一味違う京都散策へ、その5、桜守
山の中をずっと歩くのかと思っていたら、そのうちに畑などが見える所へ出てきました。
道の傍らで、何やら一生懸命に作業されている方が見えます。
↑その方は、どうやら桜の木の手入れをされているようでした。
花の好きな人間としては、とても興味があったので、お声をかけさせていただきました。
その桜はヤマザクラの木で推定樹齢100年以上という名札が掛けられています。
おそらく手入れをされていた方のお祖父さんかそのまたお祖父さんが植えられたんでしょうね。
その辺りにはほかに山桜は見かけませんでしたから・・・。
何でも数年前には株全体が枯れてしまい、花を咲かせなくなったのを、何とかここまで復活させたのだそうです。最盛期には樹高15mあったそうですから、ずいぶん大きな木ですね。
私もたいがい山には良く行きますが、樹高15mの山桜はおそらく見たことがないと思います。
それほどの木ですが、枯れたと思われた後に、根を取り除いたら、家庭用のゴミバケツ一杯分しか根がなかったとか・・・。よほど弱っていたんでしょうね。
桜の木は登山道より一段下に植わっているのですが、根っこはなぜかと登山道にいる私の目の前にありました。下の根がほとんどダメになり上に上がった根が生き残ったようです。
むき出しになった根が黒いのは虫よけに墨汁を塗っているのだそうです。
伏見稲荷のあまりの人の多さに、つい静かなこちらの道を歩いてきたと話したら、ちょっと前には大会があって5000人の人がこの道を歩いたのだと仰っていました。
四国の山ではありえない話ですね。
10分ほども、いろいろと興味深いお話を聞かせていただき、それだけでもこのコースを歩いた甲斐がありました。
桜の世話をする人のことを桜守(さくらもり)というのだと、どこかで読みましたが、まさに桜守と言う言葉を脳裏に浮かべながら、その場を立ち去ったのでした。
桜守の方とお話してる間に、後から歩いてきていた外人二人の方に追い抜かれていました。
ヤマザクラの古木から少し歩くと、いったん下に向かう車道らしきのも見えましたが、稲荷山に行くにはこのまま白菊の滝へと進むようです。
歩いていると、何やら足元に白い花が・・・・
今頃の季節にスミレ以外の花に出会うとは予想だにしてなかったので、一瞬、考えましたよ。
よく見ると、なんとまぁ、ミヤマカタバミではありませんか。
よりによって、ゴミ箱の裏で咲いていました(^_^;
それにしても、山陰や岡山の雪深い山では良く見かけますが、京都の標高100mちょっとの場所でも咲くんですね。この辺りは、日本海側の気候になるんでしょうか?
稲荷山への道標は古びていて良い感じです。
ここにもミヤマカタバミが・・・・
群生で咲いている場所もありました。
四国では見られない野草なので、これも嬉しい発見でした。
結局、ちょっと寄り道にはなりましたが、深草トレイル歩きは私にとっては正解でしたね。
ここが白菊の滝のようです。
滝と言っても、普通の滝を想像するとイメージが違いますが・・・
この辺りが、登りがいちばきつい場所ですが、タチツボスミレも咲いていて、ずいぶん癒されました。
これはセントウソウの葉っぱかな?
花は全然咲いてませんね。
こういう階段がいちばんきついですね。
ようやく、登りも一段落したと思ったら、向こうから外人さんのグループがやってきました。
道がわからない様子です。
取りあえず、私が登ってきた道を教えたのですが、どこに行きたかったんでしょう?(^_^;
鳥居がやたらと多くなってきて山頂が近いことがわかります。
12時5分、稲荷山山頂に着きました。
今までの静けさはどこへやら、ここに来ると結構な数の参拝客がいました。
ここをどうやら一ノ峯と呼ぶようです。
一応、ここでもお参りを済ませました。
お参りをしていたら、奥の方で何やら白い花が樹木に咲いていました。
↑の花で花径4センチほどあるのですが、こんな花は初めて見ました。
タチツボスミレもその辺りで結構咲いていて、嬉しくなります。
その後は深草トレイルの分岐まで返ることにします。
中之社や下之社の横を通りながら下っていきます。
こちらが表参道なので、私が登ってきた道とは対照的にずいぶん人が多くて、皆さん観光で来ている方なので「しんどい」を連発しながら登ってきます。
鳥居はほんとにびっくりするほど多いです。
もしかしたら1000本以上あるかも・・・。
よく見ると、昭和に建造したのは少なくて、どれも平成に作ったもののようでした。
25年以上経ったぐらいで鳥居が腐るものなのか?それとも奉納した人がたくさんいるので、少々綺麗でも建て直したのか?その辺のところはちょっと判りませんでした。
12時22分、四ツ辻と言うところに着きました。
ここが泉涌寺方面への分岐となっているようです。
よく見ると四ツ辻にある茶店に京都トレイルの地図を売っていると書いてありましたので、即、購入することにしました。
↑北山、東山、西山の地図に加えもっと南のほうまで載っているというマップもついでに購入しました。しめて2200円とか2300円だったと思います。
地図が入手できたので、これで一安心ですね。
安心したついでに、少し休憩していくことにしました。
その後、分岐までまた下り始めました。
途中、熊鷹社などを通過しながら、12時50分、最初に深草トレイルへと歩きだした分岐まで戻ってきました。
やれやれ、これで京都トレイルも一応歩けたことになります。
この後は今下った来たばかりの道をもう一度登ることになります。
1000本鳥居はすべて信者さん?によって奉納されているんですね。
値段表がありましたが、いちばん安いのでも175000円です。それでも、皆さんご利益があると信じて奉納されるんですね。
ミニの鳥居も奉納されていて、これは私が茶店で地図を買っていたときに、一人前の女性の方が買っていましたが、お店の方が女性に鳥居を手渡すときに火打ち石をカチカチと打ち鳴らしているのを初めて見ました。昔、TVで銭形平次のおかみさんがやっていた仕草です。
厄除けの意味合いがあるんですね。
13時12分、再び、四ツ辻まで登ってきました。
こちらの登りは思ったよりしんどくありませんでした。
道標がきちんと見つかって、安心しました。
良く考えたら、この日は下鴨神社に参拝した後7時過ぎに朝食を食べたきりで、その後は何も食べずに歩き通しでした。
ここで、腰を下ろして遅いお昼にします。
↑お昼ご飯は前夜に買っておいた鯖寿司ですが、好物なので美味しくいただきました。
北アルプスのお供は、毎年、柿の葉寿司ですが、京都トレイルのお供はサバ寿司が良いですね。
四ツ辻は見晴らしが良くて、京都の街が鳥居越しに一望できます。
街の向こうに見えている山なみは西山になるんでしょうか?
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