初めての大山に三ノ沢から登る、その8、下山そして、その後の花散策
危険な個所を過ぎたら、後はのんびりと花や木を楽しみながら下ります。
谷の上部の雪渓方面を見上げると、赤いウエアを着た方2人が下ってきているところでした。
午後に入っても、陽射しこそなくなったものの、稜線までくっきりはっきりと見えています。
山ではやっぱり目立つ色のウエアが良いですね。
私たちのんびりくだっていましたが、考えたらまだお昼を食べてないのでした。
行動食は次から次へと出てきましたが、ゆっくりと腰を落ち着けて食べられるような場所がなかったんですね。
最初に休憩を取った最終堰堤のすぐ上のケルンのところで、お昼ご飯を食べるることになりました。
ケルンを目指して歩いていたら、樹林の手前に何やらピンクが見えて、もしやと思い、急いで駆け寄りました。
すると、やっぱり、それは桜の花だったのです。
北アルプスでも沢を詰めていると、ミネザクラがあちこちで咲いていて、私たち山登りをするものは7月下旬でもミネザクラのお花見ができるのですが、ここ大山三ノ沢の桜はミネザクラとは少し違うようです。
Yさんにお尋ねしたら「大山の桜はオオヤマザクラだよ」とのこと。
大山はオオヤマザクラの自生地の南限だそうです。
確かに普通の山桜より濃いピンクをしています。
葉の特徴としては普通のヤマザクラより葉の先端が鋭く尖り、葉柄が赤みを帯びているそうで、画像でそのことが確認できます。
見たときはとっさに名前が出てこなかったのですけど、これはムシカリですよね。
サンカヨウももう一度撮影します。
午前と午後とでは光の具合が違うので、違う表情を見せてくれますね。
これはウリハダカエデの芽吹きだと思いますが、赤みがかった新葉と黄色い花芽がとても綺麗なコントラストです。
こういう色合いはもう四国の山では見られないですね。
無事に全員揃って下れたという安堵感で、皆、屈託のない表情でお昼を楽しくいただきました。
私は?と言えば、この日の大失敗、自販機のカップヌードルと焼きおむすびですが、あの稜線を少しでも歩けたという満足感で、美味しくいただきました。
結局、最終堰堤を出発したのは14時27分のことでした。
最終堰堤の上で咲いていたダイセンクワガタです。
堰堤から下ってこられるMさんご夫妻。
聞けば、岡山でも瀬戸内側にお住まいで、大山までの所要時間は私とそれほど変わらないのでは?と思うのですが、大山に魅了されたおひとりでしょうね。
タニウツギのトンネルを下られるYさん・・・
何だか後ろ姿がほっとしているような?
私たち3人を連れて登られるのは、ずいぶんいろいろなお気遣いとご苦労がおありだったでしょうね。
四国の山には少ないヤブデマリの花が樹林の中で垣間見えました。
はヤマブドウやサルナシの木の具合を見ながらののんびり歩きでした。
ヤマブドウやサルナシはもちろん、果実酒用でしょうね。
そういう私も珍しいマツブサの実を見つけた年はマツブサ酒を造ったことがあります。
これはコマユミですね。
木の実が目立つ木の花ほど、花は地味です。
下りでもツリバナの花はやっぱり撮影せずにはおれませんでした。
最初の堰堤まで下ってきても、まだまだはっきりと見えている稜線でした。
槍ヶ峰とその南峰、剣ヶ峰も、なんとか下からそれとわかるようになりました。
大山のブナも今年は豊作のようです。
四国のブナも中国地方のブナも一斉に豊作って…不思議ですよね。
朝、車で走っていて気になったヤマボウシが三ノ沢入り口でも咲いていました。
対岸ではこんなに花つきが良い株もあって、望遠レンズで引き寄せました。
結局、駐車場到着は15時19分でした。
まだ時間もあることだし、Yさんが花散策へと案内してくださることになりました。
Yさんが探されていたサルナシの木に花がびっしりと咲いていました。
こちらはギンリョウソウ・・・。
驚いたことに、オキナグサも見せて頂けました。
四国でも見たことはありますが、山ではこういう環境で咲くんですね。
四国の山で今年は見ることなく終わったエゴも咲いていました。
西赤石山に今年は見に行きそびれたアカモノもこんなに綺麗に咲いて・・・
気のせいか四国のアカモノより、お顔がふっくらしているような?
