讃岐七富士の江甫(つくも)山へ、その1、フラサバソウ
3月4日は、実家に用事があって、朝から西へと車を走らせました。
2月下旬からも何度か実家に行ったのですが、雨模様の日だったり、PM2.5が流れ込んだ日だったりと、ごく近くの山ですら見えないような有様でした。
それがこの日は鳥坂峠までやってくると、目の前に愛媛の山々が見えてきました。
2月にたくさん降った雪もさすがにこの前の陽気でかなり融けてしまったようですが、山肌には白いものも残っていました。
いつも思うのですが、鳥坂峠を越えると眺めががらりと変わります。
丸亀平野からと三豊平野からとでは見える山が全然違うのです。
高松からでも飯野山は見えますが、鳥坂峠を越すと飯野山は見えなくなります。
讃岐は狭い癖に、私の今住んでいる中讃と育った土地である西讃とでは大げさに言えば方言や風習もかなり違うような気がしますが、その原因はこんなところにあるのかも・・・。
自宅を出るときに、この日は天気もまずまずみたいなので、実家で用事が終わったらその足で江甫山へ、登ろうと思っていたのですが、この展望を見て「これは絶対に登ろう」と決意したのでした。
母とはちょっと早めのお昼に、実家近くの私が子供のころからあるうどん屋さんでうどんを食べて、実家まで送って行ったら、その足で観音寺に向かいました。
途中、おあつらえ向きの場所に新しいコンビニが出来ていました。
南西側の展望が綺麗に開けているので、お茶を調達したら、駐車場から撮影です。
↑法皇山系が見えていますね。赤星山や二ツ岳が肉眼でもしっかり確認できました。
↑鳥坂峠からも見えていた石鎚山系かと思われる山々。
つい10日ほど前まで真っ白だったはずですが、その頃は視界が悪かったですね。
次にコンビニ前の車道傍に行ってみたら、稲積山と江甫山が見えました。
↑画像向かって左の小さな山が江甫山です。
讃岐七富士で私がまだ登っていない最後の山です。標高は153m、低い山なのでいつでも登れると思い、最後になってしまいました。
稲積山は3~4年前の山仲間たちとの忘年会で志保山から縦走してきて、稲積山を下ってきたのでした。江甫山はその時、稲積山から眺めて初めて知った山だったのです。
↑江甫山だけをズームしてみます。
山の西斜面が削り取られていますね。今までも何度か見ているはずですが、あまり意識してみたことがなかったのか、削られていることに気付いたのはこれが初めてでした。
問題は登山口ですが、特に確認してこなかったのです。
取りあえず、山の近くまで行ったら何とかなるでしょう。
画像に見えている県道21号を海のほうへと走り、途中から室本港方面へと続く細い道に入りました。途中、お寺が見えて、何やら車をとめられそうな雰囲気でしたが、「ミニ八十八ヶ所」とあったので、山登りの車はまずいかなと思って、そのまま港方面へ。防波堤の近くに3~4人の漁師さんらしい方がおられたので、江甫山の登山口をお尋ねしました。そうしたら、こちら側には登山口はなくて、21号にもう一度出て西のほうに行くと良いからと教えられたのです。その方たちも地元の方ですが、江甫山に登ったことはなさそうでした。地元の方は案外、地元の山をご存知ないということが多いんですよね。(^_^;
そこで21号に再び戻り、西へと走ります。江甫山は小さな山で、直径500m程度のお椀型の山ですから、車で走っていると、すぐに山の西側から行き過ぎそうになり、ファミリープールという標識のところで慌てて右折したところ、お誂え向きに何かの施設が見えて広い駐車場までありました。
↑駐車場を歩き始めてすぐに撮影した江甫山です。
採石場が目の前に見えています。
歩き始めたときは、山の西側だとばかり思っていたのですが、地図で確かめると山の真南にあたるんですね。歩き始めは12時28分です。
この日は靴だけはウオーキングシューズとトレッキングシューズの中間ぐらいの靴ですが、服装はまったく普通の服装でカシミアセーターです。しかもナップサックも持ってなくて、仕方なく肩から掛ける大きめのバッグに交換レンズやら財布などの貴重品を入れますが、これが結構重いんですよね。やっぱり歩くときはリュックがいちばんですね。
これは下山後に撮影した画像ですが、↑の施設が観音寺のファミリープールらしいです。ですが、今は施設は閉鎖されているそうです。こんな眺めを見ながらてくてくと歩きます。山の周囲を歩けば、どこかに登山口らしきものがあるだろうという、場当たり的な考えで歩いています。(^_^;
