行き当たりばったりの王子ヶ岳、その2、山頂の廃墟
最初は階段状になった道を登って行くと、やがて西にトラバースするような感じになってきました。
10分足らず歩いたところで、男の方が一人下ってこられたので、お尋ねすると「後3分の2ぐらいですかね」という返事。
そして、海のほうを見ると、まだ100mも登ったかどうかというところですが、対岸の香川の山々が見えてきました。
飯野山と大麻山は岡山側から見てもずいぶんはっきりとわかります。
逆に、岡山側の山は低くて特徴がないので、今日も瀬戸内沿いをドライブしたのですが、どこがどの山やら?という感じですね。
以前、山陽道を九州へ向かっていたとき、福山周辺で渋滞に巻き込まれノロノロ運転を余儀なくされたのですが、そのときも福山から眺める善通寺の我拝師山などがとてもはっきりと見えて感動したことがありました。瀬戸内海は四国側と本州側との距離はたった10キロ少々ですから、標高500m前後の香川の山はほんとに良く目立つのです。
この時期お約束のサルトリイバラの赤い実も見えます。
小さな紅葉はハゼの幼木でしょうか?
笹が峰で見た小さなモモジが真っ赤に紅葉していたのを思い出しました。
センダンは双葉より芳しと言いますが、ハゼは双葉より紅し??
整然とつけられた階段状の道はいちばん苦手とするところ・・・・。
この日は山登りの格好ではなく、ヒートテックにカシミアセーター、それに普通のコートとバッグといういでたちで、早くも汗びっしょりです。
やがて、下から見えていた巨岩が直ぐ上に見えてきました。
おや、ここにも和製ブルーベリーのシャシャンボの実が実っています。
やはり海沿いの山に多いようですね。
道沿いのところどころで、ツツジの花芽を見ましたが、このときは植栽のツツジかも知れないと思っていました。帰宅して検索すると王子ヶ岳には自生のツツジがたくさん咲くようで、どうやら自生のものだったようです。
これも荘内半島で見たのと同じアキノキリンソウがまだ咲いていました。
12月も末ですから、咲いている花は貴重ですね。
年末と言うのに、まだ綺麗に紅葉したハゼ越しに眺める海・・・。
対岸の飯野山がますます良く見えるようになってきました。
たなびく煙は番の州の工場から流れる煙です。飯野山が、まるで瀬戸内海の海沿いに聳えているように見えます。実際は飯野山は海から少し入り込んだ場所にあるのですが・・・。
下からも見えた巨岩の工事現場が良く見えるようになりました。
こんな大きな岩が、下の車道に転げ落ちたら、考えても恐ろしいです。
そろそろ山頂も近そう・・・・。
西の方面が見えだしました。
眺める瀬戸大橋は夕景色っぽくなっています。12月は日暮れが早いので、午後3時過ぎると、夕方の気配がありますね。
ほぼ山頂っぽい場所に着いたようです。
道標があって、「桜園地レストハウス」と書いてあります。お茶でも飲めるのかしらん?
矢印の方角に歩いて見ます。
桜の木に絡まっているのはヘクソカズラの実です。
リースなどに使う人がいるみたいですが、果実は臭くないんでしょうか?
↑山道なのか遊歩道なのかよくわからなくなってきました。
石は天然の石としても、樹木が剪定されているのが、まるで庭のように見えます。
しばらく歩いたら、突如、4階建てぐらいの大きな建物が見えてきました。あれがレストハウス?
ところが近づいてみたら、ガラスは割れていてどうも人の気配がありません。新しい建物のように見えるのに、早くも廃墟になったんでしょうか?
お茶は飲めそうもないので、仕方なく引き返すと、向こうから歩いてくる二人連れの方に会いました。
建物のことをお尋ねすると「あれは資金が続かなくて完成する前に廃墟となったんです」とか。
瀬戸大橋が出来た頃、日本各地で大型レジャー施設が建てられた時期がありました。つまりバブルの時期ですが、そのバブルがはじけたために資金繰りが続かなかったんでしょう。
今はこんな馬鹿でかい施設の時代ではなく、こじんまりとして居心地の良い隠れ家みたいな宿がもてはやされる時代ですから、もし、完成していたとしても、いずれはこうなる運命だったかもしれません。
丸亀の飯野山など、逆に30年前には登る人もない山だったのに、今や一日に100人以上の人が登る人気の山です。
王子ヶ岳の廃墟はまるでバブルに踊らされた時代の象徴のように見えました。
keitannさん、こんばんは。
王子が岳って宇野と鷲羽山の中間辺りなのですね。
鷲羽山には以前、会社の提携ホテルが有って二度ばかり出掛けていますが全く知りませんでした。
低山ながら花崗岩の奇岩が目立ちますね。
山頂?には完成すれば豪華なリゾートホテルだったでしょうが時代を読み損なったのでしょうね。
投稿: k2 | 2014-01-12 23:15
k2さん、こんばんは。
そうなんです。王子ヶ岳というのは児島と宇野の中間点に位置する山です。
宇野と言えば、大学時代は上京や帰省するたびに宇高連絡船に乗り換えた
あの宇野駅のあるところです。当時は宇野で下りることなどまったくなくて、
宇野というところがどういう場所なのか、今に至るまであまり知りませんでした。
鷲羽山は、去年、主人とすぐ近くを歩いて児島から下津井まで歩いたので、今度は
逆方向に行ってみたかったというのもありました。
山頂のたぶんリゾートホテルを目指していた建物…あのころはこぞってああいう大型
リゾートホテルやテーマパークが出来ては潰れましたね。
倉敷にもチボリ公園などという施設がありましたが、あれもだめになりました。
今は多様化の時代ですから、大型施設を作って集客する時代ではないようですね。
投稿: keitann | 2014-01-12 23:33