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2006-07-20

北岳に登る、その6、シナノキンバイ

13日朝は5時起床。小屋の朝食時間が5時半なのだ。

前夜の睡眠不足を取り戻すべく、ぐっすり眠れた私とは対照的に、Sさんはあまり眠れなかったらしい。朝食後のコーヒーは200円なのだそうで、コーヒー中毒の私は迷わずお願いする。SさんとOさんも付き合ってくれ、山の中で優雅なコーヒータイム。

6時にはパッキングも完了。

Dsc01547_1

ここから先は水場がない。水場でペットボトルに水を満たしてから出発する。

↑画像は池山吊尾根を眺めるSさん。大樺沢の南にそびえるこの尾根は長大な尾根で野呂川からこの尾根経由で登るコースもあるが山頂までのコースタイムはなんと9時間近く。谷にはまだ雪渓が残っていて、雪渓からの水は大樺沢に流れ込むようだ。

Dsc01548_1 出発前に木の香も新しい小屋の前で、SさんとOさんに立ってもらい、記念撮影。

6時10分出発。

この日の行程は草すべりから稜線までがコースタイム3時間。そして稜線から肩の小屋までが30分というもの。

昨日のこともあるので、私がトップを歩く。ペースはきわめてゆっくりにした。草すべりはかなり勾配があるので、急いで歩くとばてそうな登りなのだ。先に出発した人が200mほど上方に見える。

Dsc01549_2

道はほぼ直登だが勾配が急なところはジグザグに切ってある。

傍らには昨日も咲いていたミヤマハナシノブ、タカネグンナイフウロ、カラマツソウなどが目を楽しませてくれる。途中からは直ぐにシナノキンバイも見え始めた。一年ぶりだね。

後方を振り返ると、眼下に白根御池が見える。Sさんが「いつまで経っても池が小さくならないですね」というが、それでもまずまずのペースで登っていると見え、垂直距離にして300mは割合楽に登れた。稜線までは約700mの登りだから、途中で休憩を一回取ればちょうど良いだろう。

Dsc01554_1 見慣れない白い花を見た。小さめの樹木だ。後で小屋で調べたらヒョウタンボクというようだ。スイカズラと非常によく似ているが、初めて見た。

Dsc01555

それまでもハクサンチドリの蕾らしきものは見ていたが、ここで初めて、咲いているものに出会う。秋田駒、仙丈ケ岳、そして今年と3年連続で見ることが出来ている。これも四国には分布しないので、本州の山に登らなければ見ることは出来ない。

Dsc01557

先ほどからちらほらと見えていたキバナノコマノツが登るにつれて多くなってきた。いつの間にか木の生えていない草すべりの登りはは終わっていて、道は右に回りこみ、ダケカンバなどの樹林帯の中を通っている。

Dsc01558

登山道から斜面を眺めてみた画像。Dsc01559_1

ダケカンバの枝越しに吊尾根が見える。

登り始めには上方に見えた吊尾根とこちらの高度がそれほど変わらなくなってきた。

Dsc01562 ツマトリソウがまた咲いている。好きな花だから性懲りもなくまたカメラを構える。

向こうを向いて咲いているのはキバナノコマノツメ。キバナノコマノツメも仙丈よりもたくさん咲いているように思う。

Dsc01564_1 登山道の様子。

ダケカンバの根元が2m以上も曲がっているのは積雪のせいだろうか?などと話しながら登る。

緑はここまで来るとまだ新緑といっても良いような若々しい緑だ。

1時間歩いた7時10分に一本、休憩を取る。展望はあまりないのだが、ガスの切れ間に北北東の方向、はるかかなたに日光方面と思しき山々が見える。Oさんが北岳山頂からの展望の解説がガイドブックに載っていたのをコピーしたそうで、私たちの分まで下さった。しかし甲斐駒や八ヶ岳など肝心な部分が見えないので、どうにも決定的なところがわからない。こういうときにOさんのご主人のMさんが居て下さったらなぁ。Mさんはやはり先輩なのだが、信州出身でこの辺りの山をよく歩かれているので、山の名を良くご存知なのだ。

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コメント

keitann様 こんにちは
これからいよいよ草すべりに取り付き、当然登りきってしまわれますよね。
今日の画では圧巻は滴る「緑」ですね。
それといかにも急な斜面の歩行。
とても臨場感があります。

ハクサンチドリ・・・・・出るべきものが出てきましたね。
この花は華やかで、心躍りますね。

急斜面の草樹の中からカモシカの一つや二つが出てきそうな雰囲気もあります。
ダケカンバの枝振りが苦難の歴史を物語っているようでもあります。

ぶちょうほう様、こんにちは。
ぶちょうほう様が登られた御岳でも同じだと思いますが、標高2500ともなりますと、まだまだ緑が若々しくて良いですね。
山頂に1株ナナカマドがあったのですが、後輩が「綺麗な緑」と言って見とれていました。
ハイマツの緑も最終日はとても綺麗でした。
歩きながらこんな画像を撮影するぐらいですから、私たちの超ゆっくりペースもおわかりいただけると思います。
ダケカンバやハイマツ、ナナカマドなどが出てき始めるといよいよ高山帯びに入ったことが感じられて、いやがうえにも気持ちが高揚しますね。
黄色や白い花の多い中、ハクサンチドリはほんとに華やかでした。

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