道沿いの白梅が見ごろを迎えていますが、この日は午後から天気は下り坂という予報通り、すでに空は青くなくて、白梅の色が映えません。
歩き始めて3分後の12時31分、ラッキーにもこんな道標を見つけました。
道標には山城跡とありますが、これは山頂に行けるということでしょうね。
どうやら最初は↑のコンクリートの道を登って行くようです。
登山口にはこの時期の山すそのお決まりの花、オオイヌノフグリが咲いていました。
でも、すぐ近くを見ると、こんな花が・・・・・
↑そう、それはフラサバソウなのでした。
フラサバソウが登山口に群生しているなんて、さすがに海岸に近い山ですね。今まで山の記録を書いてきて、フラサバソウをアップしたことはなかったと思います。
フラサバソウは我が家の畑にも10年ほど前から突如現れた野草です。ゴマノハグサ科クワガタソウ属でオオイヌノフグリの仲間ですが、花はオオイヌノフグリよりもかなり小さいです。
ここではツーショットで咲いていました。
画像真ん中にフラサバソウが咲いていますが、大きさはオオイヌノフグリの花の5分の1ぐらいでしょうか。
マクロレンズを持ってないので、トリミングしてみました。
毛深い植物ですね。
香川の平野部では今ではごく普通に見られるほど増えています。
撮影を終えたら、再びコンクリートの道を登って行きます。
両側は訳の分からない草や木が蔓延っているという状態です。
そして、どれだけも歩かないうちに「二合目」という例の道標が見えました。
讃岐七富士にはこれが付き物みたいですね。
二合目を過ぎると笹がずいぶん密植して、藪の中が見えないほどです。
こんにちは。
もうそちらは春の様相ですね。
多摩は先日の大雪は融けたものの、風は冷たく気温も真冬並みです。
1枚目の遠景では、何か“雪形”が見えませんでしたか。
先日、keitannさんにもコメント頂きましたが、多摩で白馬が見られて感激したところでした。
投稿: 多摩NTの住人 | 2014-03-07 08:00
多摩NTの住人様、こんばんは。
野草だけ見ている分には、春の気配が濃厚ですが、昨日、今日はこちらも
かなり寒かったですよ。
この前見かけたシマヘビは震えてるんじゃないかと思っています(^_^;
トップ画像の雪の残った山…きょうも同じ道を通りましたが、空は晴れていた
ものの、今日は遠望が利きませんでした。
四国の山はもともと信州の山みたいに雪が降らないので、雪渓に残る雪形みたいな
話はあまり聞かないようです。
ただ、石鎚でも遅くまで雪が残る場所は決まっていますね。
それが何かの形をしていれば、山好きな人とか麓の人の話題になることでしょうね。
投稿: keitann | 2014-03-07 22:37
keitann様 こんにちは
江甫草と書いて「つくも」と読ませるなんてかなり強引ですね。
しかし、地図上には九十九崎もあるようですから、両方とも使っているようですね。
海に面したところは採石で削られているようですが、何が採れるのでしょうね。
ネットで調べると、讃岐石で、サヌカイトと呼ばれる安山岩質のようですから、植生も特異なものがあるかもしれませんね。
この讃岐石のサヌカイトという命名過程には、あのナウマン博士が関与しているようですね。
また、打楽器としての用途もあるようで、オマケに日本地質百選にも選定されているようで、なかなか隅に置けない存在のようです。
記事中で高さが153メートルと知りましたが、海方面の眺めなら良さそうですね。
投稿: ぶちょうほう | 2014-03-10 10:28
ぶちょうほう様、こんばんは。
江甫山なんて、ほんとに読めないですよね。
ですが、この山にあった山城の名は九十九城と書くらしいです。
そして、山麓には麹屋さんがあるのですが、ここで作られている麹は
津久茂麹という名前なんです。
私にとって一番馴染みがあったのは味噌作りの時などに使った津久茂麹
の漢字でした。
日本語はまったくややこしいと思います。
なお、山頂には「江甫草山」と書いてある表示も見受けました。
採石で、何という石が掘られていたかまで調べる余裕がなかったのですが
ぶちょうほう様に教えて頂き、ありがたいことです。
サヌカイとは五色台でも採れる石で、カンカン石とも言われていて讃岐では
馴染みのある石です。
山の北面は瀬戸内海から直ぐに隆起しているのを下山後確かめてきましたが
山頂付近からは樹林に邪魔されて、北側の海の眺めはあまり見えなかったようです。
投稿: keitann | 2014-03-10 22:37