ヒカゲツツジ&イシヅチザクラのお花見山行、その7、スミレ散策の道
丸滝小屋からの帰り道はいつも通り、トラバース道を辿ります。
この道は小さな花々が咲く道で、特に今の季節はスミレが期待できますね。例年より早い時期に訪れているうえ、花も例年より遅れているとのことなので、シコクミヤマスミレが見られるかもしれないという期待もあります。
足をトラバース道に踏み入れた途端、咲いていたのは、トウカイスミレでした。
トウカイスミレがこの場所で咲くのは、何度か見ていますが、去年は時期が遅すぎて花はもう終わっていました。
「神奈川県西部から四国の太平洋側のブナ林だけに分布する。従来ヒメミヤマスミレと混同されてきたが、近年、まったく別の種という説が有力になってきた」といがりさんの「日本のスミレ」に記されています。
花よりも葉に特徴があって、見分けらるような気がします。
↑因みにこちらは愛媛の別の山で撮影したヒメミヤマスミレと思われるスミレです。
この2種類、似ていると言えば似ていますね。
トラバース道からも石鎚が綺麗に見えていて、大阪から撮影旅行に来られたという2人組の男性は熱心に撮影されていました。前日は小田深山でキシツツジを撮影されていたそうです。
ショウジョウバカマは花の終わったのがほとんどでしたが、中にまだ何とか綺麗な花が咲き残っていました。
気持ちの良いブナ林の中を歩いていくトラバース道です。
行く手に見えるのは岩黒山でしょうね。
この道は山頂を通らずに筒上などに行けるので、体力のない人でも筒上のゴヨウツツジを楽しめます。
ゴヨウツツジの頃はすでに梅雨入りしていることも多く、帰りにこの道を使うと、雨に降られて雨具を着て歩いた記憶も何度かあります。
けれどもこの日は雨具の心配どころか、気持ちの良い青空が広がっています。
今度はシハイスミレが出てきました。
顔のふっくらしたシハイですね。
シハイスミレとフモトスミレのツーショットです。
花の大きさの違いがよくわかりますね。
斜面には鮮やかなピンクが見えてきましたが、アケボノのピンクとミツバツツジの紫色の強いピンクです。
両方が並んで咲いています。
色味の違いがよくわかります。
いつも来ている時期にはこの道沿いのアケボノは終わっています。
ピンクの筋の入ったコミヤマカタバミも出てきました。
花弁の基部が鮮やかなオレンジ色をしていて、目を惹きます。
ブナの芽吹きの真っ只中・・・・・。
誰にも会わない静かな道はほんとに快適そのものです。
花もですが、この道はブナの大木も多いのです。
眼下に白い花がちらっと見えるのはワサビでしょうね。
そした待望のスミレ・・・・シコクミヤマスミレがここにきてやっと咲いていました。
この花はやや淡い色合いをしています。
少し歩いたところで、紫色の花を咲かせたシコクミヤマスミレに会えました。
花の時期が早い様で、私が良くこの道を歩く5月末には咲き終わっていることが多く、この道ではいつも葉っぱだけを見ることが多かったのでした。
タチツボスミレは5月下旬でも一杯咲いていますが、シコクミヤマスミレに会うためにはやはり5月中旬がぎりぎりですね。
1998年に新しく発表されたスミレで、「日本のスミレ」にもまだ記載はありません。
従来はミヤマスミレとされていたそうです。
↑因みにこちらが早池峰山で二年前に見たミヤマスミレですが、四国ではミヤマスミレは私は見たことがないです。
ブナの立ち枯れした木を見上げると、ツルアジサイなどが絡まり、苔生して、北アルプスのわさび平を思い出しました、
オオカメノキがトラバース道でも咲いていました。
これはテツカエデ?
