牛ノ背~天狗塚へ、その2、ツマトリソウ
まずまず急な尾根道を登っていると、やがて、なだらかな尾根へと変わってきて、辺りは気持ちの良い森になってきます。
周囲には針葉樹の立派な株が見えています。
私はどうも針葉樹の見分けが苦手で、なかなか同定が出来ません。
ウラジロモミとかコメツガとか、そんなところだろうと思うのですが、自信がないです。
空中湿度が高いのか、雲早山の木々もそうでしたがここも木の幹は苔生しています。
林床のササはここもシカに食べられたらしく、ほとんど枯れています。
Tさんの足が止まりました。
辺りに小鳥の鳴き声が聞こえ、せわしなく飛び交う小鳥が見えています。
うち一羽が、7mほど前にある木の枝にとまりました。
後ろに続く私たちも、邪魔にならないよう、声を潜めて見守ります。
小鳥はヒガラでした。
お腹がグレーの野鳥で、シジュウカラなどより小さめです。
確か、去年か一昨年に東赤石でやっぱり6月に見てますね。
どちらかというと冬より夏のほうが良く見かけるのかも?
10分ほどもこの場でいてくれたのは、近くに巣があって、私たちが巣に近づかないよう、身を呈して守っていたのかも知れないと、後で伺いました。
これもしっかり苔むした肌にヤシャビシャクが着生していました。
まだ若い木なのか、花が咲いたり実が出来ている風がありません。
ブナもかなり立派な株が出てきました。
雲早のシャクナゲ尾根のブナを思い出しました。
羽状複葉の綺麗な葉はナナカマドですね。
眼下に祖谷の集落が見えてきました。
山頂からでも麓の集落が見えるのは、この辺りの山の特徴でもありますね。
9時40分、森林限界を超えて、笹原に出てきました。
ササの中では、まだヒメハギが咲いています。
矢筈方面が目の高さと同じ高さに見えるようになってきて、嬉しい気分です。
すぐ下には、歩いてきた針葉樹林の森が見えています。
Tさんは、ヤマボウシノ木を見に行かれるそうで、西の方角へと歩いて行かれました。
山頂で、また会えることでしょう。
南東の方角には土佐矢筈山が見えています。
オコヤトコから登ってきたときは、この上辺りに出てきたのだったような?
東の方角を眺めると、白骨樹が青空に映えていました。
山頂までのなだらかな笹原が、何とも言えず、ゆったりとした気分にさせてくれます。
ササの中にツマトリソウを思いがけず見つけました。
5年前にこのコースを下ったときはツマトリソウには気づきませんでした。
時期的に、あの時より季節が進んでいるのかも?
ちょっと不自然な花と思ったら、このツマトリソウ6弁なんですね。
ツマトリソウは本来は7弁です。
そして、待望の褄をとったツマトリソウ発見です。
去年、丸笹では見なかったように思いましたが・・・・。
北アルプスでも毎年たくさん見ているツマトリソウですが、縁が赤いツマトリソウは四国でしか見ていません。
この縁取りがツマトリソウの名の由来なのに・・・・。
無理やり空を入れて撮影したツマトリソウです。
こんなところを登ります。
この日はその前の西赤石とは違い、涼しい風が吹いて、歩いていても暑さはさほど感じません。
中津山は山頂がガスに隠れていますが、その他は集落も見えて、貴のちの良い眺めが広がっています。
考えたら、登山口を歩き始めて以来、水分も摂ってないし、お腹も少し空いてきたような?
しかし、もうすぐ、牛ノ背の三角点に着きそうなので、それまでがまんがまん・・・・。
Pさんがそんな私にドライフルーツを恵んでくださいました。
牛ノ背山頂方面を見上げると、かなり上の方を数人の方が登っていました。
登山口に愛媛ナンバーの車が私たちより先に駐車してあったので、その方たちでしょうね。
ササの中で、褄こそとっていませんが、、綺麗なツマトリソウ発見です。
しゃがみこんでツマトリソウを撮影するPさん・・・。
Mさんの視線の先は矢筈方面ですね。
牛ノ背三角点には10時25分に着きました。
もちろん誰もいません。
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