになってぼろぼろになって
今はもう見ることもないです。
シノノメソウは東雲草という名も美しく、長年、憧れていた花ですが、やっと
会えました。
同じセンブリ属の花の中でもアケボノソウとの共通点が多いと思います。
アケボノソウは草姿も大きく、秋に林道や山間部の車道を走っていると簡単に
見られますが、シノノメソウは自生地そのものがもともと少ないのでしょうね。

自生地は本州では静岡に限られるようですが、静岡は愛知のお隣なので、ぜひ、
足を運ばれて探されてみてくださいね。

コメントを投稿

フォトアルバム
Powered by Six Apart

私のもうひとつのブログです。よろしく