初めて見る花、トケンランにも会えました。
ブルーのヤマアジサイも早くも咲いています。
これはたまたま私の目の前にぶら下がって咲いていたハンショウヅルです。
本州の自生のハンショウヅルを見られたのは嬉しかったです。
16時過ぎ、たくさんの花も見ることが出来たので、Yさんたちとお別れして帰途に就くことにしました。
帰りは溝の口インターから高速に乗ることにします。
大山が素晴らしく良く見える場所でPさんが車を停めましょうと言います。
撮影スポットなのだそうで、なるほど電線などが入らないんですね。
水の入った水田には逆さ富士ならぬ、逆さ大山も映りこんで、皆さんいろいろ良い場所をご存知ですね。
それにしても、朝から夕方まで、一瞬も大山が姿を隠すことのなかたっという良い日に訪れることが出来て、怖いほどの強運でしたね。
Yさんは雨男でいらっしゃるそうですが、私たち四国からの強力な晴れ女3人のパワーが上回ったということでしょうか。(^_^;
↑Yさんからはなんとまぁ、お土産までいただいてしまいました。
3人それぞれにナツハゼ酒と春蘭茶です。
春蘭茶は桜茶同様、春蘭の塩漬けを使うそうです。
何とも趣のある山の恵みをありがとうございました。
↑私のは何の取り柄もないですが花や木を育てるのは好きなので、たまたま2013年秋に鍵掛峠にドライブに行った際に拾ってきたブナの実を育てたブナの苗木をYさんにもらっていただきました。
今回の大山へのお招きは、きっとYさんが惚れ込んだ大山と言う山を、最高の状態で四国の私たちに見せようと思われたのかな・・・、そんな風に感じました。
その思いは私たちに充分すぎるほど伝わりましたよ。
最高のおもてなしをほんとにありがとうございました。
四国の三人娘、Keitannさん、reikoさん、ピオーネさん、大山を楽しみましたか?
半年も前から企画した大山花登山、大山の一番素敵な顔を見せたかったのに、残念なことに今年は雪解けが早く、一週間開花が早かったようです。
それでも花たちを綺麗に楽しげに紹介してくれてありがとうございました。
嫌な奴が来ると顔も出さない花達が珍しく皆、顔を出して来ました。
剣ヶ峰まで行くには4のルートがあります。
一つ目は弥山からラクダの背を通って行くコース。
二つ目はユートピアから天狗峰を経て行くコース。
三つ目は私達が何時も通学路の様に使う、キリンのガレを通り槍が峰、天狗峰を通って行くルート。
三つとも見ただけで足がすくむ箇所が有ります。
もう一つのルートは今回登った一番安全な三の沢から槍が峰に登るコースです。
ルートを決めるに当たって、お三方のHPあるいはブログを念入りに山行記録を見せていただきました。
そして三の沢のルートを選んだのです。
花も多いし、多少アルペン感覚も味わえるルートだからです。
それにしてもKeitann、初めて大山に来て天狗峰まで行けたなんて…。
わたしなんか、最初は槍が峰までしか行けなかたのですよ。
もっとも、その日は台風並みの突風がふいていましたからですけどね。
大山は春は山野草や山菜、夏はお花畑や渓流吊り、秋は紅葉とキノコ狩りに木の実狩り。
一年中楽しませてくれます。
また何時でも大山を楽しみにお出で下さいね。
どんな時でも、どんな天気でも大山は何かお土産をくれる山です。
初めてのガイド気を使いました。
そして楽しみました。
ありがとうございました。
投稿: ヨックモック | 2015-06-22 23:26
ヨックさん、こんにちは。
私にとって初めて登る山、大山を、こんな素晴らしい花と展望のコースで
ご案内していただいたこと、ほんとに嬉しく思っています。
私自身も遠来の山友達の方を東赤石に案内したことがありますが、そのときは
1人だけで、山歩きのレベルもほぼ私と同じ方だったので、ほとんど気疲れなど
せずに歩きました。それに比べると、今回は3人もの女性を連れて行くだけでも
ほんとにご苦労がおありだったことでしょう。
イワカガミの群生は、来年以降も楽しめると思うので、お楽しみに取っておきます。
思いがけずもサンカヨウやダイセンオダマキに会えたこと、最初から最後まで
咲いていたダイセンクワガタなど、どんな花が咲いているかもまったく調べずに
登ったことで、その場での喜びがいっそう大きかったですよ。
大山の登山コースについても、まるっきり予備知識がなかったことは、あのコースを
歩くにあたって良かったのか悪かったのか、今でもよくわかりませんが、今までの
山歩き経験の中では、もっと怖かったこともっと不安だったことが数々あります。
転落は何でもない場所のほうが意外と気の緩みで多いですね。
私も今まで荒沢岳の痩せ尾根で転落してキスリングが木に引っ掛かってかろうじて
事なきを得たこと、丹沢で沢登りをしていて水没したこと、高瀑の滝への遊歩道でも
転落しかかったことなど、いろいろと失敗があります。
考えてみると四国には大山のように年間を通じて楽しめる山は少ないのですよね。
石鎚も魅力はありますが、お花はそれほど多くないです。
夏の東赤石、ツツジの時期の筒上山、春先の可憐な花が多い赤星山など、それぞれの
シーズンは楽しめても、年間通して歩くほどではないかもしれません。
おかげさまで、大山周辺の土地勘もかなり身につきましたので、これからはときどき
お邪魔させていただこうと思います。
ヨックさんの足手まといにならない程度に歩けるよう鍛えておきますので、これからも
どうぞよろしくお願いいたします。
あ、今回のブログアップに際してはずいぶんヨックサンの後ろ姿をモデルにさせていただき
ました。画像が引き締まって、良い写真が撮れたと秘かに自画自賛しています。
こちらこそ、ほんとにお世話になりまして、ありがとうございました。
投稿: keitann | 2015-06-23 13:55
keitannさん、「初めての大山、三の沢から登る」・・その8まで完読しました~
え?keitannさん、大山登山初めて?でしたか、意外ですねぇ~、でも初めてで槍が峰コースですか?(私も夏山道など普通の道しか登っていませんが)
やはり、案内して頂いた方が女性3名なので色々と気づかいされた様ですねぇ~花とアルプスの様な山を堪能されましたね!・・大山は奥が深いですね!
