初秋の高越山、その3、コバノフユイチゴの実
駐車場に車を置いたら、靴を登山靴に履き替え、ザックを背負って出発です。
ここで、案内して下さってるSさんが山靴を私の車に積み込むのを忘れていたことがわかりました。Sさんはなんとサンダル履きですが、仕方なくサンダル履きで参道を歩くことになりました。去年は駐車場から車道を歩き(ただし、一般車両は通行止め)帰りは山頂から下ってきたので、この表参道を歩くのは初めてです。
参道はそれほどアップダウンはないですが、それでも岩がごつごつしていたり、木の根っこもあるので、サンダル履きではきつかったのではと思いました。
道は樹木に覆われているので、夏場でも涼しいそうです。この日は特に涼しく、快適でした。
道沿いにはトチバニンジンの赤い実も見られましたが、↑画像のコバノフユイチゴの赤い実は初めて見ました。花だけは銅山越えへの道でいつも見かけるのですが、実を見るのは初めてで、撮影後にお味見して見ました。結果…酸っぱかったです(^_^;
赤くておいしそうに見えるんですけどね、見事に外れました。
モミジガサも高越山にはずいぶん多くて、あちこちで群生していました。
しかし、例のごとく、咲いた花はあまり見られず、何とか開花した株を撮影できました。
画像の植えのほうの花が開花していますが、咲いていてもこんな地味な花なのです。
草丈はどれも低く50センチほどしかないので、もしかするとテバコモミジガサかも知れません。
マツカゼソウはミカン科です。ミカン科で草本というのはこのマツカゼソウぐらいではないでしょうか。
香りもミカン科独特の香りがあるらしいのですが、香りを確かめるのを忘れてしまいました。
それほどどこででも咲いているわけではないけど、秋には何度かは必ず会えるので、またその機会があることでしょう。涼やかな葉と、控えめな白い花がなかなか素敵な花です。高越山では、なぜか1株しか見ませんでした。
植物を見たり撮影したりしながらゆっくりと歩いても20分ちょっとで高越寺の山門に着きました。
去年も見事な彫り物に見とれたものですが、山門の彫り物が素晴らしいです。
こちらは鐘楼の彫り物です。
検索によれば「頂上には真言宗大覚寺派の高越寺があり、大化の改新後の天智天皇の時代、行者小角により開基されたという。当初は神仏両道を修め高越権現として大和国の吉野権現とは一体分身ともいわれた古い歴史をもつ。8月18日に行われる18山は行者達によって宵・夜中・暁方と3回にわたり大柴灯護摩の秘法が行われる。」とあります。
なるほど、この高越寺には不思議と鳥居があり、お寺なのに鳥居?と訝ったのですが、そういう訳だったのですね。
お寺の本堂におまいりした後、休憩所でお昼を食べさせてもらうことにします。時間はすでに12時近くです。日曜とあって、下から登ってこられた男性のグループ、夫婦連れの登山者なども来られました。Sさんは高越寺に毎日のように通っておられるとのことで、お寺の方とも顔見知りで、お茶まで出していただきました。お寺の方は去年来たときにもいらした方で、顔に見覚えがありました。
食事の後、サンダル履きのSさんは無理ですが、Tさんと私だけ、山頂まで行くことにします。
山門の横の鳥居をくぐると山頂への道があります。
うっそうとした樹林の中を登っていくと、ウバユリの花後の茎にツルニンジンのツルが絡んでいました。
蕾も膨らみ始めていて、これが咲いたらどんな眺めになるのでしょう?
ちょっと見てみたい光景ですね。
ヤブハギが先ほどからあちこちで咲いていましたが、ここでは群生していました。
山歩きをするものにはお馴染みの野草ですね。
たいていは薄暗いところで咲いていますがこのときは光が当たっていて、撮影しやすかったのです。
後方の緑はブナの木のようです。
大滝山と同じく、高越山でも山頂付近でのみ、ブナが見られます。
あまり他の山では見られない野草です。
山頂のベンチで夫婦連れの方がお昼を食べてらっしゃいました。
眼下に吉野川が見えるので、その向こうの山は阿讃山脈のようです。
山頂まで来たら引き返すつもりでしたが、Tさんが奥宮まで行きましょうというので、もう少し歩くことにします。
山頂から10分も歩かないうちに奥宮のはずです。
奥宮へは痩せ尾根を尾根伝いに歩いていくのですが、途中で岩場のようなところを少し下りました。
ところどころに磨崖仏があります。
岩場に映えているアサマリンドウです。
もう花芽が上がってきています。
後半月もすれば咲くでしょう。
この付近もブナが少し見られます。
ツルシキミの中にツクバネソウが1株だけ見えて、実がすでに真っ黒になっています。
平坦地からほんの10mほど登ったところが奥宮になっています。
8月18日の祭りの名残か白いシデが地面に落ちています。
薄暗くて画像は失敗です。
奥宮付近で引き返すことにします。
辺りはブナなどの樹林になっています。
お宮があるので、道もあちこちにつけられていて、ここから本堂方面に行く道も3ルートほどあるようでした。
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