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2008-07-31

槍穂展望の山旅、その17、山旅の終わり

さすがにわさび平で休んでいた登山者の人たちも、皆、登って行きました。

私たちも最後の林道歩きです。山歩きの最後が林道歩きというのはよくあることですが、それまでの緊張もほぐれるからか、どことなくけだるい歩きになることが多いですね。

口数も少なく、それでも見残した花を見るつもりで歩き始めます。時刻は11時半です。

P7194807_2

往路でたくさんの蝶がもぶれつくのを見ていたクガイソウです。帰りには4,5匹の蝶が吸蜜していただけですが、登りの時は一つの花穂に10匹近い蝶が来ていて、ちょっと気持ち悪いくらいでした。画像失敗したので、アップはできませんが・・。

P7194814_2 種類まではわからないですが、このシジミチョウがとにかく多かったです。

そして蝶を追い求めるムシ屋さんも三連休とあって、たくさん来ていて、網を振り回していたようです。

P7194796_2 わさび平小屋近くの木に絡まっているツルアジサイは、装飾花ばかりで、まるで園芸種みたいでした。ほかのツルアジサイは四国で見るのと同じ、ごく普通のものばかりでしたけど。

P7194798_2 山は夏山シーズンに入ったばかりですが、なぜかホトトギスの花芽も上がっていて、ほんの小さな秋の訪れも感じます。

P7194803_2 ハクサンシャクナゲはどこも花が少なそうでしたが、そんな中、見事に咲き跡を残した株もあります。

P7194804_2 奥のほうには白く咲いている花も見えます。

P7194816_2 クガイソウと同じ花のように見えますが、白いのでシロクガイソウ?

P7194805_2 たまに上を見上げると、夏空が広がって、下界の暑さが思いやられました。

P7194818_2 四国では見られない花ですが、アルプスに来ると嫌というほど見かけるヤグルマソウも白い花を見せてくれました。

もっと上では葉っぱだけ見かけました。

P7194820_2 帰り道ではなぜかオオヤマレンゲを1株しか見ることができず・・・。でも、この道沿いにオオヤマレンゲがあるとわかったのは、嬉しい発見でした。

P7194831 辺りが涼しくなってきました。風穴に近付いたのです。

道沿いにはなんとタチツボスミレまで咲いています。

季節は夏から春に逆戻り?