いや~本当に良いブログでした、力作ですねぇ~reikoさんのも見ましたが、どちらも花と登山・・と言う見応えが有りました、・・・お疲れ様でした!
私も今年はユートピアのお花畑が見たいと要望されていますので計画中ですが花の時期は人が多いし・・思案中です!
投稿: え~ちゃん | 2015-06-23 23:29
keitann様 こんにちは
大山の記事を楽しませていただきました。
小生は下りのときに膝の踏ん張りがほとんど利かないようですので、やはり今の状態のままでは無理かもしれません。
膝の回復・・・・はどうも望み薄のようですので、大山は眺めるだけに留めることになりそうです。
Yさんのご同行を得て、皆さんがそれぞれの持ち味を生かして山を楽しんでいる様子が良く伝わってきました。
記事を読みながら、自分ならどう歩くかと、常に自分をこのパーティーに同行させていました。
他人の落とした石に危うくあたりそうになったとか、その5あたりからは稜線の物凄さをつぶさに見てしまいました。
稜線で座り込んでいる男性の存在を知り、この尾根の痩せ具合が分かるように思います。
なお、槍ヶ峰で、「剣ヶ峰には綺麗な花が咲くよ・・・」と始めからYさんに聞かされていたら、keitann様ならきっとついていったことでしょうね。
大山のこのコースについて、沢山の貴重な情報を知ることが出来ました。
ありがとうございます。
投稿: ぶちょうほう | 2015-06-24 10:43
え~ちゃん、こんばんは。
そうなんです。この前まで大山にはなぜか登ったことがなかったんです。
意外でしょうか?
四国以外ではチャンスがあれば伊吹山、六甲、南北アルプス、東北の山など
あちこち登ってるのですが、大山は比較的近場の山なので、いつでも行ける
という気持ちがあったのかもしれません。
いつも眺めてばかりだったので、私にとってはいつの間にか眺める山となって
いたのかも知れません。
多分、今回のお招きがなかったら、一般道を登っていただろうと思います。
一般道は階段ばかりを登る、あまり面白くない道と聞いています。
人もずいぶん多いそうですね。
山行の印象を決定するのは天候とかルート、メンバー、展望や花の多い少ない
などいろいろな要素がありますが、今回はなんといってもヨックさんのガイドが
印象に残る山行となりました。
え~ちゃんもユートピアのお花畑?で政所さんと良い思い出を作ってくださいね。
投稿: keitann | 2015-06-24 21:44
ぶちょうほう様、こんばんは。
山歩きでは膝の調子と言うのは大きな問題ですね。
私も3年ほど前まで3時間以上の下りでは膝が痛くなるので、登る山を
選ぶのにずいぶん気を使いました。
ところが去年ぐらいから膝の痛みが薄れ、今シーズンはほとんど痛みは
出ていません。
なので、今回のコースへのお招きは、時期的にもタイムリーだったのです。
これが2年前なら、きっと膝の痛みを心配して歩けなかったコースです。
痩せ尾根は画像で見るほうが怖さを覚えますね。
私も登る前にいろいろ前知識があったら、怖さが先に立って歩けなかったのかも
知れないと思います。
でも実際歩く分には怖いと言えば怖いですが、胸がどきどきするとか冷や汗が
出るとかそういうことはなかったですよ。
自分では淡々と歩いたという感じです。
途中で座り込んでいた男性は、山にはあまり慣れてないような印象を受けましたので
最初から槍ヶ峰までにしておいた方が良かったみたいです。
剣ヶ峰に綺麗な花が咲くことも知りませんでしたが、これがラストチャンスという
訳ではないと思いますので、またのチャンスがあるかもしれないと、のんびり構える
ことにします。
山に関しても花に関しても、最近は焦りは不思議とありません。
投稿: keitann | 2015-06-24 21:56