カエデの仲間はまだまだ見分けが難しいです。
この木はカエデとしてはずいぶん大きな木で、見上げると首が痛くなりそうなほどでした
苔生した岩の多い雰囲気の良い道ですが、歩くとなると岩がごろごろした歩きにくい道です。
Pさんが「この道歩くの嫌なんです」と(^_^;
誰も感じるのは同じことですが、小さな花を観察するには良い道です。
ナツトウダイもあちこちで見かけました。
コミヤマカタバミはちょっとした群生で咲いています。
スミレが出てきたら、いつの間にか私がトップを歩いていました(^_^;
後を歩くPさん・・・・。
この頃には岩ころごろの道もようやく終わったようですね。
あら、こんなところにもフデリンドウが咲いていました。
ここは標高1500mはあります。
フデリンドウは里山からちょっとした高山まで適応力がありますね。
岩黒山への登山道で今年は見かけなかったセントウソウをここにきて初めて見ました。
いつも来るのより時期が早かったので咲いてなかっただけなんですね。
倒木の横にはミツバテンナンショウが咲いています。
このテンナンショウは愛媛の山には多いですが、香川や徳島では見かけません。
ワチガイソウもちょっとした群落で咲いています。
タチネコノメ?ツルネコノメ?ここの画像からでは判断が難しいです。
14時14分、岩黒山頂への分岐まで帰ってきました。
土小屋までは後ちょっと・・・。
14時16分、土小屋まで下山してきました。
何とか瓶ヶ森に立ち寄る時間は確保できそうです。やれやれ・・・。
車まで戻ってきてほっとしたところで、向こうから見覚えのある姿の男性が歩いてきました。
あらまぁ、学生時代の同期の山仲間S君ではないですか。
笹倉湿原~筒上やご来光の滝、石鎚東稜など、一人では到底行けそうもないコースはすべてこのS君に今まで案内してもらったおかげで歩けています。最近香川の山仲間が増えたのと、石鎚山系のコースも単独でたいてい歩けるようになったため、ご一緒してなかったので、何年ぶりかしらん?
もしかしたら東京での3年前のOB会以来かも?
ともあれ、思わぬ時に山で会えるのが、山仲間同士の良いところですね。
この秋もOB会があるので、その話で15分ほど話が弾んでしまいました。
彼はこの日は南アルプスのトレーニングとかでやはり笹倉湿原~筒上~土小屋のコースを単独で歩いてきたところだったようです。Pさんが金山展望所まで送りましょうか?と言ってくれたのですが、自転車をデポしてあるとのことでその必要はなさそうでした。
土小屋を車で出発する前に撮影した瓶ヶ森です。
午後から土小屋に帰ってきて、こんなに綺麗にまだ見えてるなんて、結構珍しいですよね。
さて、これから、第二の目的地、瓶ヶ森を目指します。
いいですね。
まだまだスミレが楽しめますね。シハイスミレがまだ咲いていますか?
トウカイスミレにもまだ会えませんし、シコクミヤマに至っては羨望種です。
葉っぱに特徴がありますね。どちらかといえば、ヒナスミレに近い感じのよう
ですが…。
テツカエデは葉っぱがとても大きいです。画像はイタヤカエデのような感じも
しますが。
投稿: 翼 | 2014-06-02 12:32
翼さん、こんばんは。
今年の春は寒かったのでスミレもずいぶん遅れて咲いていたように思いましたが
ここにきて真夏日続きだったりで、季節も追いついてきたようです。
昨日登った山ではタチツボスミレとホソバ白スミレが咲いてました。
標高1500m以上では5月いっぱいは何かしらスミレが咲いていると思います。
そろそろ東赤石山ではキバナノコマノツメも咲き始めたようです。
トウカイスミレ…そちらでは珍しいのでしょうか?
こちらでも愛媛の石d地山系などに行かないと見られませんが、この日歩いた道は
毎年通っている道なので、時期を早く行けば、トウカイスミレやシコクミヤマスミレに
会えるのです。
そうですね、シコクミヤマはヒナスミレに似ていると言えば似ていますが、私はどちらも
見ているので、間違うことはないですね。
もう7年ほども前に初めて見たときは、ヒナスミレでもないし、かといってほかの名前も
思い浮かばず、花友達と散々悩んだスミレでもあります。
カエデの仲間はまだまだ勉強不足で、ようやくウリハダカエデ、アサノハカエデ、コハ
ウツワカエデぐらいがわかるように・・・。
たぶん、翼さんの仰るのが正解なのだと思います。
投稿: keitann | 2014-06-02 22:30