P7194836 標高2000mで見かけたコイワカガミをもう一度見ることができるのは、風穴のおかげですね。

温度差は6度ぐらいもあるのでしょうか。

P7194839 ゴゼンタチバナも今年はこれが見納めでしょうね。

P7194844 いつも四国で見るマタタビの花とどことなく感じが違うので、ミヤママタタビの花かもしれません。

綺麗な花です。

P7194845 蒲田川の川べりにはアザミが咲いて、これはこの季節にぴったりの花でしょう。

P7194846 ヒヨドリバナも勢いを感じさせてくれました。

P7194848 林道沿いにはあちこちでブルーのヤマアジサイが咲いていましたが、ここだけは不思議とピンクの花が咲いていて、それがまた綺麗な花でした。

P7194850 ノリウツギは今年の初見だったように思います。

これからの山歩きでは嫌というほど見ることでしょう。

P7194854 そろそろホテルや旅館の建ち並ぶ辺りまで下ってきました。

まだ登っていく人とすれ違いましたが、わさび平泊まりの人たちでしょうね。

そして行きにも気になっていたこの花はクルマバナでしょうか。四国で見るクルマバナと少し風情が違うような気がしました。

P7194861 剣山では奥深い場所に咲くヒメフウロがここでは山を下ってくると咲いています。

P7194865 何度か見かけたのに、ここまで下ってきてようやく撮影できたタテヤマウツボグサです。

去年は小池新道の入り口で見かけたのでしたが。

P7194870 そしてこれは嬉しい出会いでした。初めて撮影することができたクサボタンです。

北岳に登った時、広河原付近でたくさん咲いていたのに、バスの中からしか見られなかったクサボタンです。

今回も林道歩きの途中や小池新道入口で葉っぱは見ていたのですが、花が咲いていたのはこの株だけでした。立ち性のクレマチスです。

P7194873 そしてクサボタンの咲いたいた場所と、道路を隔てた反対側の草むらに咲いていたキバナノヤマオダマキです。

去年は大株を見かけたヤマオダマキでしたが、今年はとうとう見られないで帰るのかと心配しました。

P7194881 新穂高のバス停付近まで下ってくると、はるか上に笠ヶ岳と思しきピークが見えました。

標高差1800mありますから、ほんとに、とてつもなく上のほうに見えました。

12時45分、新穂高温泉まで下山してきました。

去年は気付かなかったバス発着所近くの食堂で、二人でカレーを食べて一息入れました。平湯のバスターミナルが混雑していたら、食事もままならないと思ったからです。

考えたら、この日は鏡平では朝食を頼んでなくて、持っていたラーメンを食べるつもりが、暑かったので、作らずにここまで下ったのでした。

道はこのバスの発着所付近で右俣林道と左俣林道に分かれていて、右俣方面には槍方面から下ってきた人や今から槍方面を目指す人が結構歩いているのでした。

来年はもしかすると、こちらを行くことになるのかな?などという思いがかすかに頭を横切ります。

それにしても、この食堂のメニューはカツ丼、カレー、卵丼など、昔、山から下りたら必ず食べていたようなメニューばかりで、懐かしかったです。昔はテント泊で7泊の最後のほうといったらろくなものを食べてなかったですから、山から下りたら何を食べるかなんて、話しながら下ったものでした。今も昔も山から下りて食べたい物って、変わらないんでしょうね。

P7194883食べ終わって、駐車場まで最後の10分を歩きます。

駐車場の近くではゲンノショウコが早くも咲いています。

P7194885 そして近くには白花のゲンノショコも咲いていました。関東が白で関西が赤?ここは中部ですから、中をとって、両方咲いていたのかも・・。

P7194887 この時期の山歩きのお約束のタマアジサイの花芽も丸く膨らんでいます。

だけども、花が咲いた姿はまだ見てないのです。

驚いたことに、4日間、車を置いてあった間に、ガラガラだった無料駐車場は満車になっていました。おそらく数百台はおけるという広さなのですが・・。

がらがらの時にとめたので、私の車は山に一番近い場所にとめてあったのです。

山靴を普通のウオーキングシューズに履き替え、去年も浸かった露天風呂のある温泉へと走ります。数日分の汗を流してさっぱりした後、平湯のバスターミナルまでKさんを送りました。お土産に欲しかった明宝ハムを買いこんで帰路についたのは15時半頃です。

P7194895 高山で高速に乗る手前で、アルプスが見えていることに気付き、急いで車をとめて撮影しました。

午前中まで歩いていた山々は、私が想像していたよりはるか高みにありました。

またこの高みに身を置きたいと、強く感じました。

帰り道は、去年ほどは眠くはなりませんでしたが、それでも暑さにはびっくりしました。それもそのはず、その日は岐阜の多治見で37℃にもなったそうです。

本州の山に再び登り始めてから5年目で、今年は去年とまったく同じコースを歩いたわけですが、去年とは全く違う夏山らしいアルプスを楽しむことができて、山はつくづく来るたびに違う表情を見せてくれると感じたことです。

自宅には日付の変わる直前、19日23時55分に、なんとか無事にたどり着きました。今年も胸にたくさんのシーンを刻みこむことができて感謝です。

コメント

keitannさん、こんばんは。

北アルプスも快晴だったのですね。

やっぱり花を見るのは7月がよいですね。
これまで山歩きは8月のお盆休みが中心でしたが、これからは7月にしようかな。

ところで、クルマバナの写真ですが、同じシソ科のカワミドリにも似てますね。
http://santaro.cocolog-nifty.com/note/2008/07/post_2123.html
実はカワミドリは今年の春に種を播いたのです。

