ホトトギス満開
ここ数年、暖冬が続いていて、ホトトギスは秋というよりも初冬の花になってしまった。
正確には12月初めが晩秋の気候に変わってきたということでしょうか。
ここ数日、ぼつぼつと三島由紀夫の「豊穣の海」第一巻の「春の雪」を読んでいる。
確か15年程前に「暁の寺」まで読んだはずなのに「面白かった」ということは憶えているが、詳細は憶えていなくて・・・今度映画化されたそうなので、映画を観る前に
もう一度読み直そうと思ったわけです。(今度は完読できるかなぁ?)
たまたま、昨日、こんな下りを読みました。「十一月の寒夜の散歩はいかにも異様である。公爵は執事に命じて外套を着る。清顕も撞球室を出て、学校の金釦のついたダブルの外套を着た。」
ここ数年の暖冬のせいで、11月にオーバーを着ることなど考えもしないけれど、数十年前の11月の東京の夜はダブルのオーバーが必要なほどだったのですね。11月といえば、23日の勤労感謝の日前後は、本門寺で大坊市という江戸時代から続く市が立ちます。実家から近いので、小さい頃から、夜は歩いてこの市に行ったものですが、マフラー、手袋、オーバーはやはり必携だったように記憶しています。木枯らしでも吹こうものなら、体をすくめて歩いたものでした。打って変わって、昨日のドライブは、窓を開けて走らないといけないほどの暖かさ。やはり温暖化を実感しますね。
三島といえば、一昨日の朝日の天声人語で取り上げられていた。11月25日は三島が自決した日だ。あれは高校何年のときだったか?現代国語の先生はまだ20代の女性だったが、自決があった後直ぐの授業は、ほとんど三島の追悼で授業が半分ほど終った。三島文学に対する熱い思いを一気に語った先生の姿が今も目に浮かぶ。
三島の文章をその細かい部分まで読み取るのは、若い人には難しいかも知れない。比喩の素晴らしさなどに、今更ながら、驚くばかりです。
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