秋に咲いたヒゴスミレ
我が家のヒゴスミレは3年ほど前に、園芸店で買ってきたものだ。
その園芸店は海辺に近い町にあって、叔母の家の直ぐ近くにあった。叔母には私は若い頃にずいぶんお世話になった。叔母は独身で50になる直前にそれまで大阪で切り盛りしていた日本料理屋のお店をたたんで、私の実家に程近い海辺の町に居を構えたのだった。
その叔母がどういう因縁か、父がそれが原因で死んだのと同じ悪性の脳腫瘍にかかったのは4年ほど前だった。もっとも叔母は母の妹であって、父とは血の繋がりなどなかったのだけど、私は縁の濃い二人の人間を脳腫瘍という病気で亡くすことになった。
初夏に発病した叔母は夏に手術を受け、一旦、回復したかのように見えた。退院をした叔母は、ヘルパーさんに来てもらいながら、何とか一人暮らしをしていた。私も、時折、その海辺の町を訪ねたものだ。
お見舞いに行った帰りに直ぐ近くの園芸店を覗いたらスミレが目にとまった。それまで花は大好きで、野のスミレも見るのは好きだったのに、一度も育てた事はなかった。
春に真新しいポット苗が出てきたのではなく、たぶん前年から持ち越したスミレたちだろう、親株自体は貧相になっていたけど、周囲にこぼれ種から芽吹いた芽がたくさん出ていた。
そちらが目的で買ったようなものだ。値段はわずか100円。
その無数の芽を株分けして育てて、ずいぶんたくさんの方に差し上げた。今もその孫苗が一杯育っている。
それ以来、私の庭にもスミレが増えて、今では5種類は越すだろう。
叔母はこの6月に帰らぬ人となった。
ヒゴスミレを見ると、いつの間にか叔母のことを考えている。
叔母さん、亡くなられて淋しくなりましたね。。。
ヒゴスミレ 花の形が見知っているのとちょっと違って、可愛いですね
100円だったなんて、一層いとおしい感じがします
投稿: yuuko | 2006-11-14 21:29
yuukoさん、こんにちは。
叔母は独身だったので、病気になってからはいろいろと大変だったようです。
うちの母は遊ぶことが苦手な人なのですが、叔母が死んでからは、ちょっと考えが変わって、生きているうちに少しは楽しんだほうが良いと思い始めているようですよ。
スミレの仲間は時々園芸店なんかでも1ポット100円ちょっとで売られていますね。他の園芸種と違って強いので、枯れてしまうということはないようで、古いポットがそのまま売られているのをよく見かけます。
葉が切れ葉なので、直ぐに見分けが出来ますよ。こちらの山でもたまに咲いているそうで、来春は自生のを見てみたいものです。
投稿: keitann | 2006-11-15 10:36
春先にいただいたうちのコも、ちょうど今咲いているんですよ~。
やっぱ、遺伝子が一緒だからなのかな?いい香りがしています。
以前育てた肥後スミレは、返り咲きしたことなかったように思うんですが・・・。
花にも、個性がありますね!!
叔母さんの話、心に沁みますね。
花にその人の思いが宿っているのかな。
投稿: ちゃっぴー | 2006-11-15 11:51
ちゃっぴーさん、こんばんは。
春に送ったヒゴスミレ、そちらでも咲きましたか?奇遇ですね~。
たった一株の子が咲いたってのも、ラッキーでしたね。
あれ?ヒゴスミレ、いい香りがしています?
うちでは今、キンモクセイの香りが強いからか、ヒゴスミレの香りには気付きませんでした。明日、匂いをかいで見ようっと。
花は結構、何かしら思い出や思い入れがあるものが多いですよね。
投稿: keitann | 2006-11-16 21:08