三太郎さん、こんばんは。

いつも梅雨明けがまだでも、それを承知でこの時期に登るのは、花が多い時期でもあるからなんですよ。
高山では雪渓が解けて直ぐに咲く花がやはり多いようです。

私も昔は夏合宿というと8月10日ごろからだったのです。そうするとチングルマもすでに綿毛になってたりで、
あまり花の記憶が残ってないのです。

それと7月20日を過ぎると、人がずいぶん多くなりますね。
人の少ない静かな山は、7月中旬がいちばんです。

ただ、雪が多いので、ルートが限られるのと、バスなどの便数が少ないのが難です。

シソ科の花についてのご教示、ありがとうございます。
カワミドリも考えないではなかったのですが、カワミドリは上のほうで枝が分岐するんです。
以前、何度か見たことがあるのですが、今回見た花とは、ちょっと草姿が違っていたようです。

所が変わると、草姿が少し違うというのも今まで何度か経験していますが、シソ科はほんとに
難しいですね。

こんばんは~。
すんごい充実してますね~!!
お花もとても可憐で、生き生きとしてます。
人間は下界の猛暑に悲鳴を上げ、ガソリン代にまた悲鳴を上げしてますが、
さすが山は悠々たるもんですね♪
あたりまえか。^^

ちゃっぴーさん、こんにちは。
毎日暑い日が続きますね。

北アルプスを歩いたのはもう半月前のこととなってしまいました。
明日、亡き義父の17回忌をしますので、その準備などがあったため、ゆっくりとアップしてきました。
山歩きそのもは、たいしたコースではないですが、計画から登山口へのアプローチまですべて自力ですので
それだけに、無事に帰宅した後は、今年もまた登れたという充足感があります。
自分の体力や集中力などを再確認できる機会でもありますね。

高山の花は可憐なものが多く、ほんとに癒されます。
ガソリン代も気になるのですが、年に一度のことですので、目をつぶって行きましたよ。

新穂高からだと西穂近くまでロープウエイがあって、誰でも一気に標高2300mまで行けますので、ファミリー向けですね。
私もまだまだ山歩き復活してなかった6年前はロープウエイで末っ子と登ったものでした。

keitann様 こんにちは
北アルプスの花紀行を終えられて、お疲れ様と申し上げます。
とても素適な山行を重ねられ、それを私たちにもお裾分けしていただき、有難いことです。
今回の記事でびっくりしたことは、平湯からの走行が、8時間半もあることでした。
お疲れのあとの運転ですから、これは大変なアルバイトですね。
その点の頑張りも評価しないわけには行きません。
そういうものをみんなひっくるめて、素適な宝物として、keitann様の脳味噌の記憶蔵に保存されるのですから、得がたい事ですね。
沢山の風物をどうもありがとうございました。

ぶちょうほう様、こんばんは。
今回の山歩きはほぼ去年と同じで、花も眺めも同じようなものですけど
同じ山でも印象はそのつど変わるものですね。

今回は笠までの山なみが見渡せたことで、去年とはまた違った思いも
抱きました。

帰りの運転は、去年は双六から歩いてきた分だけ出発が遅くなり、帰宅したのが
午前零時でした。それに比べると今年はまだ元気が残っており、ネットを開く余裕が
あったので、我ながら感心しました。
ドライブも山歩きも花を見るのも好きですから、撮影したいものも多くなり、ずいぶん長い
シリーズになてしまいました。
読みとおしていただいたことに感謝しております。
こちらこそありがとうございました。

keitannさん、こんばんは。
北アルプスの花紀行 とっても見応え読み応えがありました。
画像もとっても綺麗・・・ 重たい一眼レフをお持ちになったのですね。
私も昨日は乗鞍でした、高山植物はもちろん雷鳥の親子にも逢えました。
本当にお山って良いですね~。(私は楽々登山でしたが・・・)
乗鞍から山々の稜線を眺めながら、keitannさんのブログを思い出していました。
遠い地からのアプローチ、体力気力共に大変だったと思います。
ブログを拝見した主人が「双六まで行きたい!」と言っております。
実現出来るかどうかは分かりませんが・・・ 行ってみたくなりました。

ミャーのママさん、こんばんは。

乗鞍岳に行かれたのですね。みーこママさんちで雷鳥の画像を見せていただきましたよ。

よかったですね~。私は今年はなぜか雷鳥には会えませんでした。
去年は何度も見かけたのですが、雷鳥はお天気の悪い時によく出てくるので、今回はお天気が良かったから
科も知れません。

鏡平方面からも乗鞍がよく見えましたから、きっと向こうからも槍穂や裏銀座、笠ヶ岳なども見るでしょうね。
少しでも知っている山が見えると嬉しいものですよね。
山って、実際に自分の目で見ると、ほんとに登りたくなってくるものですね。

そうですか、ご主人さまが双六に登りたいと仰られているんですね。
私のブログがきっかけで、山の好きな方が増えるなんて、ほんとに嬉しいです。
ミャーママさん方面からですと、距離的にも行きやすいので、ぜひいらっしゃってみてください。
花の好きな方なら、お勧めですよ。

keitannさん、こんにちは!
北アルプスの花紀行はとても楽しませていただきました。

いったい何枚ぐらい撮影されたのでしょうか?見落とすことの多い地味なお花にも目を向け、しっかり撮影されるkeitannさんを見習いたいとおもいました。
最後の林道もこうやってお花を観察しながら歩けば辛さが半減するかもしれませんね!

クルマバナに似ているお花は、もしかしてミヤマトウバナでしょうか?自信はないです。間違っていたらごめんなさい!!

最近遊んでばかりでお恥ずかしいのですがこれから中央アに行ってきます。

はじめまして。鏡平、弓折乗越からの稜線、双六小屋、それにたくさんの花の画像を拝見しました。もしかしてあの日鏡平からすぐのところで『ミツバオウレン』を教えてくださった方ではありませんか?
 間違いではなければ、双六小屋での夕食の時、福井県の男性の向かい側に座っていた者です。

 翌朝未明から雨が降って、撤退しようか迷ったのですが、鷲羽岳まで行きました。

 違っていたらすみません。

たんべぇさん、こんばんは。

今はまだ中央アルプスにいらっしゃるのでしょうか?
とっても羨ましいです。

私は北アルプスから帰ってからというもの、昨日の法事の準備のために、ほぼ半月間も山には行けていません。
昨日は何とか無事に終わり、明日には来客のうちで最後まで我が家にとまっていた千葉の甥っ子が帰るので
明後日からはようやく自由の身です。

歩くのが速い後輩には申し訳ないのですが、年に一度しか来れないアルプスなので、無理を言って、撮影三昧
させてもらってますよ。撮影枚数は1200枚ほどでした。もっとも行き道や帰り道でも撮影しますから増えるばかりです。
四国では見られない花が多いので、なるべく、いろいろ見ています。林道歩きは、花の宝庫ですよ~。

不明花・・・仰られるようにミヤマトウバナのようです。ありがとうございました。

wolfgangさん、こんばんは。&はじめまして。
貴HPを拝見してきましたよ。間違いないですね。

双六小屋で福井の男性の前に座られていた方ですよね。
そうそう、すっかり忘れていましたが、ミツバオウレンを撮影されていらしたんでしたね。
丁寧に画像を撮られていたので、もしかしたらHPかブログをお持ちなのかなとは、ちらっと
思いましたが・・。
私は山ではブログを持っていることを言ったことはなくて、あの時一緒だった後輩も、この
ブログのことは知らないのです。

双六小屋では朝方の雨がひどかったので、どうしようかとずいぶん迷いました。
一旦、小止みになったように見えたのですが、鏡平に下るまでに再び強く降り始めて、
発った3時間足らずの下りで、ずいぶん濡れました。

あの日は鷲羽まで行かれたのですか?がんばりましたね~。
私たちは根性なしで、鏡平に下ってしまいました。

また、機会を見て、ゆっくりとHPを見せていただきますね。

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